皆さんボディコンディションスコア(BSC)をご存じですか?これは犬猫の体型を5つに分類したものでBSC1〜5に分類されています。さて理想体重はというと体脂肪率が15〜24%で、肋骨を触ったときにわずかに脂肪に覆われたくらいの状態がよいようです。また体を上から見たときに腰のくびれがあれば理想体型と言えるでしょう。これはあくまで平均的なデーターの上での話なので全てがこれに当てはまるといったわけではありませんが、これに近づけることが望ましいでしょう。ここに日本ヒルズさんの資料にあるBCSの表を載せておきますのでよーく見てみてくださいね。?n [もっと読む…] about 理想的な体型を目指して
たかが毛玉、されど毛玉
2日はEntryをさぼってしまいましたが、実は手術のお手伝いに行っていたんです。猫の食欲が落ち痩せてきて、さらには下痢をしているとのこと。バリウム造影をしてみると腸の一部にバリウムの流れが悪いところが発見されました。飼い主さんの同意も得られたということで急遽、開腹手術になったわけですが怪しい部位にメスを入れて腸の中を探ってみると・・・綿布団のように毛玉が詰まり腸の内壁は真っ赤に充血していました。?n 猫の毛球症も毛玉を吐いているうちはまだ良いのでしょうが、少しずつ蓄積していくとこのように大変なことになってしまうんですね。食餌でも毛玉をたまりにくくするものがあるようです。特に長毛の猫を飼われている方は特に注意された方がいいですね!
季節の変わり目こそ
30度を超える異常に暑い日があったと思ったら、うって変わって過ごしやすい(ちょっと寒いくらい)この気温差。ヒトでもちょっと体調を崩している方もいらっしゃるのではないでしょうか?室内で飼われているペットでは温度を一定に保つことができるのでさほど体調を崩すことはないと思いますが、屋外で飼われているペット(特に8歳を過ぎた高齢のもの)では食欲不振を起こしたり、下痢をしている子もいるようです。?n 暑いなら暑い、寒いなら寒いと飼い主さんも温度管理には気を配りやすいですが、このような不安定な天候ではなかなか難しいものです。こんな時期こそいつも以上に(特に屋外にいる子)気を配ってあげてくださいね。
5月中のフィラリア検査結果
5月の初めより投与前に行っているフィラリアの抗原検査ですが、この1ヶ月でおよそ100頭近い検査を行わせていただいたが県南の患者さんの飼われている犬にフィラリア陽性の結果が出ました。さすがに宇都宮市内では予防薬の投与がうまくいっているのか陽性の結果が出ることはありませんでしたが、まだまだフィラリアがいなくなるということはないようです。このフィラリア陽性のワンちゃんには通常通り1ヶ月に1回の予防薬投与というわけにはいけません。?n 最近犬を飼い始めた方は勉強されてる方が多く、病院から提案する前にフィラリアのことを尋ねてこられる方が多いのですが、本当に知らないのか、“うちの子は平気だろう”ということでなのかは解りませんがいまだにフィラリア予防はおろかワクチンも接種していない方もいらっしゃいます。何度かEntry中でお話ししていますが犬猫の予防できる病気は限られています。予防することが可能な病気は積極的に予防してあげるべきではないでしょうか?
パグ脳炎
パグは愛嬌がある風貌で個人的には結構好きな犬種ですが、今までに1症例だけこの“パグ脳炎”に出合ったことがあります。その症状はというと同じ場所でぐるぐると回り、頭はどちらかの方向に傾きひどい場合には発作を起こし、そのまま昏睡状態になってしまうこともあります。症状だけみると前庭疾患に似ているところもありますが、症状がみられる年齢は生後9ヶ月から7歳位までの間と比較的若いうちに発症するようです。?n このようなEntryを書くとパグを飼われている飼い主さんは不安になってしまうかと思いますが、非常に珍しい病気であり遺伝性が疑われるものですから両親や兄弟にこの遺伝的因子を持っていなければ心配いりません。実際、完全にこの病気のことが解明されているわけではありませんが、“パグにはこのような病気があるんだ”ということを知っておいてくださいね。
経過も大切!
獣医としても飼い主としても“治ったか治らないか”という結果ばかりに目がいってしまいがちですが、しっかりした初期診断があってこそ治療方針を決めることができ、少しでも早く治せるように経過を観察することができると思います。ヒトのように直接稟告を取って治療するわけではありませんから症状が改善するまでには多少なりとも遠回りすることもあります。ちょっと獣医側の言い訳のように思われるかもしれませんが、これって本音だと思います。どんな薬でも飲ませてすぐ効果があるものばかりではありませんし、個人個人薬が合う合わないもありますし、薬効をねらって投与したものが薬害(副作用)の方が強く出てしまったりと、注意を払っていても犬猫の治療には予想外のことが起こってきます。?n 特に梅雨に入るこれからは皮膚が弱い子にとっては嫌な季節です。この皮膚病こそ最初の診断と辛抱強い治療が大切です。いろいろなことを試すのも良いのですが“これは!”と思ったこと(あるいは病院)を続けてみましょう。症状にもよりますが2〜3日で治るものばかりではありません。ある程度の経過を踏むことで良い結果が得られると思います。少々こらえて経過を見ることもお忘れなく!
