狂犬病予防ワクチンの接種率は年々落ちているようです。ペットブームで犬猫の所有率は上がっているにも関わらずどうしてなのでしょう。日本では昭和32年より狂犬病の発生は認められていません。けれども中国やロシアなどではいまだに狂犬病の発生が認められています。さらに狂犬病というと犬猫だけ?と思われがちですがヨーロッパでは日本でも身近なペットであるハムスターにも狂犬病の発症が認められているのです。最近では人気の犬種やエキゾチックアニマルなどが輸入されてきますが、それらの全てが狂犬病が発症していない国からだけのものではありません。もちろん入国の際には検疫がありますが、場合によっては通過してしまう、いやすでに通過して日本国内に入っているかもしれません。?n こんな状態の日本でもし狂犬病が発生したら?BSEや鳥インフルエンザでこれだけ影響を被る日本のことです。可愛い犬猫を飼うことも難しくなってしまうのではないでしょうか?予防することが最大の治療である狂犬病、あなたのペットは大丈夫ですか?
前庭疾患を患われている飼い主の皆さんへ
毎日のEntryのなかで一番commentを頂いている項目が“前庭疾患”です。そして皆さんがどうしてあげたらよいか悩まれていることがよくわかりました。前庭疾患の治療法は先生によっても異なってきますし、私たちが読む内科学の本でも治療法がこれがBestというものもなく、極端なものでは何もしなくても2週間ほどで自然治癒するというものもあります。自分が勤務していたみなとよこはま動物病院では、「前庭疾患は目が回っている状態である。ならば動いてさらに気分が悪くならないように静かに眠らせておきながら病気の治療をしてあげよう!」ということで入院治療を勧めていました。在宅での治療にも利点はあります。けれどもなかなか安静にしておくということも難しく、食べることが出来ない姿を見ていることは飼い主さんにとっては辛いことと思います。?n ?n [もっと読む…] about 前庭疾患を患われている飼い主の皆さんへ
大きな赤ちゃん
昨日の昼休み、ジャーマンポインターの赤ちゃんが7匹産まれました。当初は自然分娩を予定していたのですが、栄養が良かったのか7匹とも平均400グラムにまで育った大きな赤ちゃんになっており急遽帝王切開にてお産を迎えることになりました。ここまで大きいとお乳の吸いも良く安心してみていることが出来ます。?n お産は獣医師と飼い主のコミュニケーションが取れていないとうまくいかないものだと思います。いつ交配したのか?何匹入っているのか?自然分娩は可能なのか?定期的に検診を受けることで対応が変わってきます。“犬のお産は安産!”といっていた時代は一昔前のこと。お産の可能性があるワンちゃんはとりあえず動物病院で検診を受けることをお勧めします。
避けては通れぬ事。
この仕事をしている限り犬猫の生き死は避けて通ることができません。元気になって退院していく子もいれば、いろいろと手を尽くしたにもかかわらず亡くなっていくこともあります。どんな医療も“老化”という病気はこれから先も克服することは難しいでしょう。?n 今日の夕方、小学校からの同級生が飼っている犬が亡くなったとの連絡を受けました。前庭疾患を2度患いながら、3日前には点滴治療にいらっしゃったばかりのことでした。大病を患いながら、今までよく頑張ったと思います。ゆっくり休んでくださいね。 合掌
ニキビダニとの戦い
3が月ほど前からニキビダニが寄生してしまったゴールデンレトリーバーがいるのですが、やっとその戦いも終息を迎えそうです。この子はレトリーバー種に比較的多いリンパ腫になってしまいその病気との闘いを乗り越えた矢先にニキビダニに寄生されてしまったのです。どうしてもリンパ腫の治療にはステロイドや免疫抑制剤を使用するため、抵抗性の弱っている体にはニキビダニにとっては寄生されやすい状態にありました。リンパ腫の治療も一段落していたので急遽ニキビダニ駆除の治療に切り替えたのですが、なんとか3ヶ月目にして皮膚や被毛の状態も落ち着いてきました。?n 病気の治療というものは治療法やタイミングによっても回復までの期間が異なってきますが、この子の回復力と飼い主さんの情熱にはホントに感心するばかり。次回2週間後の検診が楽しみです。
念願の・・・!
