2006年6月に改正動物愛護管理法が施行されました。それでも国民生活センターには購入したペットについて1000件を超える相談が寄せられていると言うことです。決してこれは他人事ではなく身近で起きていることだなぁと実感する出来事がありました。1件目は陰睾丸のフレンチブルドッグ。購入する際はなんの説明もなく、当院で2度目のワクチンを接種する際に発覚しました。陰睾丸は放置しておくとお腹の中にある睾丸が癌化することもあるため手術をしなければなりません。2件目は気管虚脱のチワワ。購入する際、咳をしていたのだけれど『風邪だから薬を飲んでいれば大丈夫』とのことで購入したが症状は変わらず、レントゲンを撮ってみたら病気が発覚。店側の対応は『交換させていただきます』とだけ。3件目は写真の前肢骨格異常のミニチュアダックス。やはり購入時にはなんの説明もなく、帰ってきてから歩き方をみていたら変だと言うことで来院。現在は痛みはなく元気に歩いてはいますが、将来的には関節炎になる可能性があります。この3件の事例はすべて同一ショップから販売されたペットの話です。 立て続けにこういった症例が来院すると、そのショップの資質を疑いたくなるのは私だけではないと思います。もちろん問題のないペットも販売されているのだとは思いますが、もし何らかの異常がわかっているにもかかわらずなんの説明もなく販売しているとしたら・・・そしてそのショップに係わっている獣医師も勉強・経験不足で診断が付かないのなら仕方がないかもしれませんが、異常を承知で説明もしていないのだとしたら・・・決して許されることではありません。ペットを購入してから悲しい思いをしないためにも、ペットを選ぶ際には値段だけで選ばないでください。購入する際もペットを飼っている第3者の人を連れて行くと良いかもしれません。これから何年も付き合っていくペットなのですから確かな目をもって選んであげてください。
たま says
そのワンコたち、病院につれていってくれるいい人に買われたのが不幸中の幸いですね。
ショップやブリーダーは商売でやっているので
病気や先天性異常が理由で「返品」されたワンコは殺される可能性が高いですから。
酷い話ですが、治療や介護をやっていたのでは経営が成り立ちませんもんねぇ。