まぶたの内側は非常に分泌腺が活発な場所です。その分泌腺の開口部が詰まってしまうと写真のように盛りあがり、おできのようなものになってしまいます。これが“マイボーム腺腫”というものです。年齢が若いときにはほとんど観察されることがないマイボーム腺腫も、8歳を過ぎる頃から目立つようになってきます。あまり大きくなってしまうと、上まぶた自体を切開して皮膚を形成しなければなりませんが、小さいうちに処置してしまえば・・・ [もっと読む…] about 目の上のたんこぶ!
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いつか獣医師にも・・・
皆さん今日の新聞は読まれましたか。特殊な手術技術を持った医師に対して実地試験を行い、その実情と合格率を発表したものです。(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050615-00000101-yom-soci)つい最近の番組でも、第一線で活躍されている先生が薬の処方箋を書くにあたってどれだけ薬の組み合わせ(併用禁忌)について認識しているかという試験を行ったところ平均は40点位と、その場に居合わせた番組関係者も唖然としていたシーンを覚えています。お医者さんの話はさておき、私たち獣医師もどうなのかなぁ?と思いました。獣医師国家試験を通ってしまえばその資格は日本国内であればどこでも通用してしまいます。 [もっと読む…] about いつか獣医師にも・・・
雄がなる病気!
雄(♂)がなる病気というと、猫では尿閉(冬場に多い)、犬では以前にもEntryしている会陰ヘルニア、前立腺肥大、そして肛門周囲腺腫というものがあります。どの病気の男性ホルモンが関わってくるのですが、なかでも肛門周囲腺腫は去勢手術をしていない雄犬に多くみることができます。つい最近も14歳になるMixの犬が肛門の周りにでき物ができ出血しているとのことで診察してみると、ずばり肛門周囲腺腫でした。ちなみにこの肛門周囲腺腫、ほとんどが良性のものなのでご安心ください。
雄がなる病気もこれだけあると早く去勢手術をしなくては・・・と思われる飼い主さんもいらっしゃるかと思いますが、どの病気でも手術をすれば100%完璧というわけではありません。手術をお考えの際は、かかりつけの先生とよく相談のうえ行うと良いのではないでしょうか。
正直者が馬鹿を見る?
ある先生との話、“うちの周りの患者さんは犬も連れてこないでフィラリアの薬を欲しがるんだよ。で、(抗原)検査してからじゃないと処方でしないというとそのままかえっしゃうんだよなぁ・・・”たしかにペットを飼育するに当たって意識レベルの低い地域ではフィラリアはおろかワクチンさえうたないで犬を飼っている方はざらですし、調子が悪いといって診察してみるとこれまたフィラリア症ということなど珍しくありません。もちろん飼い主さんばかりの問題ではく、獣医師側の啓蒙意識にも問題はあります。そもそもフィラリア予防薬は【抗原検査を行ってフィラリアがいないことを確認して処方すること】と薬の説明書にあります。それをわかっていながら検査をせずに処方してしまう獣医さんも多いのです。 [もっと読む…] about 正直者が馬鹿を見る?
もう少し早ければ・・・
重い病気を患っているにもかかわらず様子を見すぎてしまった後に、病院にいらっしゃった患者さんの誰もが心に思うことではないでしょうか?これは治療する病院側でも思っていることは一緒です。けれども私は決してこの言葉を口にすることはしないようにしています。というのも、この一言が病気を治すことができなかった言い訳のようにもなってしまうと同時に、自分のことを責めているであろう飼い主さんの気持ちをさらに責めてしまうことにもなりかねないからです。 [もっと読む…] about もう少し早ければ・・・
サイバー・テロ?
