今までこのHomePageで何度も取り上げ、そして今でも多くの問い合わせがあるニキビダニの治療について再度Entryしたいと思います。まずニキビダニというものは犬の皮膚の正常叢の一員であり、健康な犬でも場合によっては観察されることがあります。そしてニキビダニが皮膚に病変を来すのは、寄生数がその個体の免疫系の耐えうる能力を超えたときに起こるようです。そしてその病態は局所性と全身性に分類されますが、局所性の場合飼い主さんも気がつかないうちに発症し自然治癒してしまうものもあるようです。問題となるのは全身性の場合で、ニキビダニの感染とともに細菌の二次感染も併発し痒み・炎症・浸出液を伴います。治療について・・・ 一般的なものを挙げておきたいと思います。
1)アミトラズによる薬浴および外用薬としての治療。昔からよく行われている治療方法ですが、何分使用しているのは農薬のため希釈濃度を間違ったり、舐めてしまったりすることで強い副作用を生じることがあります。
2)イベルメクチンの経口あるいは皮下投与。私は経口投与の経験がありませんから使用法には言及できませんが、皮下投与の場合10日〜2週間に1度の注射で治療していきます。大きな副作用もなく(コリー種では投与量に注意が必要)有効な治療法だと思います。
3)ミルベマイシンの経口投与。フィラリア予防の薬としても知られていますが薬用量を変えることでニキビダニの治療薬として使用できます。問題としては毎日投与しなければならないこととその治療費用にあるかもしれません。
当院で現在ニキビダニ治療に使用している方法は、ドラメクチンという薬剤の皮下注射です。副作用もなく私個人の使用感としてはイベルメクチンの皮下注射よりも効果があるように思われます。
以上、一般的なものから当院での治療法を挙げさせてもらいましたが、治療法にはそれぞれの先生の経験によって異なってくると思います。挙げさせてもらった方法が少しでも治療の手助けになれば幸いです。PS.
今回のEntryによって最近頂いたCommentのお返事とさせていただきます。
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