左の写真は“ペットのジャグジー”で紹介させていただいたジャグジー装置を設置する薬浴槽です。現時点ではまだシーズーやヨーキーしか薬浴させたことしかありませんが、少々小柄なゴールデン位なら入浴ができそうです。ちなみに浴槽の大きさは全長が100?・幅が52?・深さが41?です。
薬浴治療というと“ただのおふろでしょ?”と思われることでしょう。けれどもこれが意外と馬鹿にできないんですよ。日本は古来から火山国として温泉が多く、皆さんも行かれることがありますよね。その地方地方の温泉によって効能は違うと思いますがなかには皮膚病に効く温泉も結構あるようです。皮膚病の治療というと飲み薬の治療が中心ですが・・・
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乳腺腫瘍
雌犬を飼われている方はもしかすると遭遇してしまう可能性のある病気かと思います。すべての雌犬がこの病気になるわけではなく、避妊手術をしているとなりにくいとは言われていますがその可能性は五分五分ともいわれています。(個人的には避妊手術をしていると少ないような気がします。)
今日も乳腺腫瘍の手術を受けていたので昼休みに手術したのですが、今回の症例はなかなか大変でした。ここ半年くらいで大きくなった腫瘍自体の大きさ(11?×9?×8?)もさることながら腋窩リンパ節(脇の下にあるリンパ節のこと)にも転移が認められていたからです。リンパ節も何とか切除することができましたが術後は肺などに転移が起こらないか経過をよく観察しなければなりません。
もし体のどこかに今までにはなかったしこりができた場合、早めに病院に行かれることをお勧めします。腫瘍が小さければ傷も小さくてすみますし、何より本人の体への負担も最小限にとどめることができます。腫瘍に関しては“様子を見る前に病院へ!”ですよ。
獣医さんの休日
当院では木曜日が休診と言うことでお休みを頂いていますが、完全に休暇を取れる日ばかりではないんですよ!入院患者さんがいれば必要な治療をしなければなりませんし、獣医医療もどんどん進化していますから東京で学会があれば新しい情報を仕入れに行ったり、非常に難しい手術などは患者さんがいらっしゃらない休診日に手術をしたりと、100%仕事から離れるといったことはありません。(今日は近所の先生のところに手術のお手伝いに行ってました)自分も手に負えそうもない手術は、勤務していた横浜の病院に連れて行って手術してもらいそのまま1日病院のお手伝いをし、宇都宮に帰ってくるのが夜中なんてことは結構ありますし。
休診日の獣医さんもいろいろがんばっているんですよ。自分も患者さんに少しでも良い治療法や薬・技術を提供できるようがんばっていきます。少しでも病気のことでわからないこと、不安に思うことがあったらどんどん質問してくださいね。
避妊手術と思いきや・・・
父の患者さんがまだ名前も付けていない雑種の犬を連れて来院されました。今日は“避妊手術”を受けるための来院でした。麻酔をかけ、消毒を済ませ、いざお腹を切開してみるとそこにはパンパンにふくれあがった子宮が・・・。そう、彼女のお腹のなかにはすでに新しい命が宿っていたのです。避妊手術の予定が急遽、堕胎手術(子供が入ったまま卵巣と子宮を切除する手術)に変更になった1日でした。
“避妊手術”は別名“卵巣子宮摘出術”といいます。何となく“避妊手術”というと響きが軽く受けられがちなのですが、“卵巣子宮摘出術”というと何となく重々しく感じませんか。その名の通り避妊手術というのは、お腹のなかで非常に深いところにある左右の卵巣を引き出してきて切除し、さらには子宮をなるべく残さないように切除するという大手術なんですよ。自分が勤務医の時に永岡先生も“避妊手術を侮ってはいけない!”と言っていましたよ!これから手術をお受けになる方は避妊手術に対しての見方を変えてみてはいかがでしょう。
助かります!
今日から動物看護学校の実習の一環で実習生が来ています。やはり父と自分では仕事をしてきた環境が違うので父には頼めない仕事も、さすがに最近の病院事情を知っている若い学生さんは保定や血液検査などの仕事の飲み込みも早く非常にありがたい限りです。約1ヶ月間お手伝い(実習)をしてくれるということなので仕事もはかどりそうです。
今までは何とか一人でほとんどのことをこなしてきましたが、動物看護師さんのありがたみを知ってしまうと実習が終わった後がこわいですね!実習生がいる間も楽しすぎないようにがんばらないと・・・。
慌てないために
診察時間過ぎに慌てた様子で電話がかかってくることがあります。お話を聞いてゆくと“1週間前からおかしかった。”とのこと。以前にも“犬猫の1日”というところでお話ししていますが、1週間前からということはおよそ1ヶ月前からということになります。病気にもよりますが“もう少し早く手を打っておけば・・”ということがあります。その時ほど“もっと早く病院に連れてくれば”と思われる患者さんは多いと思います。
ちょっと様子を見るのも1〜2日位にしておいた方がいいでしょう。もし、夕方お仕事から帰られてペットの様子がいつもと違うようならばすぐにかかりつけの病院にお電話することをおすすめします。そこで様子を見られる状態かどうかを相談してみるのが一番だと思います。獣医さんも生身の人間です。できるだけ夜中は寝かせてあげてください。(これって本音です!)
