塩分のとりすぎは体内の臓器に様々な影響を与えますが、特に影響を受けるのは心臓および腎臓ではないでしょうか?健康なときには気にしなかったフードの成分表も、病院で“ちょっと心臓(腎臓)が悪くなってきなしたね。”なんていわれてしまうと気にしてしまうものです。その塩分ですが成長期には1日1?あたり約4.3?程度(体重10?ならば43?)が適正な量とされています。?n 塩分の過剰摂取の原因、これはヒトがちょっと与えてしまうものにあります。例えばクッキーでは100gで375?、パンでは100gで786?、ソーセージでは100gで2477?と思っている以上に塩分は含まれているのです。フード選びをしっかりしていても、ちょっとしたおやつ(間食)が大量の塩分摂取につながります。気をつけましょうね!?n
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レントゲン撮影のこと
異物を飲んでしまったり、骨折部位の状態を確かめたり、交配し何頭赤ちゃんがいるか確かめたりと、獣医医療にはレントゲン検査は切っても切れない関係にあります。レントゲン写真(以下写真)の出来次第では診察結果に大きな差が生まれてしまいます。写真を撮る際には体の厚みによって照射するレントゲン量が変化しますし、保定の仕方によっては見たい部分が充分に写し出されないこともあります。特に骨格系の診断では、撮影時の条件と保定の両方が揃っていないと診断が確定しないこともあります。?n さて飼い主さんが気になるところは、レントゲン?放射線?体への害ということではないでしょうか?確かにレントゲンは放射線ですが、問題はその照射量にあります。一般的に写真を1〜2枚撮る程度ではまず体に及ぼす害はありません。実際に体に害になるほどレントゲンを撮るということになると1度に何千枚という量でもとらない限り害にはなりません。お産の際に何匹いるかを確認するのに心配される飼い主さんもいらっしゃいますが、どうか心配しないで診察を受けて下さいね。
偽妊娠≠想像妊娠
私たち獣医師も、偽妊娠と想像妊娠は同じような意味合いの言葉として用いてしまうのですが、体の中で起こっているホルモンの流れから言うとこの2つの言葉は決してイコールな言葉ではないのです。偽妊娠とは、一般的には交尾は行われたが妊娠はしなかった際に用いられ、乳腺の発達はみられますが子育て行動のような生理的変化はみられません。これに対し想像妊娠とは、生理中のホルモンバランスの不均衡(プロラクチンというホルモンの増加)により体に妊娠兆候を現せ始め泌乳(お乳の分泌)や子育て行動が観察されるようになります。よく生理の後にお乳が分泌してしまうのは偽妊娠ではなく想像妊娠なのです。?n 似ているような言葉でも、体の仕組みの面から追っていくと意味が違うことがあります。間違った言葉で患者さんに誤解がないよう気をつけねばなりませんね。
犬と猫の痛み
痛みとは、国際疼痛研究学会によると“組織の実質的あるいは潜在的傷害に基づいて起こる不快な感覚・情動的経験”定義されているそうです。飼い主さんから“犬と猫は痛みを感じているのでしょうか?”という質問をされることが多いのですが、私は“Yes”とお答えしています。というのも解剖学的・生理学的にもほとんどそのメカニズムが似ており、痛みに対しての薬物治療に反応を示し症状が改善することから見れば、人と比較すれば痛みの感じ方に差はあるものの犬猫も痛みを感じていると言って良いのではないでしょうか??n “痛みを感じていることをどこで見分けるか?”これがなかなか難しいことなのですが、自宅での行動の変化(運動量・食欲・セルフグルーミング)はその一つとしてとらえても良いかと思います。診察の際、それがヒントになることもあります。ほんのちょっとした変化を見逃さないでくださいね。
どうして効くのか・・・
