Commentにもあるように獣医さんより薬の個人輸入についてご指摘を受けました。確かに獣医師という立場で“同じものなら自由に薬を取り寄せて飲んだらいいでしょう”といった内容になってしまったかもしれません。あくまで紹介させてもらった薬の個人輸入は、病気が確定し体調を維持するためには薬が1日どれだけ必要で、服用にあたっての注意点・定期的な診察の必要性を理解し守っていただける患者さんに適応できるものです。私が取り寄せるにあたっては手続きなどにより高価な薬になってしまうのですが、患者さん個人が取り寄せることでコストを抑えることができ、薬を長期に使用しなければいけない負担を少なくすることができますよといった紹介のつもりでした。現在このサイトを利用している患者さんも、薬を取り寄せた際には確認のため来院してくれます。前回のEntryでは一般の飼い主さんや獣医さんにも誤解を招いてしまう内容だったことを訂正させていただきます。今後誤解を招くようなことのない様注意させて頂きます。
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薬の個人輸入
病気によっては薬を手放すことができない病気があります。最近注目されているジェネリック医薬品のでも長期に必要となれば負担は大きくなりますが、ジェネリック医薬品にはないためどうしても高価なままの薬を使用せねばならない時、皆さんはどうしますか? [もっと読む…] about 薬の個人輸入
薬も使い方次第では・・・
このblogでも薬の使い方について何度かEntryしたことがありますが、吐き気を抑える薬も使い方次第では恐ろしいことが起こります。胃酸の分泌を抑えることで吐き気を抑えるものもあれば、胃〜腸にかけての運動(腸蠕動)に働きかけて吐き気を抑えるものもあります。今回このEntryをしたのも先日の異物を飲んでいたラブラドールのことで私も考えるところがあったからです。獣医さんだったら異物の可能性があれば吐き気止めとして後者の薬は使用しないでしょう。けれども異物が入っているかどうかは、バリウム造影を行って確定診断となります。もしバリウム造影以前の検査で異常が見つかったとして治療方針が変わっていたら・・・ [もっと読む…] about 薬も使い方次第では・・・
肛門嚢切除
肛門嚢(腺)絞りをしたことがありますか?肛門を中心として時計の3時と9時(4時と8時ともいわれている)のところに存在する分泌腺で、そこから分泌される液体はにおいが強くこれに悩まされている飼い主さんもいらっしゃるかと思います。通常、肛門嚢からの液体の排出は排便時に行われていることがほとんどですが、過剰分泌や炎症・感染、筋緊張の低下によって常に肛門周囲を汚してしまう場合もあります。今回は寝ている間にいつも寝床を汚してしまうということで手術することになりました。 [もっと読む…] about 肛門嚢切除
一難去ってまた一難
ちょうど1週間前に異物(マスコット)を飲み込んでいた為、開腹手術によってその異物を取り出したラブラドールが来院されました。また吐いているということです。手術の際に胃から腸全体にわたり他の異物や異常がないか確認し、術後も食欲が戻り元気に退院していったのにどうしたことか?いろいろなことを考えながらお腹を触診してみると正常な腸とは異なる触感(太めのソーセージのような)の腸を触れることができました。これはもしかすると・・・ [もっと読む…] about 一難去ってまた一難
何の薬だったっけ?
“なんかだるそうだったから、前にもらっていた薬を飲ませたら急に元気が出たよ!”と言われたことがあります。“以前処方した薬は確か抗生物質だったのだが?しかも大分前・・・”大切なペットが調子悪い時に何とかしてあげたいのはどの飼い主さんも同じでしょう。となると以前病院からもらっていた薬を引っ張り出し、与えてみようとする気持ちもわからないではありません。けれども注意してもらわなければならないのは、万能薬という薬はないということです。よく抗生物質を飲ませることで安心される飼い主さんがいらっしゃいますが、場合によっては症状をひどくすることもありえます。“病は気から!”といわれていますが、薬を飲ませたことで安心するのは飼い主さんで、本犬(猫)は薬を飲まされなくても落ち着いたかもしれません。もし与えるにしても何の薬だったかよく確認して与えてくださいね!
ギブス固定について
骨折をしてしまったらどのように治すか?それは現在通院している先生の経験や手慣れた手技によって異なります。当院では前足の骨折では手術によって骨折部を整復し、補助固定として写真のようにギブスを巻きます。人のように手術後安静を保つことが難しい犬猫では、術後の運動制限が充分でないと手術が台無しになってしまうことも少なくありません。その点ギブスを巻くことで手術した部位は安定した状態を保つことができ、若干の不自由はありますが犬猫は運動することを妨げられません。さてこのギブス、どの位の間隔で交換すべきなのでしょう? [もっと読む…] about ギブス固定について
皮膚が黄色い
人でも動物でも皮膚が黄色くなったらそれを“黄疸”といいます。黄疸は、血清ビリルビンの濃度の上昇によって引き起こされた結果観察される状態です。黄疸の細かい原因を挙げていくと非常に難しい話になってしまうので比較的身近な原因について挙げてみようと思います。 [もっと読む…] about 皮膚が黄色い
スタッフ育成
前回のEntryに引き続き、病院作りについて思っていることです。大きな病院になればなるほどスタッフのレベルは一定なものでなければならないと思います。診療するにあたっての獣医師のレベル、入院中の動物を看護するAHTの対応など患者さんはよく観察されています。たまにみなとよこはま動物病院に顔を出した際に昔の患者さん会ったりすると1年目の頃の自分の話をされたりすると“えっ、そんなとこまで見ていたの?”ということがあります。 [もっと読む…] about スタッフ育成
当院の目指すところ
動物病院を大きくするということは、獣医をやっているものにとって1つの目標かもしれません。しかし病院(器)を大きくするということは、それを受け入れるだけの態勢(スタッフ)を充実させねばなりません。昨年、みなとよこはま動物病院理事長の永岡勝好先生が当院を訪れて頂いた時にこんな話をして頂きました。“野亦よ、これからは(病院を)大きくするだけが良いとは限らないぞ。” [もっと読む…] about 当院の目指すところ