某インターネットのオークションでフィラリア予防薬が売られているのを目にしました。一瞬目を疑いましたが、オークションにかけられている薬の名は‘ProHeart’、日本での販売名は‘モキシデック’でした。輸入元はアメリカかと思いきやどうやらオーストラリアの業者からのようです。オーストラリアでは本当か嘘かわかりませんがフィラリア予防薬は人の風邪薬や胃薬のように薬局で購入することができるというのです。海外で‘Interceptor’というものを‘ミルベマイシン’、‘Heartgard’を‘カルドメック’という名称で日本では販売しています。これらフィラリア予防薬の種類によっては、投与前検査なしに飲むことでショック症状のような重篤な状態に陥るものもあります。フィラリアを予防することは大切なことですが、予防するために与えた薬で思わぬ症状に陥ってしまうことほど本末転倒なことはないでしょう。もし何らかの形で手に入れたフィラリア予防薬があるようでしたら、いきなり投与してしまう前におかかりの獣医さんに見てもらうことをお勧めします。
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情報を発信するものとしての責任
【インターネットは、誰でも簡単に情報を集め、また誰でも容易に情報を発信できる場所だ。しかし、その手軽さや匿名性から、虚偽の情報を流されたり、一方的な誹謗中傷にさらされることもある。もし自分の会社や自分自身が被害者の立場になったら……。】ITmediaというページの見出しにこんな記事を見つけたので読んでみました。確かにこれだけ情報が氾濫している時代、裁判沙汰になった事例もあるようで情報を発信している側の者としては、間違った情報や他を中傷することの無いように気を配っています。 [もっと読む…] about 情報を発信するものとしての責任
その道を究めるのは・・・
日曜日の午後、診療を休ませて頂いて東京まで眼科の講習会に行ってきたのですが、やはり第一線で活躍されている先生の話は非常にためになりました。言葉を話すことのできない犬猫にとって、眼は表情を表すためには大切なもの。この機能を白内障や角膜の傷などによって失ってしまうことは大問題です。今回の講習会では私たち獣医師が日常診察のなかで見逃しやすい眼の病気や鑑別の仕方など、短い時間でしたが充実した時間を過ごすことができました。勉強してきた内容は日々の診察にフィードバックしていきたいと思っています。しかし、ある分野でそれだけを専門的に診察する(できる)というのは“弛まない日々の努力があってこその賜なのだなぁ”と痛感しました。
見聞を広げるために
大学を卒業して9年になりますが、やはり9年間では経験を積めない分野があります。というのも全科を診療しなければならない獣医療としては、対応が取れるようどうしても広く浅く勉強しなければなりません。もちろんその中で興味を持った分野を突き詰め、専門病院として多くの症例を扱えるようでなければいけないと思っています。しかし本の上だけの知識では多くの症例を見た人の経験にはかないません。今度の日曜日(9日)、“獣医界の眼科といったらこの先生”のレクチャーを受ける機会に恵まれました。と言うわけで、日曜日午後の診療は誠に勝手ながら休診とさせて頂きます。午前の診療は通常通り行っております。ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願い致します。
暖かいのか、寒いのか
当院の裏手にある八幡山公園の桜も3分咲きとなり、暖かい春までもう一息といったところでしょうか。今まで何度かEntryしている内容ですが、この時期には雄猫の膀胱炎(尿閉)の患者さんを診察する機会が多くなります。膀胱炎は寒い時期に多いと思われがちですが、気温が安定しないこの時期には意外と見逃しやすく症状も進んでしまっていることが少なくありません。先日も猫を2頭飼われている患者さんが来院し、尿が出ていないようだということで診察してみるとその尿は真っ赤で陰部は炎症を起こしていました。雄猫を2匹以上飼われている方はどちらの猫がどれだけ尿をしているか見分けることは難しいと思います。そんな時は猫の下腹部を優しく押してみてください。嫌がるようだと膀胱炎になりかけている可能性があります。早めにかかりつけの先生の診察を受けてください。
さあ、新年度です。
毎月一番にEntryする時は“今月はたくさんEntryするよう頑張ろう。”と思っているのですが、先月も数えれば7Entryでした。新年度である今月こそは頑張ろうと思っております。さて4月といえば犬を飼われている方のお手元にはハガキが届いているかと思いますが狂犬病予防注射期間です。特に4月は各獣医師会が小学校や公民館にて行う集合注射月間になっております。なかなか動物病院まで連れてくることができない飼い主の方はご利用ください。どうしても犬がたくさん集まることで興奮してしまうという方は動物病院に連れてきていただければ接種することができます。ご来院の際にはお手元に届いたハガキを忘れずにお持ちください。
あの子がお母さんに
昨日は私が以前帝王切開にて取り上げたパグ犬が、3匹の新しい命をお腹に宿して入院しました。予定日は25日でしたが、安心してお産を済ませたいということで帝王切開を行うことに。やはり1週間前にレントゲンを撮った時よりも子犬は大きくなっており、早めの帝王切開は正解でした。毛色がフォーンの子からブラックの子犬が3匹、さらに帝王切開ということもあってか母犬は子犬には興味なし。本日飼い主さんに電話すると、子犬は母犬の母犬が面倒を見ているとのことでした。写真のようにちゃんと世話をしているような微笑ましい姿が見られるのは難しそうです。しかし子犬は気持ちを和ませてくれるものですね。
痛いのは何処だ?
腰がふらついている犬のレントゲンを撮ってみて、腰椎(腰骨)に写真矢印のような変形性脊椎症がでていたとすると獣医師としては“腰が弱くなり始めましたね。”と説明するのではないかと思います。“こういった変形は痛みを伴うことがあるんですよ”と説明することで、患者さんにも納得して頂きやすいのではないかと思います。けれども本当に痛いところは変形を起こしているところとばかりは限りません。 [もっと読む…] about 痛いのは何処だ?
後頭骨(孔)形成不全
以前にもEntryしていましたが、今回はレントゲン写真を付け加えて再Entryさせていただきます(矢印の先が閉鎖しきっていない後頭孔です)。これは小型犬種(ヨーキー、パピヨン、チワワetc.)に確認されやすい先天性の奇形とされています。奇形というイメージから“長くは生きられないのではないか?”といった不安を持たれるかもしれませんが、レントゲン写真を撮って初めて判るケースが多く、何の異常もなく普通の生活をしているワンちゃんも多いようです。 [もっと読む…] about 後頭骨(孔)形成不全
前立腺肥大
前立腺肥大についてのEntryをするのはこれで3回目くらいでしょうか?前立腺肥大は去勢をしていない雄犬に起こりやすいものということは、今までのEntryを読んでいただいている方はご承知のことかと思います。前回は確かエコー写真を掲載したので今回はレントゲン写真を載せたいと思います(矢印が指しているものが肥大を起こしている前立腺です)。前立腺肥大とは前立腺が腫れた症状の総称で、原因によって何種類かに分類されます。 [もっと読む…] about 前立腺肥大