何週間か前の“トリビアの泉”という番組で、_麻酔はどうして効くのかまだそのメカニズムの全ては解明されていない。`という内容の話をやっていました。その中で有名大学の教授のコメントにびっくりしたのですが、_どうして効くのか判らないことは現在の医学界でも常識なんです。わからないものだからこそ危険がないように麻酔医がいるんです。`とのことでした。確かに自分が持っている麻酔学の本をひっくり返してみると、麻酔がどのような作用や代謝・排泄がされることはたくさん書きつづられてはいましたが、麻酔薬がどのような機序でどこに働きかけることで麻酔が効いてくることは見つけることができませんでした。?n [もっと読む…] about どうして効くのか・・・
あしたは・・・
申し訳ありませんが、友人の結婚式のため休診とさせて頂きます。ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします。なお、日曜日は通常通り診療しております。朝晩の冷え込みが厳しくなってきました。ペットをおもてで飼われている飼い主の皆様、ちょっとした変化を見逃さないであげてくださいね>
ストレスのない整形外科のために
“整形外科を本気でやろうとするならば、その道具を揃えるだけでも国産高級車数台分のお金がかかる!”これは横浜に勤務している間、何度も永岡勝好先生から聞いた言葉です。実際、宇都宮に戻ってきてから少しずつ整形外科の道具を買いそろえてきましたが、その道具1本1本の値段に一喜一憂したものでした。けれども、整形外科ほど間に合わせの効かない仕事(上手な先生は別ですが・・・)はないかと思います。良い道具と材料を以て患者さんに負担を少なく、ストレスなく仕事を行えるよう今年最後(?)の大きな買い物をしました。?n colibri(左写真)というコードレスの電動ドライバーなのですが、1台3役の優れものです。骨折時のピンニング、プレート装着時の穴あけ、大腿骨頭切除時の骨切り、どれもスムーズにこなすことができます。少しずつではありますが整形外科の症例が増えてきた今日この頃、これからcolibriを使用する機会が楽しみです。
MRIはありますか?
より高度な医療を求める患者さんの気持ちとはすごいものです。本日、電話で“そちらの病院ではMRIはありますか?”というお問い合わせがありました。その方がどうしてMRIが必要なのかまでは伺えませんでしたが、かわいいペットのためになんとか近場でないものかとおそらくタウンページを捲られていたのでしょう。?n MRIはレントゲン以上に病変部を明らかにしてくれるすばらしい器械だと思います。けれども設置工事からMRI本体、そしてランニングコストの全てを計算してみると、正直個人経営の動物病院ではとうてい維持できる代物ではありません。東京近郊では設置されている病院もあるかも知れませんが、私の知る限り大学病院クラスではないと設置はされていないかと思います。検査が必要とされるなら、おかかりの病院で紹介してもらうことが良いかと思いますよ。
痛みからの解放
大型犬種によくみられる股関節形成不全や離断性骨軟骨症、小型犬種ではレッグペルテス病や膝蓋骨脱臼などブームになる犬種(全てにではないが!)には何らかの遺伝疾患を抱えています。特に痛みに関しては本人がどの位痛みを感じているのかはわかりませんが、飼い主としては見ているのが辛いことだと思います。痛み止めというと、アスピリンに始まり非ステロイド系のエトドラク・カルプロフェンと様々な薬が発売されてきましたが、さらに新しいものが最近発売されました。?n ズブリン(テポキサリン製剤)という製品なのですが、今までの薬と違い口の中に入れるとすぐに溶けてしまう(口内崩壊錠)もので、お薬を投与する側もされる側もストレスなく与えることができます。とかく薬というと抵抗がありますがこれはなかなか画期的なものなのではないでしょうか?痛み止めとしての効果もどの位のものか楽しみです。
何種をうてば良いのだろう?
予防医療も日々進歩しています。犬猫の病気でまず予防というとワクチンが挙げられますが、飼い主の皆さんは今年病院で何種ワクチンをうってもらったかすぐ答えることができますか?自分が横浜で獣医師として働き始めたころは猫のワクチンといえばは3種というのがほとんどでした。ところが最近では5種というワクチンが発売されているようです。?n [もっと読む…] about 何種をうてば良いのだろう?