ネコ風邪
猫のウイルス病というとまず第1番目に“ネコ風邪”と呼ばれる猫ウイルス性鼻気管炎(FVR)というものがあります。これはヘルペスウイルスというウイルスの感染によって引き起こされるものなのですが、慢性化するとなかなか厄介な病気です。
当院でもワクチンを打っているにもかかわらず季節の変わり目になると鼻水やくしゃみ、咳などの来院する猫がいます。“何でワクチンを打っているのに?”と思われるかもしれませんが、インフルエンザと一緒でワクチンが効果を発揮できるときもあればだめなときもあります。またFVRは健康なときにはウイルスが体の中で息を潜めているだけで持続感染状態にあり、見た目にはわかりづらいということがあります。そしてほとんどの場合、免疫力が確立していない子猫ときに母猫からこのウイルスをもらっているケースがほとんどです。この母⇒子というサイクルが成立してしまうのはワクチン摂取率の伸び悩みが原因と考えられます。ペットショップで飼われた猫はほとんどの猫がワクチン接種済みですが・・
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ペットのジャグジー
以前より予定していたペット用のジャグジー装置を導入しました。最近ではペットの病気も多様化していますがその中でも皮膚病でお悩みの方が多いのではないでしょうか?食生活なのか生活環境なのか明らかに原因を特定できない皮膚病を“アレルギー性皮膚炎”とか“アトピー性皮膚炎”といいますが、従来の治療法としてはシャンプーやお薬による治療法がほとんどでした。当院でも難治性の皮膚病には頭を悩ませていたのですが、このジャグジー装置により皮膚病に新たな光が見えてきそうな予感です。現在入浴中の・・・
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獣医さんの昼休み
どこの動物病院でも診療時間というものがあります。午前の診療から午後の診療までの休み時間が3〜4時間ある病院がほとんどだと思うのですが“何をやっているの?”と思われている方も多いかと思います。ほとんどの病院では麻酔処置や手術、往診ではないでしょうか?やはり診察時間内では救急の場合を除いて麻酔をかける処置は、獣医さんがたくさんいる病院でもない限りなかなか難しいもんです。以前勤務していた病院では獣医が10人以上いたので、外来の患者さんを診察するチーム・麻酔処置に取りかかるチームに分かれることが可能だったので1日に多いときでは8個くらいの手術をこなしていました。けれども獣医さん1人とAHT(動物看護師)さん1人くらいの規模の病院では手術中に患者さんがいらっしゃっても十分な対応がとれないこともあります。
ここで獣医さんからのお願いです。昼休みにいつもいつも手術をしているわけではありませんが、せめてお昼休みにしかいらっしゃれない場合にはせめて電話で1本連絡を入れてもらえるとありがたいですねー。手術中に急にフィラリアの薬を取りに来られても正直“おいおい!”って感じになりますからね。
“絶対〜”ということ
自分が大学を卒業して臨床の世界に入ったとき、“絶対〜”という言葉ほどこの世界で安易に使ってはいけないと思ったことがありました。交通事故で運ばれてきた猫なのですが、レントゲン写真や血液検査の結果を見る限り“どう見ても助からないだろう”と皆が思っていた症例が日を追うごとに快復して若干の後遺症は残るものの無事に退院してゆくことができました。これに対して、ついさっきまで走り回っていた元気な犬が急に倒れ込んだと思ったらそのまま亡くなってしまったということもあります。
人医療でも動物医療でも絶対ということは無いと思っています。特に直接本人に話を聞くことのできない動物医療では、お掛かりになっている先生の経験と検査結果などから判断して治療してゆくわけですからなおのことです。
患者さんとしては“絶対大丈夫ですよ!”という言葉をかけてもらいたいと思います。けれども動物医療の世界では本当に何が起こるか予期できないことがあります。(自分は実家の病院を継いでからこの言葉は使ったことがありません。)もし良い意味でも悪い意味でも“絶対〜”という言葉をかけられたとしても一喜一憂しないでくださいね。