9月はなにかと手術がたて込んでいました。その中でも自分が宇都宮で仕事を始めた頃からの患者さんのコーギーのお話です。昨日までは元気だったのに、今朝は散歩にも行きたがらないし食欲もいまいちということで来院されました。お腹を触ってみるとどうも触られるのが嫌そうで、静かに触診をすすめていくと怪しげな固まりが。血液検査では異常値は認められなかったけれど、超音波検査では明らかに腫瘍らしきものが。飼い主さんの同意を得て即開腹手術をさせてもらいました。開けてみると・・・ここのところ見慣れた脾臓に大きな腫瘍が2つ確認されました。“また血管肉腫か・・・”嫌な思いが頭をよぎりましたが血管を速やかに処置し脾臓を全て摘出しました。飼い主さんには結果によっては最悪な場合の話もしながら、病理組織検査の結果を待ちました。結果は血腫。血腫とは出血した血液がひと塊となってたまった状態をいうのですが見た目は悪性の血管肉腫そっくりでした。悪性ではなかったという結果に自分も飼い主さんもほっと一安心。かと思えば、ここ数ヶ月大きさの変化もほとんどなかった皮膚のしこりを手術し検査したら、肥満細胞腫という悪性腫瘍で経過によっては再手術&抗ガン治療をしなければならない症例も控えています。しかし腫瘍やガンを患うペットがホントに増えました。遺伝なのか、交配の問題なのか、それとも食生活の問題なのか。腫瘍やガンの予防医療が進むことを願うばかりです。
松本 says
家の雑種17歳も、皮膚の下にできる癌になってしまいました。ふさふさとした毛に隠れていたので、去年わかった時には、手術は難しいと言われました。皮膚の近くなので手術ができないのかと聞いたところ、(1)右後ろ足付近に、癌がクモの巣状に広がっていて広範囲の除去が歩行に支障をきたす可能性がある、(2)高齢で心臓もあまりよくないので手術に耐えられるかわからない、ということでした。結局、サプリを飲ませて今に至っています。今年3月までは、腫瘍があることが嘘のように元気でしたが、4月下旬ころから急激に後ろ足だけ弱ってしまい、オスですがおしっこもメスのような体制、立ち上がる時よろける(気力を振り絞って立ち上がっているような感じです)、2㎝の敷居に足をぶつける、食事中も座って食べています。散歩は今でも好きですが、勢いや距離はがくんと減りました。帰ってくると疲れてしまい、前足も左右に開いてしまいます。目や耳は以前から弱っていましたが、とにかく後ろ足が心配です。元来おとなしい犬なので、凶暴になったり鳴いたりは全くしませんが、本当は痛いのではないか?皮膚の癌が転移しているのではないか?と気がかりです。たとえ脳腫瘍があったとしても、打つ手がないと何かで読みましたが、今後もこれまで通りの治療しかできないのでしょうか。痛みが襲ってこないように、そして1日でも心地よく生きてほしいというのが家族の願いです。そのためにできるだけ治療を受けたいと思っています。