新しい年になり早くも1ヶ月が過ぎてしまいました。今年はどんな1年になるのだろう、大きな災害が起きなければいいなぁ、論文の研究が少しでも進んでくれたらいいなぁ、など思うことはいろいろありましたが、何より健康で過ごせることが一番。そして皆さんとその家族である犬や猫が健やかに過ごすことができるように今年もお手伝いできればと思っております。
さて、今年最初のEntryはあるセミナーでのワクチン接種についての話を書きたいと思います。皆さんはペットにどんなワクチンをうっているかご存じでしょうか?ご存じの通り人でも犬猫でも100%安全が確約されているワクチンはありません。自分も子供のワクチンのため何度も小児科を訪れる機会があり安全性や副作用のことを調べたりしましたが、ワクチンが市販されるに至っては何十にも行われた安全試験をクリアしてのこと。メディアなどで取り上げられる副作用の事例については何らかの基礎疾患を患っていたことが多数占めているような気がします。しかし、このような記事が恐怖心を煽ってしまいペットの分野まで波及している可能性は少なくないと思います。確かに、猫のワクチン関連肉腫や犬の自己免疫性疾患への関与については文献もみられ、実際に自分も経験しているので副作用のことを否定するつもりはありません。副作用の危険性を疑う犬種や疾患を患っているのならワクチンはうつべきではないと思います。ちょっと内容的には反対の話になりますが、WSAVAというグループが3年に1回というワクチンプログラムを提唱しています。これはあくまでワクチン接種率が90%以上ある集団免疫が確立している地域でのお話。講師をしてくれた海外の先生も日本のワクチン接種率の低さの話をすると、WSAVAのプログラムをそのまま適応させるのは厳しいがプログラムを適応できるくらいに接種率を上げてもらいたいとのことでした。ワクチンも多種ワクチンだから良いというわけではないと思います。獣医師は本当に必要と思われるワクチンを選択し、飼い主さんに提案できるよう努力を怠ってはならないと痛感した内容でした。みなさん、お手元のワクチン証明書を確認してみてくださいね。
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