手術の前にはブラシで指先から肘までゴシゴシ丁寧に手洗いすることが基本とされています。おそらく現在、大学の外科実習で教えている方法も変わってはいないと思います。滅菌消毒の基本的な作法を身につけておくことは自分が開業した際に、手術での余計な感染を予防するために必要なことだと思います。もう5年前の2002年に発表された手指衛生ガイドラインというものには、今までの手術手洗いの概念を変えるような発表がされていました。それは【ラビング法】というもので、速乾性擦り込み式手指消毒剤を皮膚に擦り込んでいくというものです。もちろん手洗いの仕方にもある程度の規制がありますが、ブラシによる手洗いの欠点を解消し、それと同等あるいはそれ以上の殺菌効果を得ているというデーターも発表されています。これは人医療での話ですが、手術に際しての手洗いについては獣医療にも充分適応されることだと思います。今までの概念にとらわれず、良いと思われることはどんどん取り入れていくことはどんな医療の現場にも必要なことかもしれませんね。
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