動物虐待のニュース
夕方のニュースを見ていたら、オッポを何らかの鋭利な刃物で切られた雑種の映像が飛び込んできました。何処で起きたのだろうと見ていると隣の県である茨城県での出来事でした。我が栃木県でも虐待事件があり犯人は捕まったが虐待をうけた犬は残念ながらなくなってしまいました。?n 犬猫をかわいがる人もいれば嫌う人もいます。過去には飼い主のマナーの悪さに腹を立てて毒をまくような方もいるようですがそこまでするにはそれ相当のストレスがあったのでしょう。どちらの立場からも言い分はあるのでしょうが、何事も行き過ぎてしまうのはどうでしょうか?ましてや一番の被害を被るのは何も言えない犬猫達です。このような事件の報道が少しでも減ってくれるよう祈るばかりです。
骨折したかも?
活発な小型犬でよくあることなのですが、40?位の高さのソファーやベッドから飛び降りたり登ったりすることが多いかと思います。けれども何か他のことに夢中になるとそこから滑り落ちたりすることは何度か飼い主さんも経験したことがあるのではないでしょうか?問題は落っこちた後ですが、多少なりともバランスを崩した状態で着地しているでしょうから軽い捻挫のような状態ではその足を着けなかったり持ち上げたままの状態になってしまいます。?n ほとんどの飼い主さんがこの様子をみるとビックリして病院に駆け込んでこられるのですが、まずは落ち着いてその足の状態を見てみましょう。痛いながらもヒョコヒョコ歩けるようならば少し様子をみてみましょう。足を着くこともできず異常に鳴いているような状態は骨に何らかの異常を来している可能性があります。その時は病院で診察を受けレントゲンを撮るべきでしょう。成長期の犬では骨の成長板というところを痛めてしまうことがあるので高いところ上り下りや激しい運動は要注意です!
草を食べる!
猫はペットショップなどで“猫の草”なるものが売っていますよね。よく胃がもたれているときにこれを食べ自分で胃の調子を整えているようです。このように猫は“猫の草”がありますが、犬には特にそのようなものは見かけたことがありませんので、飼い主さんはよく“散歩中に草を食べているんですよ”と言うお話を聞くことがあります。けれどもこれからの時期注意しなければいけないのは、除草剤などの農薬をまく方も多くそれを摂取してしまい中毒を起こす危険性があるということです。昨年も散歩中に急に倒れたということで病院に駆け込んでこられてきた方がいらっしゃいましたが、連絡を受けて10分ほどでしたが残念ながら間に合いませんでした。?n ほとんどの飼い主さんはドッグフードを与えていることでしょう。もちろん総合栄養食としてドッグフードは優れていますが、全く青物(生野菜)を採らなければやはり胃がもたれるのも仕方がないこと。肉食動物であった犬も人とともに生活するようになりその食生活も変化しています。たまにはキュウリやキャベツなどの生野菜を与えてあげてください。こうすることで散歩中に草を食べることも減るはずです。与えてはいけない野菜もありますが与えて良い野菜もあります。適度に野菜は与えてあげてくださいね!
アトピー性皮膚炎
アレルギー性の皮膚疾患の中で比較的良くみられる皮膚病としてアトピー性皮膚炎があります。このアトピー性皮膚炎、問題は炎症を起こさせる伝達物質(ヒスタミン、ヘパリン、タンパク分解酵素)の産生を抑えることなのですが、原因を正確に捉えていなければ症状を抑えることができません。また遺伝的なものが関与しているので、仮に体質を改善することができても全く治療しなくても良いというわけではありません。写真のように手足の先をしきりに舐めてしまい、脱毛と炎症を起こしてしまうことはこの皮膚炎ではよく観察されることです。?n さてこのアトピー性皮膚炎、どのように治療していくかということなのですが、まずヒトと一緒で長期にわたる(場合によっては生涯にわたる)治療が必要となります。また有効とされている薬も非常に限られ、使用方法によっては望まない副作用もみられることがあります。いろいろな民間療法もあるようですが症状をあるレベルまで落ち着かせることができるのはステロイドという薬です。ステロイドというと皆さん怖がって使用することを拒む方がいらっしゃいますが、大切なのは使用方法です。もしアトピー性皮膚炎と言う診断を受けたならば決して悲観的にならず前向きに治療方法を受け入れてください。完治する病気ではありませんが症状を少しでも楽にすることは可能なのですから。