飼い主さんに手術の結果に満足してもらえることは術者としてこの上ない喜びになります。特に骨折などの整形外科疾患では術後の結果によって満足度は明らかに異なってきます。我々獣医側としては、変位してしまった骨どうし位置を整え、日常生活における機能の回復を望めるような状態にすることを目的とします。しかし骨折している部位にたどり着くためには健常な部位にメスを入れることになるので術後に若干の機能の低下が見られることがあります。特に整形外科に関しては骨折する前と全く同じ状態に戻すことはできません。飼い主さんとしては少しでも元通りにという気持ちがあるかと思いますが、こういった理由で若干の機能の見劣りが起こってしまうことをご理解いただければ幸いです。また、術後のレントゲンで“骨折した部位どうしがぴったりくっついてないと大丈夫なの?”と不安に思う飼い主さんもいらっしゃるかと思いますが、骨折した骨はある程度の部位に戻してあげることで化骨という現象が起きてくっついてくれます。もちろん術者としてもぴったり合わせることができれば満足なのですが・・・。今年もあと少し。皆さん骨折などの怪我がないようお過ごしください。
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