当院では皮膚の痒み止めとしての薬を7種類扱っています。抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬・Lシステイン製剤・ステロイド剤など皮膚の状態によって抗生物質などと組み合わせ処方しています。その中でも痒み止めとして著効を示すのはステロイド剤になりますが、使用法を誤れば皮膚病は治るどころか酷くなってしまうこともあります。皮膚病で酷い目にあった飼い主さんのほとんどがステロイド剤を諸悪の根源のような言い方をされるのですが、これはステロイド剤が悪いのではなくその使い方が悪かっただけなのです(本当に悪い薬ならばとうの昔に姿を消していてもおかしくないはず)。それでもステロイド剤を使いたくないという飼い主さんには他の薬を選択することになりますが、実際には他の薬でステロイド剤ほど満足のいく痒み止めはなかなかありません。同等の効果を得るためには薬用量を高めに処方したり、1日3回服用してもらったりとそれなりの条件が必要となりますが、それでも満足できないことだってあります。ご理解いただきたいのは非ステロイド系の痒み止めの治療はコントロールに非常に時間がかかってしまうということです。症状によりけりでしょうが少なくとも1ヶ月位はかかると思ってください。そして薬だけで治療しようとせず食事やおやつに与えているものなどを吟味し体質を改善していきましょう。痒み止めの薬はあくまで症状を隠してしまっただけなのですから。
コメントを残す