当院が病院名に“犬猫病院”と入れているのは犬猫しか分からないからである。というか犬猫以外の小動物の診療経験がないからである。獣医大学を卒業すればすべての動物が診療できるわけではありません。6年間の教育の中で臨床実習(しかもほとんどが大動物!)といえるような時間は医学部でも少ないと言われていますが獣医学部ではさらに少ないと思います。ほとんどの先生が大学卒業後、自分の興味のある分野の強い個人病院にて修行させてもらいながら勉強していくといった状態なのではないでしょうか。以前は虫類に詳しい先生と知り合う機会があったのでいろいろ聞いたことがありますが、これまた難しい分野だと痛感しました。
患者さんは“先生”といって来院されます。動物病院を名乗る上で“これは当院では診察することができません”とは言えません。まだまだ犬猫の診療を極めているわけではありませんが、これが当院が犬猫病院を名乗る理由です。犬猫以外の患者さんで当院に電話をくださった患者さん、申し訳ありません。
今年もぼちぼち・・・
まだインフルエンザの爆発的な流行はないようですが、犬猫でも咳のカゼ様症状が見受けられるようになりました。この時期のカゼ様症状はワクチンをうっていても何故かかかってしまいます。これはワクチンで予防できるタイプのものとは違い寒さからくる冷えによって引き起こされているケースが多いようです。毎年同じように過ごしていても犬猫は人の約5倍の速度で年をとっていくことを考えると、1年1年寒さの感じ方も辛く感じているかもしれません。調子を崩す前に充分暖かくしてあげてください。
可能性についての話
どんな医療でもそうでしょうが、明らかに症状や検査結果がはっきりしていれば確定診断ということで患者さんにお話しすることができます。けれども病気の初期状態であったり、はっきりした稟告が得られない場合は、様々な可能性をふまえて病気についてお話ししなければならないこともあります。これは病気を患っている犬猫から直接症状を聞き取ることができない獣医療の弱みでもあるのですが、そのため考えられる病気の範囲の網を広くして飼い主さんにお話しすることもあります。
診断や治療の漏れをなくすためにも獣医は様々な検査や治療方法を提案していきます。そうすると最初の診断とは変わってくることもあると思います。結果がでてから物事を言うことは誰にでもできることです。他人の揚げ足をとってを自分の手柄にしたり中傷するようなまねはしたくないものです。
あと10日
2003年も残すところあと10日、今のところ来年に引きずりそうな重症患者さんはなく、落ち着いた年末年始を過ごせそうです。横浜で勤務していたときは2年連続で大晦日から元日にかけて夜勤をし、40頭近い入院患者を見ていたことを考えると開業してからは平和な年末年始を過ごさせていただいています。勤務医に戻りたいと思うこともありましたが、開業してからの方が患者さんとの接し方は以前より充実感を得ることができています。(これが開業の良いところなのでしょう)
年末の診療については追ってEntryする予定ですが31日までは通常通り診察させていただきます。
認めてもらえるように・・・
人間のお医者さんは“〜科”“〜専門”と看板を掲げ仕事を始めることができます。たとえ1回目の来院がひやかしであっても、スタッフの対応や診察内容が良ければ自ずと患者さんは集まってくるでしょう。これに比べると獣医はなかなかそうはいきません。以前のEntryでもお話ししていると思いますが、獣医は基本的に全科診療が基本で整形外科とか神経科とか腫瘍科といってもそうそう症例が集まるわけではありません。永岡先生も“整形外科を本格的にやるには最低でも道具(器具)に1000万はかかる”と言っていたくらい専門を名乗るにはお金がかかるのです。それはもちろんほかの科でも同じ事でしょう。
お金をかけてもそれに見合う技術と知識がなければ意味がありません。自分も少しずつではありますが海外の文献に目を通し翻訳しています。いつか“外科手術を受けるならのまた犬猫病院で”と言ってもらえる日を目指して・・・。
初雪!!
宇都宮はお昼過ぎから横殴りの雪が降り始めました。この雪の中、土曜日の午後とあって来院してくださる患者さんがいらっしゃいました。その患者さんの中に寒さのせいか咳やくしゃみをしている犬猫が来院しています。今日はもちろん明日にかけては非常に冷え込み、家の中でも肌寒く感じることと思います。用心には用心を重ねいつも以上に暖かくしてあげてください。特に高齢の犬猫を飼われている方はこの寒さがきっかけで思わぬような病気を発症してしまうこともあります。今晩はいつも以上に気を配ってあげてくださいね!
トイレのしつけ
猫と比べると犬ではトイレのしつけに苦労されている飼い主さんが多いみたいです。しつけといってもそう簡単にはいきませんが、飼い主さんがあきらめてしまうとあなたのペットはいろいろなところに尿をする習慣から抜け出すことはできなくなってしまいます。
まず簡単なところから始めてみましょう。なるべく散歩に出してやり排泄の機会を与えてあげましょう。室内でのみ排尿させている方は、目が届かなくなってしまう時はケージに入れそれ以外の時は自由に行動させ、きちんとトイレできたならご褒美をあげると良いようです。決してトイレに失敗したからといって強く叱ってはいけないようです。しつけは飼い主さんの根気次第ですよ!
医者(獣医)も人間!
病気を治す側にいる者もインフルエンザが流行る頃には風邪もひくしお腹も壊します。夜は休み前ならお酒も飲むし、睡眠もとらなければ翌日頭が回りません。大きな犬に威嚇されれば多かれ少なかれたじろぐものです。医者と違って獣医は病気を患っている動物とその飼い主とのコミュニケーションをとりながらの診察・治療となってくるわけですが、結局は人対人、開業して3年もすればどうしてもしっくりこない患者さんもいます。こちらとしては診察させていただいているという姿勢で応対していますが、あからさまに横柄な方、治療に対しての指導を守ってくれない方、顔では笑っていますが正直“もう関わりたくないなぁ”と思うこともあります。商売をされている方からすれば“まだまだ甘いね”と思われるでしょう。けれどもお互い人間、ある程度のマナーは守っていきたいものです。
またまた異物!
昨日は手術のお手伝いでEntryできませんでしたが、ミニチュアダックスがビー玉を飲んでしまい腸の途中で詰まっているものでした。幸いにもビー玉が詰まっていた腸は炎症はあるものの運動性は失っていなかったため腸切除〜腸吻合といった最悪の事態は免れることができました。どうも1歳にならない犬は、口の中に入るものは遊んでいるうちに飲み込んでしまう傾向があるようです。
これから年末で忙しくなるシーズンです。ちょっとした油断が大きな病気につながることがあります。まだ小さなワンちゃんを飼われている方はくれぐれも飲み込んでしまいそうなものを置いておかないようご注意ください!
申し訳ありません
本日これから手術のお手伝いに行くため、Entryはお休みさせていただきます。