今日は病院ネタではなくホームページネタなのですが、昨日から本日午前中まで私のホームページ(nomata-inuneko.com)にアクセスすることができなくなっていました。もちろん、私も更新しようかと思ってログインしようとしてもできない状態でした。ホームページを管理してくれている増田真樹氏(metamix.com代表)によると、先日“価格.com”がパンクしたのと同じようなことが起きたということでした。アクセスしていただいている皆様にはご迷惑をお掛けしたかと思います。今日からまた頑張って更新してゆきますのでよろしくお願いします。
命に対する考え方
確か2日前だったか、NHKの“クローズアップ現代”を皆さんごらんになりましたか?今までかわいがっていたペットが急に飼い主に対して咬みにきたり、制御できない状態になったりする問題行動の原因について取り上げられていました。番組の中、問題行動が起きてしまう原因やしつけについての内容もさることながら、とりわけ私が気になったのは悪徳ブリーダーの話でした。養鶏場のような狭い場所で子犬を生ませ、“市場に並ぶとき状態が良ければいい!その後どうなろうとかまわない・・・。”こんな命を命とも思っていない悪徳ブリーダーが流行の犬種を交配して売っているんです。けれども悪徳ブリーダーにそうさせているのは、流行の犬猫を欲しがる消費者側のせいなのかもしれません。以前にも同じようなことをEntryしているかと思いますが、このページを訪れてくださった方には、決して流行に惑わされないペット選びをしていただきたいものです。
被害者?加害者?
休みの日ともなると公園にペットをつれて散歩をなさる飼い主さんも多いかと思います。何頭か集まってみると、どうしてもなじめない子の1匹や2匹がいるでしょう。そんなときに相手を噛んでしまったりあるいは逆の立場に立ってしまうことがあるかもしれません。ほとんどの場合、噛まれて負傷してしまった方が被害者となりますが、もしかしたらその発端を作ってしまったのは噛まれた側にあるのかもしれません。自分のペットはおとなしいからとか、噛んだことがないからといって100%安心してしまっていたり、飼い主が制御することなくペットの好きなようにさせてしまい事故にあったりすることは、どちらが被害者で加害者なのかという問題ではないかと思います。ペットが事故に遭うあわないは飼い主さんの気配り次第!気をつけてあげてください。
ヘルニア続き!
昨日のEntryでは軟部組織のヘルニアでしたが、今晩は椎間板ヘルニアの手術が控えています。やはり犬種はダックスフンドなのですが年齢は5歳、まだまだ若いのにヘルニアには年齢はあまり関係ないようです。(ヒトでも若くしてヘルニアの手術をしている方もいますし・・・) 以前は椎間板ヘルニアの手術にはちょっと否定的な考えを持っていたのですが、実際手術して経過を見る限り手術のタイミングにもよりますが、早期に造影を行い手術をしてしまった方が良い結果を得ることができています。
ただ手術を受ける飼い主さんに再度お伝えしたいのは、骨や関節関係の手術は手術をすれば完治ではなく術後のリハビリが大切だということを忘れないで頂きたいものです。特に椎間板ヘルニアのような手術ではリハビリの重要性が高くなってきます。飼い主さんが諦めてしまっては本人はどうすることもできません。結果が出るまでに時間がかかることも多いのですが、諦めずがんばってあげてほしいものです。
ヘルニアの術後。
4月に肛門周囲ヘルニア(会陰ヘルニアとはちょっと違うと思っています!)の手術をしたシェルティーをお預かりすることになり、術後の経過を観察することができました。会陰ヘルニアは去勢手術をしていない雄犬になぜか多くみられるものなのですが、会陰ヘルニアと思って手術に挑むととんでもないところにヘルニア輪ができているときがあり頭を抱えたくなるときもあります。このシェルティーも過去に手術を受けたヘルニア部はしっかり直っていたのですが、その場所を避けるようにヘルニアができていました。とりあえず術後は良好ですが、肛門周囲の筋肉はほとんど脆弱だったことは確認できているので再発しないことだけが心配です。どうしてこのヘルニアが起きるのかは完全に解明はされていません。“くさいものにはふたをする”といった手術では完治は難しいかも知れません。まだまだ研究の余地はあるようです!(肛門のアップの写真です。食事中の方m(_ _)mです。)