近所の先生の所に手術をしにいったときの話。他の動物病院で骨折の手術を行い骨プレートを除去した後に再骨折をしたようなのですが、手術した病院に駆け込んだところ “うちではもう手術はできません。あとは副木をあてて固まるのを待ちましょう” と、ここまではまぁ許せるのですが “もし骨が固まらないようなら足を切るようになるかもしれません” 患者さんはびっくりして、こちらの病院に駆け込んできたようです。又聞きの話ですから最初の先生がどのようなニュアンスでこのような話をしたのかはわかりませんが、足を切ると言われた飼い主そしてその犬の将来のことを考えたら簡単にこんなことを言うことはできないと思うのですが・・・。 特に整形外科に言えることだと思いますが、手術の成功も失敗もその子が生きている限り手術した病院の看板を背負って歩いているようなものだと思います。係わったからにはどんな手を使ってでも治してあげるのが獣医の仕事ではないでしょうか。自分の手に負えなければ近隣の先生や修行した病院の先生に相談して指示を仰ぐのも良いでしょう。整形外科を得意とするの病院に紹介するなり自分でそこまで連れて行っても良いでしょう。できないあるいは失敗したからと言って放り投げてしまうようなことはあってはならないことだと思います。幸い手術は無事終了し、術前に変な方向に曲がっていた足先はまっすぐになり、そのせいで曲げ伸ばしができなかった肘も普通に動くようになりました。あとは化骨うまくいけばしっかり歩けるようになるでしょう。これを書きながら自分も気を引き締めないといけないなと思う次第です。PS.患者さんが転院してしまい責任を持って手術をやりたくてもやれないこともあるかもしてませんが、“最後までやらせてください”という誠意があれば患者さんも判ってくれるような気がするのですが・・・。
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