もしもあなたが飼い始めたペットが先天性疾患をもっていたらどうしますか?その中でも先天性心疾患の場合、思い描いていたペットとの生活はおろか飼い始めて数ヶ月のうちに重篤な症状に陥るものもあります。先日元気がないということで来院されたパピヨンも、診察してみると異常な心音と努力性呼吸(全身を使っての呼吸)、チアノーゼから先天性心疾患を疑わざるおえませんでした。病気の説明をしたあとの飼い主さんの落胆とぶつけようのない怒りの様子は見ているこちらも辛いものがあります。厳しい状況でしたが、この飼い主さんは命が続く限りこの子の世話をすることを決断されました。 先天性疾患が疑われる場合、ペットショップ側の保証として交換してくれるシステムがあるようです。交換してくれるというシステムは何となく親切な感じがしますが、家族そして迎え入れた矢先に病気が発覚し“交換しましょう”といわれても受け入れられる飼い主さんばかりではないでしょう。残念なことにこのパピヨンは数日前に亡くなってしまいました。楽しい思いを描いて飼い始めたペットなのに、先天的な異常で悲しい思いをしないようなペットの交配および流通システムが少しでも早く確立することを願うばかりです。
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