獣医師をしていれば経験しなければならないであろう【安楽死】。できる限り避けたい選択ですが、癌などの病気で回復の見込みがない症例や、鎮痛剤を使用しても痛みがコントロール取りにくくなってきた症例においては選択せざる終えない場合もあります。辛いのは判っていても飼い主さんにとっては受け入れがたい選択ではないでしょうか?こんなEntryをしたのは先日、食欲不振と下痢の症状を訴えていた猫の安楽死処置を行ったからです。その猫の病気は猫白血病による消化管に見られるリンパ腫でした。病気のコントロールは難しいかもしれないけれど抗ガン治療をすることができることも説明したのですが、飼い主さんの選択は【安楽死】でした。“この子は短い間だったけど生命をまっとうしました。これから先苦しい思いはさせたくない。”というのが飼い主さんの思いでした。とことん最後まで治療して納得してもらうのも獣医の仕事ですが、完治が望めない病気でペットにとっても飼い主さんにとっても辛い思いを長引かせない【安楽死】を選択するのも獣医の仕事。どちらがよいのか答えを出すことは難しいと思いますが、ペットとその飼い主さんにとってBestな選択ができるように心懸けて行きたいものです。
やっこ says
安楽死 ・・・ とてもプライベートな優しい選択 といつも解釈しています。
飼い主にとってはとても辛くて悲しいけれども、動物にとってはとても優しい逝かせ方。
ペットは人間の手によって作られ変えられ、生き永えさせられてきた命・・・、その最後もやはり、人間が選択してあげる、それが飼い主さんの最後の義務、と思います。
とはいえ、自分の時になったら、こんなに自分に甘い私が、ちゃんと選択してあげられるのか・・・自信はありません。
こればっかりは、その飼い主さんとペットの関係で、とても個人的でプライベートな難しい問題ですよね・・・。
でも、その時に、やはり獣医さん側から=動物の苦しみ痛みを想定できる獣医さん側から、助言があると、決断はしやすうなるものですよね!!
akama says
先生、お久しぶりです。
丁度、去年の12月17日の事を思い出しておりました。
もうすぐ、1年になるんですね。
当時は、安楽死を選んだ自分は正しかったのか
ネット上で、いろんな意見を見ては考えていました。
答えは、きっと出ないのでしょうね。
先生が、ちゃんと説明してくれて
別室なんかではなく、目の前で天国へ旅立った事、
本当に苦しくない「安楽死」で逝かせてあげられた。
きっと「じゅら」も、私達の気持ちをわかってくれたと思ってます。
今も、埼玉で一緒に住んでますよ(笑)
先生には、本当に感謝しています。ありがとうございました。