体調を崩したときには何らかの薬を投与しますが、すぐに効くものばかりではありません。また投与すればずっと効いているものもありません。(種類にもよりますが投与後2時間過ぎから効いてくるものが多いようです)また薬の効果は年齢にも大きく左右され、若ければ非常に効果が認められても高齢のものでは効果よりも薬害(副作用)が強くでてしまうことがあります。年をとってくるとなかなか病気が治らないのはこんな事も影響しているのです。?n 薬を投与することで飼い主さんは安心するかもしれませんが、薬を投与した後の経過をしっかり見てあげることも大切です。“薬を与えているから!”と安心しきらないでくださいね。
より良い説明を求めて
飼い主さんがペットの異常に気づき来院され、私たち獣医は稟告に基づいて検査・診断をしていくのですが、病気の診断がしっかりつかみ切れる場合ばかりではありません。正直、確定診断に至らないこともあります。レントゲンなどのように画像によってしっかりつかみきれるものなら良いのですが、内科的なものだと発症するまでのメカニズムをしっかり理解していないと、治療も説明もとんちんかん(死語かな?)なものになってしまいます。最近、生理学からはいっていく内科の本を購入し新しい知識を得られるよう読み始めました。病名はわかってもメカニズムが解らないうわべだけの獣医にならないように・・・。
Petを飼うことは
Petを飼い始める動機というものは人それぞれ様々だと思います。癒しを求めるためだったり、新たな人生の友としてだったりと、楽しいことのみを思い描いている方がほとんどで、最初から“死”のことを考えてPetショップに行かれる方はいないでしょう。けれども“生”あるものはいつかは終わりを遂げるときが来ます。それが寿命のためか、病気のためか、あるいは突然の交通事故で訪れるかはわかりませんが、本当に最後までその命の面倒を見ることが出来る心構えが必要ではないでしょうか。決してブームに踊らされて1つの命を買ってしまう、といった安易な気持ちでPetを飼い始めて欲しくないものです。
先輩の開業!
大学1年生の頃からの先輩で、永岡犬猫病院時代も一緒に寝食をともにした先輩が2月1日に開業します。その先輩の病院の披露パーティーのため本日午後の私の診療はおやすみさせていただきます。大学時代を過ごした藤沢での先輩の開業、自分も久しぶりに藤沢に行けるのでちょっと楽しみです。(注・本日のEntryは27日に書かせてもらっています)
お腹をこわしたら
犬猫を飼っている方なら必ずといって経験する病気が“下痢”ではないでしょうか。脱水症状や嘔吐をともなっているような場合は病院での治療が必要になりますが、食欲はあるけど下痢気味!といったときはまず食餌療法でしょう。今日はご自宅でも簡単に出来る消化の良い食餌を紹介しましょう。?n [もっと読む…] about お腹をこわしたら
毛玉にしないで!
犬でも猫でも長毛種の子は被毛のケアーをちょっとさぼってしまうと毛玉になってしまいます。初期毛玉ならばブラッシングで何とかなるのですが、フェルトのように固くなってしまうとどうにもなりません。そんなとき良くはさみで毛を刈ろうと試みる方が多いのですがこれは危険です。というのも毛玉なのか皮膚なのか見分けが付かず皮膚を切ってしまう事故が結構あるんですよ。毛玉にしないことが一番なのですが、もしなってしまったらはさみは使わずバリカンが一番です。皮膚を切ってしまう事はまず無いですよ!(お持ちにならない場合は近所の美容室や動物病院に相談すると良いでしょう。)
子宮蓄膿症
雌犬にとって子供を育てるために子宮という臓器は大切ですが、8歳位を過ぎると人と同じように閉経という時期を迎えます。ちょうどこの時期に子宮蓄膿症にかかってしまう場合があります。どんな病気でもそうですが特に子宮蓄膿症は発見時期が遅れると命に関わる位怖い病気です。今日も子宮蓄膿症を患った犬が入院し急遽開腹手術になりました。(摘出した臓器の写真をご覧になりたい方は続きをご覧ください。)開腹するタイミングは非常に難しいのですが、体が病気に負けているかいないかを良く見極めないと、手術は成功しても術後にダメになってしまうこともあります。?n 8歳を過ぎて避妊手術をされていない飼い主さんは、良くペットの様子を観察してあげてください。どんな病気でも早期発見がカギですよ!?n [もっと読む…] about 子宮蓄膿症
急性と慢性の・・・
病気の場合どちらが早く治ると思いますか?急性の方が治りやすいのは皆さんご存じですよね。熱がでるということは、体温を下げるために汗をかかせ体内から熱を奪わせるための正常な反応です。確かに熱がでることは辛いです。けれども体の仕組みのことを考えずに安易に解熱剤を使ってしまうことは、余計に体の調子を崩してしまうことにつながります。このようなことが重なることで、病気の慢性化につながり回復を遅らせる原因となります。私たち獣医師も薬を選択するにあたって慎重を期さなければならないものだと痛感する1日でした。
体の中にできる石
というと一般的なところで胆石・膀胱結石が挙げられます。本日は膀胱結石の手術を行いました。まだ9ヶ月齢の雄犬で5ヶ月齢位から頻尿と血尿を煩っていたそうです。正直私もこんな若齢の犬に1?大の結石が出来ているとは思ってもいなかったのですが、レントゲンを撮ってみてビックリといった感じでした。術後の排尿状態も良好ですが、また結石が出来ないようにこれから食生活に何らかの規制が必要となるでしょう。こんなに若いうちから・・・と思うと少々かわいそうですが、再発しないようがんばっていきましょうね。
手術の際には・・・
少なからず毛を刈ります。人でも盲腸の手術では“下の毛”を剃ってしまうそうです。これは術野の妨げにならないようにといった意味もありますが、毛に付いている細菌が感染を引き起こす可能性があるからです。これは犬猫でも同じ事。というか犬猫の方が感染の可能性は高いものとなるのです。健康な状態ではバリアーとして働いてくれる細菌でも手術などで抵抗性が落ちた体にとっては有害なものとなるからです。?n “手術の際、毛を刈らないで”といった希望もありますが、清潔で安全に手術を進行させ速やかに術後を回復させるためにも必要最低限の毛刈りにご理解を!