交通事故で受けるダメージといういうのは非常に大きく、本日抜糸のため来院したアメリカンショートヘアーも交通事故により骨盤を骨折するという重傷で当院に来院されました。骨盤は体幹と後肢をつなぐ重要な骨格であると同時にその骨格内に直腸と膀胱を収め日常生活における排泄を維持しています。写真のとおりこの猫の骨盤はつぶされ、このままでは将来的に排便・排尿に障害がでることは間違いありません。状態が安定したところで、早々に手術を行いました。 整形外科は変形した骨格をできる限り正常な状態に戻すための手技ですが、骨折した部位に到達するためには健常な組織にメスを入れていかねばなりません。特に骨盤骨折では多くの筋肉が複雑に組み合わさっているためどうしても健常な筋肉にもダメージを与えてしまいます。一度メスを入れてしまった組織は生まれたままの頃と同じ訳にはいきませんが、日常生活に支障をきたさないぐらいには回復させることができます。そんなアメリカンショートヘアーも本日で術後2週間経ち、通常の歩行はもとよりちょっとした段差は飛び上がれるまでに回復してきました。手術を行った者としてはなにより嬉しいものです。
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