私は身長が180?あります。獣医をやっていてこの身長が生かせるかというとそうでもなく結構しんどいこともあります。そのしんどいことの1番が手術でした。今まで使っていた手術台は父が開業時から使用していたものだったので、あまり高かい位置までテーブルトップが上がらないため手術時にどうしても前屈みになっての姿勢を強いられていました。何とかならないかと思っていたところ、知り合いの業者さんがこの手術台を紹介してくれました。電動式の手術台というと結構値の張るものかと思っていたのですが結構お手ごろ価格、すぐお願いすることにしました。早速、明日手術が入っています。いかに快適に手術ができるかとても楽しみです。
見るのとやるのは・・・
みなとよこはま動物病院に勤務しているとき、“陰睾丸”の手術を多く目にすることが多く実際に手術に参加することもありました。一般的に“陰睾丸”は去勢という形で切除してしまうのですが、この手術では陰嚢(ふくろ)のなかに途中まで降りてきている睾丸を納めてあげる手術なのです。さてこの手術、永岡先生はどんなものでもいとも簡単に陰嚢内に睾丸を納めてしまうのですが、実際に自分で経験してみるとほんと難しいんですよ。睾丸をを引っ張り出す力加減とか、それを治まる陰嚢の作り方とか、見ているのとやってみるのとではこんなにも違うものなのです。?n なんとか無事に2つの睾丸を陰嚢内に納めることができましたが、この手術なかなか数をこなせるものでもないのでこの先何回手術することができることか?経験する機会を与えてくれた患者さんに感謝です!
home pageの立役者
もうすぐこのホームページを初めて1年になるのですが、このホームページ自体を紹介し自分に使えるように指導してくれたのがこの写真の人物です。(写真は今日の地元紙である下野新聞です)彼は小学校1年生からの同級生で早くからコンピューターに接しており、プログラマーやIT関係の企業に就職していたのですが、今は独立しライターとして“1日5分の口コミプロモーションブログ”なる本を出版したのです。彼の言うとおりこのblog形式のホームページは従来のホームページとは違い更新のし易さ、さらには飼い主の皆さんの声を直接聞くことのできるツールとして大いに役立っています。?n おそらく彼には、これからもホームページのことに限らずお世話になることが多いと思っています。彼のホームページはhttp://www.metamix.comです。興味を持たれた方は是非覗いてみてください。
入院の善し悪し
命に関わる症状は別として、様子をみるための入院といういうのはその犬猫の性格や年齢によって決していいものではないこともあります。自分の知っている限りでは外によく遊びに行く猫では入院という環境変化により食餌はおろか排便排尿もせず、ずっと同じ場所にうずくまっているという子もいました。これではなんのたまに入院したのか?かえって調子を悪くしてしまいかねません。また犬猫にも“分離不安定症”という症状があります。これはいつも一緒にいる飼い主さんとほんのちょっとでも離れただけで下痢や嘔吐などの消化器症状を起こしたり、ずっと鳴き止まないなどの症状をいうのですがこのような子ではとても入院はできません。?n 入院は自宅で管理できない症状については獣医師のもとで管理できるという利点がありますが、上記のように精神的にも決して良くない影響を与えることもあります。なるべく入院しないで済むよう日頃の健康管理(しつけも!)には気を配ってあげましょうね!
何処までを必要とするか?
検査というものは非常に多くのデーターを獣医師や飼い主さんに与えてくれますが、何処までが必要かというと診断する獣医師によっても異なってきます。自分も大学を卒業したてのころは経験がないため病気のあたりをつけるのに様々な検査をしたものですが、検査ばかりをする獣医というものは飼い主さんにとっては出費を強いられるため決して喜ばしいことではありませんよね。けれども診断にどうしても必要な検査もあります。この必要な検査が何かということを飼い主さんが理解することは難しいかと思いますが、獣医師側からなんのオファーもなく訳の分からない検査をされてしまったというお話しを聞いたことがあります。?n 病院に行かれるときは飼い主さんも焦ってらっしゃることが多いかと思いますが、まず“何が問題で病院に来たのか?”それと検査を進められたときに“どうしてその検査が必要なのか?”は聞かれた方がよいでしょう。飼い主さんは充分に説明を受け理解した上で検査を受ける権利があると思います。どうにも理解できない検査に必要以上の出費をする必要はないのですから。