というのが私が常々思っている獣医師としてのスタンスです。病気になったときまずどうしたらよいか飼い主さんに選択肢を提供することができなければならないと思います。命に関わるような重大な場面は別として、獣医側からの見解が飼い主さんにとって押しつけになってはなりません。“いわれるがままにやっていたら莫大な費用がかかった。”、“指示に従っているのに状態が悪化している。”といったトラブルはやはりインフォームド・コンセントがなっていなかったことのあらわれでしょう。獣医師それぞれの経験や見解の違いで飼い主さんへの選択肢は異なってくるでしょうが、“治療法にはこのような方法があります。この方法にはこのような利点もあるがこのような欠点もありますよ。そして費用はこの位かかりますよ。”といった予測しうることは全て提示しなければならないと思います。そして納得いった上で治療を進めていくことが本筋でしょう。これからも治療に当たっていい道案内ができるよう治療法の引き出しを増やせるよう心懸けていきたいと思っています。
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