狂犬病にしても犬猫それぞれのワクチンにしても、接種するということは自分のペットを病気から守るということだけではなく、他人に伝染さないためであるという意識を持たれていますか?ウイルス性の病気というものは唾液や尿、くしゃみなどをしたときに飛沫する分泌液中に多量に含まれています。散歩中、何の気なしにおしっこをさせてしまいますがもしウイルスをもっている子だったら病気をばらまいていることになります。猫にはエイズという病気があります。これはワクチンでは予防できないものですが、もし病気と分かっていながら外に出すということは考えられないことではないでしょうか??n フィラリア予防に関してもおなじことです。“去年飲ませなくても病気にかからなかったから”ということを聞きますが、未だに宇都宮市内でもフィラリアで亡くなる子がいるのが現状です。あまりしつこいアピールをするのもなんなのですが、身勝手な飼い方は他人に迷惑をかけます。“うちの子に限って”という考え方が一番危険だということを認識してください。地震と一緒で病気はいつ身に降りかかってくるかわからないのですから・・・。
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誤った認識
“成長期には骨のためにカルシウムを食餌に添加しなければならない!”といったことを耳にしませんか?現在のようにペットフードが無かった昔、栄養の偏った食餌によりカルシウム不足により引き起こされる病気になっていた犬猫もいたようです。ペットフード文化が良くなった現在では、カルシウム不足というよりも過剰によって引き起こされる病気を目にします。?n ?n [もっと読む…] about 誤った認識
甲状腺の機能検査
甲状腺の機能の異常は特異的な症状が少ないために、他の病気に影を潜めてしまい診断が曖昧になってしまいます。現症状のおおもとが甲状腺機能の異常かどうかを調べるのには、甲状腺ホルモン(T4;サイロキシン、T3;トリヨードサイロキシン)を測定することが正確な診断を下すためには必要な検査となります。?n その前に甲状腺って何をしているところなの?と思われている方も多いかと思いますのでその作用についてEntryしたいと思います。?n [もっと読む…] about 甲状腺の機能検査
自分に置き換えて考えると・・・
急性の下痢の原因にはいろいろなものがありますが、主なものとしては特定の食べ物に対しての胃や腸の不耐性やアレルギー反応です。アレルギーというとイメージとしては痒くなったりブツブツができたりといったイメージがありますが、特定の食べ物に対して胃や腸が排除しようとする反応はアレルギーといって良いでしょう。?n さて、飼い主の皆さんは吐き気がしたりピーピーの下痢をしているとき食事をしますか?水分の補給はするにしても、いつも通りの食事さらには脂っこいものは控えますよね。犬猫でも一緒です。下痢をしているときは水分補給はしなければなりませんが、いつも通りのフードを与えてしまっては休もうとしている胃腸を働かせてしまうことになります。嘔吐や下痢を食べさせながら治そうということは非常に難しいことなのです。個体差はありますが、下痢をしているならオーソドックスではありますがまずは食事を抜いて様子を見ることも大切ですよ。
手術マージン良好・・・
10歳のゴールデンレトリーバが耳の入り口に写真のような腫瘍ができたとのことで来院されました。見るからに悪そうな腫瘍のため、消毒処置中に採取できた腫瘍の一部を病理検査に送ってみました。結果は“悪性黒色腫”、メラノーマといわれているものです。(正式には良性の黒色腫をメラノサイトーマ、悪性のものをマリグナントメラノーマといいます)?n 結果を飼い主さんに報告するとともに、先輩・後輩で麻布大学腫瘍科をでられた先生にアドバイスを求めると一様に“積極的な外科的切除”でした。?n [もっと読む…] about 手術マージン良好・・・
一生の財産!
