ガソリン価格をはじめ色々なものの値段が上がる中、“どこどこの店は便乗値上げして、ぼったくりだよ”といった話を耳にすることがあります。【ぼったくり】という言葉は動物病院にも向けられますが、内容如何によっては正直不快な言葉です。もし仕入れ値が同じものをある病院では500円、別の病院では2000円で販売していたとしたら後者の病院は【ぼったくり】といわれても仕方がないでしょう。しかしながら手技的なもの、特に手術に対してこのようなことを言われるのは悲しい限りです。同じ手術でも縫合糸で止血する病院もあれば、チタン製のクリップで止血する病院、さらには体内に異物を残さないようにするため特別な止血装置で止血する病院もあります。同じ効果が得られるならどれでも一緒と思われるかもしれませんが、少しでも早く身体に負担をかけないようにと考えると高額な器機(もちろんこれだけではありませんが)に投資をせざるおえません。そうなれば多少なりとも手術料金に開きが出てしまうのもご理解いただけるのではないでしょうか。手術もしていないのに、しているように見せかけて高額な請求をするようなことこそ【ぼったくり】であって、少しでも身体への負担を少なくするために麻酔時間を短く素早く手術を行おうと技術の向上に努力している獣医師も世の中にはたくさんいます。患者さんにとっては手技の内容などについてはわかりにくいこともあるかと思いますが、獣医さんに手術で【ぼったくられた】なんて言わないでください。
コメントを残す