狂犬病というと非常に縁遠い病気のように感じますが、実は日本でも流行の兆しがある病気なんですよ。最近、犬猫以外のエキゾチックペットといわれるものが狂犬病ウイルスを運び込んでいる可能性があるというニュースをご覧になった方もいらっしゃると思います。新聞でも日本に入港するロシア船が守り神としている犬が検疫を受けずに上陸しているとのことで検疫に力を入れているとの記事も掲載されていました。
実際、日本では1957年以降発生していないのですが国内での狂犬病予防ワクチンの接種率は50%にも満たないのが現状のようで、万が一流行するようなことがあったらお手上げです。狂犬病のように予防第一の病気はしっかりワクチン接種をうけなくてはいけませんね。
ちなみに狂犬病に感染した際の症状は、恐水症状・呼吸障害といったもので、発症した際の治療法はなく数日で死亡してしまう怖い病気です。
寺本 佐記子 says
野亦先生へ
はじめまして。現在、中国留学中の者です。
今日(6月15日)、ふとしたことから不意に猫(生後2ヶ月ほど・飼い猫ではない)に手の甲を咬まれ、病院で狂犬病ワクチンを打ってもらいました。
傷口は直径4ミリ、比較的浅く、流血もありませんでしたが、ただちに水と液状のハンドソープ(泡立ちは悪かったけれど)で洗い流しました。その後、薬剤師免許を持つ友人の指導の下、アルコール等で消毒した上で病院に行き、アレルギーテストの後、破傷風予防の薬と、狂犬病ワクチン(英文名:Rabies Puriied Vaccine for Human Use〔VERO CELL],Freeze Dried)の接種を受けました。診断の際、かゆみの有無を訊かれ、かゆみは無かったので、そのように答えました。
3日後に2回目の接種を受けることになっており、その後7日後、14日後、28日後と続きます。
こちらでは、一般咬傷者と厳重咬傷者を区別しているようで、私は、前者と診断され、血清等は打ってもらっていません。日本の医師・獣医師のHPを拝見したところ、ワクチンと別に有効な薬があるという記述が多く見られました。接種を頼んだほうが適切なのではないかと思い、不安です。
出国前に予防接種は受けていません。現在の体調は特に変わったところはなく、体温が平熱より少し高いかな、といった具合です。
言葉の通じるお医者さまのご意見を伺いたく、検索して偶然拝見した野亦先生に、問い合わせをさせていただきました。
今後、どのような点に気をつければよいでしょうか?
野亦先生のご意見をお聞かせください。
nomata says
寺本さん、初めまして。猫に咬まれたとのことですが、咬まれた直後の処置をお伺いする限り、血清を接種する必要はないかと思います。中国での狂犬病の発生率は調べてみます。万が一狂犬病に感染した場合は2〜10日位に特有の神経症状(水を怖がる)が現れるようです。7日後の接種の時まで異常がなければ心配ないと思います。また何かあったら連絡してくださいね。