昨日は横浜にてみなとよこはま動物病院(旧・永岡犬猫病院)OBによる新年会がありました。まだまだ開業して3年とちょっとの私には、いらっしゃっている先生方は大先生ばかりで毎年緊張する集まりでもあります。勤務していた病院の人間、それも年代を問わずに必ず新年には顔を合わせ、近況や新たな情報の交換場所として集まれるような病院に勤務できたことは何よりの財産だということを噛み締めました。同期の先生の近況もさることながら、全く衰えを知らない永岡先生のパワーにも圧倒されてしまいました。今年もより良い医療・技術を提供できるよう頑張らねばと思うひとときでした。
本日は成人の日
犬猫の生物学的速度(簡単に言うと年を取っていく早さ)については以前にもEntryしていますが、人でいう20歳というのは犬ではおよそ生後1年半、猫ではちょうど1年位といわれています。それ以降は1年ごとに4歳ずつとしをとっていくということから考えると、犬猫ってホント年を取るのが早いですよね。成人式を迎えると一人前として扱われますが、犬猫ではなかなかそうはいけません。けれどもそのころには比較的行動も落ち着いてきたようには見えませんか?誕生日を祝ってあげる飼い主さんは多いかと思いますが、今年成人になる犬猫を飼われている飼い主さん、一生に1回の成人式ちょっとお祝いしてあげてはどうでしょうか?もしかしたら行動がちょっと変わるかも知れませんよ!
無事に里帰り!
昨年の11月に椎間板ヘルニアの手術をしたダックスが来院されました。リハビリの経過も良好で、ベットの上から飛び降りることができるまでに回復、実家である横浜に帰る前に顔を見せてくれたというわけです。今までは脊椎疾患というものは内科治療と理学療法を中心に治療してきましたが、手術によってここまで回復するということを目の当たりにすると手術は積極的に薦めるべきものだという意識を持ちました。もちろん全てを手術すべきとはいえませんが、状態と時期を見極めることで良い結果が望めるものだということを身をもって感じることができました。もちろん手術が全てではありません。懸命な飼い主さんのリハビリがあったからこその結果だと思います。横浜に帰ってもまた腰を痛めないでほしいものです。
ネズミの害!
先日のニュースで放送していたのですが、リフォームしたばかりの家やマンションなどでネズミが食べ物を食い荒らしたり電気コードを食いちぎったりする被害に遭っているという特集が組まれていました。その特集内では、夜中にネズミが駆け回る足音に悩まされている人や、食いちぎった電気コードからの出火の危険性についてが取り上げられていましたが、獣医師としては伝染病の心配をしてしまいます。ご存じの方も多いかと思いますが“レプトスピラ症”です。?n レプトスピラ症の原因菌はネズミの尿中に含まれ、皮膚にある傷や健康な粘膜から体内へと侵入します。ワクチン接種によって抗体を持っていれば大事には至りませんが、抗体がなく治療もされなかった場合は慢性の肝炎あるいは腎炎に移行してしまいます。ネズミといったら少々田舎のモノといったイメージですが、このようなことが都内で起きているということですから宇都宮も安心はできません。やはりワクチン接種によって抗体をもっていることは大切ですね!
ヘルニアあれこれ
昔からヘルニアのことを“脱腸”といいましたが、そのヘルニアの出っ張りの中身は必ずしも腸ではないことをご存じですか?お腹の中にあり腸を取り囲む脂肪であったり、はたまた膀胱であったり、実際手術してみてビックリすることもあります。ヘルニアにはおへその所にできる臍ヘルニア、足の付け根(鼠径部)にできる鼠径ヘルニア、肛門周囲にできる会陰ヘルニア(この表現には問題があるが・・・)があります。?n 今日は鼠径ヘルニアの手術がありました。このヘルニアは特に雌犬に多く、成長段階で鼠径輪というヘルニアの根本にあたる穴(ヘルニア孔)のふさがりが悪いことで起こっています。幸いヘルニアの内容は腸ではなく雌犬特有の鞘状突起が主なものであったので大事には至りませんでした。ヘルニアも放置し過ぎると大変なことになります。おかしいなと思ったら診察を受けてみてくださいね。