ちょっと重々しいタイトルですが、大型犬を飼われている飼い主さんは一度は耳にしたことがある言葉だと思います。この病気は特にレトリバー種によく見かけられる遺伝的疾患です。左の写真の犬もゴールデンレトリバーなのですが、最近右後ろ足を引きずるようなそぶりがあるとのことで来院されました。レントゲン(写真左側が右足)を撮ってみるとどちらの股関節もあまり良くないことがわかりました。飼い主さんは股関節形成不全ということを知ったときショックを受けていたようでしたが、手術以外にも最近は良い治療法があることを説明すると少し安心されたようでした。
股関節形成不全の治療法には内科療法・理学療法・外科療法があります。
まず内科療法ですが、内科療法というのはお薬を使った治療法のことです。一昔前までは痛み止めというとアスピリンやステロイドが主体だったのですが、長く飲んでいると体に副作用を起こすためにうまく痛みをコントロールすることが難しかったのです。最近では長く飲んでも副作用の少ない非ステロイドの消炎鎮痛剤が認可されたことで、うまく痛みをコントロールすることができるようになりました。
理学療法というのは内科療法を行いながら併用することで非常に効果が期待できる治療法です。人医療でも針や温浴療法・半導体レーザーなどの方法が挙げられるのですが、最近では動物医療でもレーザー治療器が開発され股関節形成不全にはもちろん椎間板ヘルニアや腱鞘炎などにも非常に効果があります。当院でも椎間板ヘルニアのダックスに非常に満足できる効果がありました。
最後に外科療法ですが、これは本当に最後の手段だとお考えください。仮にあなたの犬が股関節形成不全と診断されたとしてもそれがすぐに外科手術の適応かどうかは専門病院や大学病院にセカンドオピニオンを求めた方がいいと思います。手術だけが治療法ではないのですから。
犬の掃除婦 says
我が家のパグ犬12歳が、お散歩中に、腰が抜けたように、立てなくなり
病院へ連れて行ったら「椎間板ヘルニア」と診療され、ステロイドを処方されました。
薬の副作用で、過食。薬を止めたら、元気がなくなり、転院させました。
ここでの治療は、レーザーと、COX2「リマダイン」を勧められ、
現在は、昔のように、お散歩も普通に出来るし、痛がって、ガヘガヘ言うような
荒い呼吸はなくなりました。
レーザー治療の効果は凄いと思います。
nomata says
レーザーの治療効果はまだ未知数なところが多いですが、まめに通院してあげることでヘルニア痛は和らげることができます。がんばってください。
犬の掃除婦 says
お忙しいのに、レス有り難うございました(感謝)
家の犬も年だからと・・あきらめないで病院へ通いたいと思います。