漫画“ブラックジャック”ではどんな難しい手術でも一人でこなしてしまいますが、例えば雌犬の避妊手術に必要な人数はどの位だと思われますか?理想的なことを言えば、術者に助手さらには麻酔医と3人いれば安全でストレスのない手術が行えるのではないでしょうか?ところが個人病院ではそこまでの人員は稼げないので、1〜2人で行っているのが現状かと思います。ですから少しでも安全に手術を行えるように、人工呼吸装置の付いた麻酔機を用い、生体のわずかな変化も見逃さないために高性能な麻酔モニターを用いなければなりません。(この辺の設備投資がなかなか大変なんです)?n 今日、永岡犬猫病院(みなとよこはま動物病院)時代の同期から手術についての相談の電話がありました。今まで数人のスタッフとともにこなしていた手術もいざ一人でやるとなると心細くなるものです。自分もこれから同じ立場に立たされることがあるかと思うのですが、こんな時に助け合える仲間というものを大切にしたいものです。
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治癒力を高めるために
ホメオパシーによる病気の治療があります。ホメオパシーとは“健康体に投与してある症状を引き起こすものは、その症状を取り去るものになりうる”といった考え方による自然療法のことをいうようです。簡単にいうと、風邪をひいているときに布団をかぶってガンガン汗をかき熱を冷ましたりするような、民間療法的なものとお考えになってもらって良いかと思います。?n [もっと読む…] about 治癒力を高めるために
これからの病院は・・・
大学を卒業し、設備の整った規模の大きな動物病院で修行して独立、個人病院として開業するというのは医療に携わったものとしては1つの夢かもしれません。ここ数年宇都宮でも動物病院が増えてきていますが、東京や神奈川のように何でもござれの総合病院というものはまだない(知らないだけ?)と思います。もちろん専門分野を追求してその分野ならば群を抜いている病院はあるようですが、満足のいく仕事をするとなったら獣医が1人ないし2人ではやはり限界があります。?n [もっと読む…] about これからの病院は・・・
設備投資もいろいろ
動物病院は常に使う器具ばかりではなく、たまにしか使わない器具(これは薬にも言えること)でも取り揃えておかねばならないことが多いのです。今では病院の“3種の神器”といわれている、血液・生化学検査器・レントゲン診断装置・超音波診断装置はもとより、レーザー治療(手術)器や内視鏡、規模の大きな病院ではCTやMRIも導入されているところもあるようです。?n 昨日は診療時間終了後、大学同期の病院で猫の膝関節固定術を行ってきました。関節固定という手術は、骨を平らに切ったり、金属のプレートで固定するためのネジ穴をあけたり、さらに強固な固定をするために金属のピンを打ち込んだりと様々な要素が必要となる手術なのですが写真にある整形外科用のコードレスドリルのおかげで手術をスムーズに行うことができました。どこの病院でもそうですが、設備投資には莫大な費用が掛かります。けれども昨日は“買っておいて良かった!”と実感することができました。
現状に満足せずに・・・
横浜での修行を終え、地元に戻り今度の4月で4年目に突入します。1年目には十分な機材も揃っていなかったのでなかなか積極的な提案ができないこともありましたが、この3年間で個人病院としては大分機材をそろえることができました。まだまだ診療をスムーズに行えるように欲しいと思うものもありますが、ちょっと一段落といったところでしょうか?しかし機材より何より医学に携わるものとして必要なのは勉強してゆく姿勢ではないでしょうか?ある程度経験を積むことで1日をそれなりには過ごすことはできますが、さらに上のことを目指そうとしたらちょっとしたことでも突き詰めていかなければならないと思います。?n 私もまだまだ知らないこと、新たに再認識することが多々あります。年の差や専門分野など関係なく“知らないことを知ったかぶり”せず素直に聞ける姿勢を持っていたいものです。
コメントを頂いている方へ
このホームページを始めてから1年半位になりますが、真剣にセカンドオピニオンを求めている飼い主さんの多さには驚いております。私がアドバイスできることなどたかがしれているのですが、少しでもお役に立てていることはうれしい限りです。?n さて、ここのところ“コメントが少ないなぁ?”思いこのホームページを立ち上げてくれた増田真樹氏に聞いてみたところサーバーの方でコメント受信の方を規制しているようです。真剣なコメントもさることながら、それ以上に全く関係のないコメント(広告etc.)が日に100件以上入ってきてしまうのが連日続いておりました。もしコメントを寄せていただいている飼い主のみなさま、このような状況なので手元にコメントが届いていないのが実状です。しばらくの間、一方通行の状態になってしまうかと思いますがよろしくお願いします。
今まで何を・・・
“調子が悪くなったのはいつからですか?”という問いに“今朝から”というのは良くあることですが、よくよく聞いてみると調子悪いかと気付き始めたのは1週間前からで、ぐったりしてしまったのが今朝からだということ。しかも電話をかけてきたのは診察時間を完全に過ぎた深夜。?n 獣医という仕事は動物の命を救うことですが、このような飼い主さんには正直“?”と感じることもあります。全ての患者さんに同じレベルのことを求めることはできません。お仕事の時間帯の関係で診療時間内にいらっしゃれない方もいるでしょう。けれどもあまりにも様子をみすぎる方が多すぎることも事実です。自分の体調が良くなければ、ヒトならば何らかの対処を取れるでしょうがペットはそういかないのです。ただでさえ後手に回ってしまう動物の治療、少しでも異常を感じたら早めに対応をとって欲しいものです。
よみがえり!
昨日からニュースなどで取り上げられていますが、亡くなっていると思われた女性が息を吹き返したという話があったのをご存じでしょうか?これは非常に珍しいことですが、死亡を判定することの難しさがあらためて見直されることでしょう。?n 心肺蘇生というものを獣医療でも行いますが、心停止した状態から病院に運び込まれるまでの時間や、今まで患っていた病気などによってはなかなか思ったような成果が得られないことがたたあります。仮に心臓が動いていたにしても、脳に酸素が送られていない時間が長かった場合、息を吹き返したとしても通常の生活ができない可能性もあります。もし呼吸が止まってしまっていたら、鼻から息を吹き込んであげてください。少しでも蘇生の可能性を高める助けになるはずですから。
病気に対しての取り組み
“食べないから点滴”とか“尿が赤いから抗生剤の投与”とか挙げればきりがないほどでてきますが、症状に対しての治療は必要です。けれども問題は“その病気の原因は何なの?”ということだと思います。臨床経験や勘をフルに使った治療も大切かもしれませんが、病気の診断方法も日々進化していますから精査することで思わぬ発見があることもあるかと思います。?n 検査ばかりすると確かにお金が掛かります。けれども病気にある程度の当たりをつけて検査をすれば必要以上には掛かることはありません。(なかなか解らないかと思いますが、説明してもらえない“?”と思われる検査こそ注意してください) 検査結果は多くのデーターを与えてくれ、思わぬ早期発見もあるかもしれません。けれども飼い主さんが判らないのをいいことに、やたらと検査をし莫大な費用を請求するという姿勢はいかがなものか?考えなければなりませんね。
今年もチョコの話を・・・
今年もバレンタインデーがやってきました。昨年もチョコレート中毒のお話しをしたかと思いますが、今年はさらにつっこんだお話しをさせていただきます。チョコレート中毒の原因がキサンチンアルカロイドという物質の過剰摂取によって起こるということは昨年お話ししましたが、このキサンチンアルカロイドとは体内にはいるとどんなことをするために中毒になるのかということをご説明したいと思います。?n [もっと読む…] about 今年もチョコの話を・・・