Neck Pain(ネックペイン)という症状をご存じでしょうか?とにかくどこを触ろうものなら大きな声で鳴き叫び、飼い主さんであろうと咬んでくるくらいに痛みを訴える症状をいいます。実際に痛みがあるの全身ではなく、触られることで頭が揺れるため頸椎〜胸椎前半に起こっているヘルニア部が刺激されることで強い痛みを感じていることが考えられます。これは軟骨異栄養犬種(椎間板ヘルニアなどが起きやすい犬種)に分類されるビーグル・ダックスフント・ペキニーズには比較的起こりやすい症状といえるでしょう。過去にこのような症状があったらまず首輪をやめ、胴輪にして頸椎に負担がかからないような対策をとってあげてくださいね。
ホルネル症候群
瞳孔の大きさが左右対称でなく(症状としては縮瞳)、第三眼瞼が突出し、眼球が陥没しているといった3つの症状が見られたらホルネル症候群と診ていいかと思います。原因は眼を司っている神経(交感神経)の外傷による感染・炎症であったり、腫瘍による圧迫であったりと様々です。一般的な原因としてみられやすいのが中〜内耳炎ではないでしょうか。ちょっとした耳の汚れと思って放置してしまうと、顔を見たらびっくりなんてことになりかねません。写真の猫も突然このような症状が現れた為、飼い主さんもびっくりされて来院されたのですが、どうやら中耳付近に炎症を起こしているようでした。原因は神経の異常というのが一般論ですが100%判りきっている病気ではありません。写真のような状態が見られたら様子を見ずに診察を受けてくださいね。
ちょっと困ること
どんな病院にも1人や2人いるかと思うのですが、待合室で事前に診断してしまう“犬・猫博士”。自分のペットだけでなく他人のペットの病気まで診断してくれるので、何か言われてしまった患者さんは診察室に呼ばれるまでドキドキされてしまう方もいらっしゃるようです。“私は先生が生まれる前から犬猫を飼ってきたから何だってわかるんだよ!”という経験豊富な方や“この薬はこういった作用があるからこのような使い方をしてみたいんだけど!”と獣医も顔負けの知識を持たれている方など様々です。 [もっと読む…] about ちょっと困ること
転院の動機
“病院をかえてみようかなぁ?”という動機は先生や治療に対して不信感を抱いたときのようです。どうして不信感を抱いてしまったのかという原因を知ることが開業しているものにとって大切なのですが、それを教えてもらうことはなかなかできるものではありません。私が聞いたことのある限りでは、最初の頃は院長(あるいは担当医)が診察していたのに最近は見てくれないとか、ろくに説明もせずに高価な検査や薬を同意もなしに進めてしまい、そのうえ最後にやたらと診察費が高かったりといわれてみれば納得する内容ばかりです。 [もっと読む…] about 転院の動機
尿閉の再発
去勢した雄猫に限らず、秋口から冬にかけて雄猫の尿閉(おしっこがつまる)という症状が見られるシーズンです。その原因は尿中に含まれる微量なミネラルが砂〜石のようになることで尿道を塞いでしまうことにあります。様々なペットフードメーカから売られているおしっこがつまりにくくなる処方食というものでコントロールが取れる猫もいれば、何をやっても再発を繰り返す猫もいます。そんな猫のために“会陰部尿道瘻形成術”というものがあります。これはペニスを取ってしまい雌猫のようにしてしまうものなのですが、この手術を実施することで尿閉を起こす心配はなくなります。1年のうちに何度も尿閉を繰り返す雄猫を飼われている方、治療法のひとつとして考えてみてください。
肺炎にご注意!
暑かった夏もお彼岸の入りとともに少しずつ涼しくなり、日中も過ごしやすくなってきました。暑かった時の習慣で窓を開けたまま夜休まれてしまい、少々風邪気味といった方もいるのではないでしょうか?年齢も若く抵抗性のあるうちは風邪で済みますが、ある程度の年齢で特に心臓を患っているペットにとっては風邪を引いてしまったでは済まないことが多いのです。(写真は肺炎から肺水腫に症状が進行してしまった犬のものです。) [もっと読む…] about 肺炎にご注意!
リハビリセンター
今週は木曜日の休みを利用して、みなとよこはま動物病院に完成したリハビリセンターを見学してきました。関節外科において第一人者の永岡勝好先生もかねてからリハビリの重要性について話されていましたが、リハビリセンターの完成により関節疾患の診断から手術、そしてリハビリと全てを網羅することができるようになりました。整形外科の中で特に関節外科では手術の重要性も大きいですが、それ以上にリハビリを行うか否かによって術後の回復を大きく左右します。最近の動物医療のなかでCTやMRIなどの高度医療診断機器にばかり目が行きがちですが・・・ [もっと読む…] about リハビリセンター
誰が悪い?
なかなか病気が思うように治らないと、患者さん側としては“今の治療でよいのか?”とか“どうして治らないのだろう?”といった思いを持ちながら通院したこともあるかと思います。それとは反対に思ったような効果が見られないと病院側としては“ちゃんと薬を飲んでいないのではないか?”とか“患者さんが指示を守ってくれていないのではないか?”と互いに不信感を抱きながら病気に立ち向かっているとしたならばその結果は最悪なものとなるでしょう。 [もっと読む…] about 誰が悪い?
こんなご時世なので
最近耳にした話なのですが“深夜の診療は(かかりつけの患者さん以外について)積極的には行っていない。”という先生が増えてきているということです。それはどうしてかというと、“夜間一人での診療は危険だから”という意見。私の住む宇都宮に限って言わせて頂くと、東京などとは違い日中でも獣医が1人(多くても2人)AHTが数人で診療している病院が多く夜間ともなれば確実に獣医1人になります。ただでさえ人の眼が少なくなる夜間に1人だけでの診療、しかも自宅と病院が一緒ならば・・・。もしあなたがその立場だったら、ちょっと怖くありませんか。 [もっと読む…] about こんなご時世なので
獣医さん向けの本ですが・・・
“〜の飼い方”や“〜のしつけ方”など書店に行くと犬猫関係の本が数多く見られます。はじめて犬猫を飼われる方にとっては飼い方やしつけ方は非常に大切なことですが、飼い始めたその犬猫がどのような遺伝的疾患を持っているのか?どのような病気に気をつけなければいけないのか?(飼い始めて早々病気のことなど考えたくないかもしれないが・・・)ということを知っておくことは非常に大切なのではないかと思います。最近発売された本なのですが、 [もっと読む…] about 獣医さん向けの本ですが・・・