病気になると、“どうしてこんなに急に!”と思われる飼い主さんが多いようですが、決して急ではないのです。ほとんどの場合、病気が病院で発見されるのは大分症状として進行してからなんです。特にこれからの時期見逃しがちなのは“咳”ではないでしょうか。8歳を過ぎた犬猫が咳をしだしたとしたら心臓を患い始めた可能性があります。特に小型犬種では心臓病の中でも“僧帽弁閉鎖不全”という状態に進行していることがあります。このような状態で咳をし続けていては肺炎〜肺水腫、そして重篤な場合は命に関わる場合があります。寒くなってきました。今している咳が命に関わることもあります。この時期の咳は早めに病院で診察を受けてくださいね。
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やっと涼しくなりました!
夏は嫌いではないのですが、冬に生まれた自分にとっては今年の異常なまでの暑さはきついものがありました。涼しくなって喜んでいるのは人間ばかりでなく犬や猫も同じかと思いますが、ここにきて夏の疲れなのか体調をこわして病院にいらっしゃる飼い主さんがいらっしゃいます。どうやら少しずつではありますが風邪が流行りつつあるようです。人間が体調をこわすくらいですから、8歳を越えた犬猫でもおなじことが言えると思います。去年までは平気だったこともこの夏の異常な暑さで、飼い主さんが思われている以上に体力を消耗していることもあります。ある地方では大雨のせいで水害がありましたがこのような年には疫病が流行ることもあります。これから冬にむけて万全の体調管理で過ごしたいものです。
アナフィラキシー
本日のニュースでも取り上げられていたのですが、“ハムスターに咬まれてショック死”という記事がありました。運ばれた病院の先生によるとハムスターの唾液が傷口から体内に侵入したことが原因でないかとのこと。飼い主さんとしても診察する側の獣医師としてもちょっと怖い内容でしたが、さてこのアナフィラキシーとはなんのことなのでしょう。?n 体には細菌や違った動物の血液や蛋白質などの抗原の侵入から体を守るために抗体という物質が作られます。この抗体によって抗原は無毒化(これを抗原抗体反応といいます)されるのですが、再び抗原が体内にはいることで体は特異な反応を起こします。この反応のことを一般的にアレルギーというのですが、激しいアレルギーのため呼吸困難や血圧の低下を起こしてしまう、これがアナフィラキシーショックというものなのです。今回の事故もただ咬まれたから起こったわけではありません。決して咬まれたからといってパニックにはならないでくださいね。
おしっこがポタポタ・・・
ここのところ頻尿気味だったシーズーのナナちゃん。尿検査では膀胱炎の所見がみられたので、抗生物質と消炎剤、尿が出やすくする漢方薬を処方してみたのですが1週間後の検診で症状の改善があまり診られないので“まさか?”と思いレントゲン検査をしてみるとありました結石が!しかも小さいものが多数。これでは膀胱炎も良くならないし、尿が出にくいのも当たり前でした。早速、明日開腹手術にて結石を取り出す予定です。?n 獣医医療はどうしても治療が後手に回りがちですが、今回は私があまりつっこんだ診察(今回はレントゲン撮影)をしなかったために1週間ナナちゃんに辛い思いをさせてしまいました。検査というものはあまりやりすぎると患者さんに大きな負担をかけてしまいますが、やはり疑わしい場合にはご理解してもらった上でしっかり精査すべきですね。自戒
1日13頭!
動物愛護週間です。そんなことを思いながら本日の地元紙記事にこの記事を見かけました。“1日13頭”皆さんは何かおわかりになりますか?この数字、私の地元の動物保護施設で行く先のないイヌが処分されている数字なのです。保護されたイヌのほとんどがすでに放置されていたり、引っ越しする関係で施設に預けられたもののようです。ペットを飼う時には楽しいことばかりが目に浮かびますが、思った以上に大きくなり世話が出来なくなったり、引っ越し先の住居条件で飼うことが出来ないとから今まで時間をともにしてきたペットを放置していくというのはあまりにも身勝手過ぎはしないだろうか??n 動物愛護週間にはそれぞれの地方で何らかの催しがあるかと思います。けれどもそんな影で飼い主さんに見放され処分されている犬猫がいることを忘れないでください。そして新たにペットを飼ってみようかと思っている方、最後まで本当に面倒をみることができるかよく考えてくださいね。
相性の悪い病気
どんな病気でもかからないで済むならばそれが一番良いことなのです。1つの病気でも患えば憂鬱なのですが、同時に2つの病気それも片方の病気を治療するために必要な薬がもう一方の病気を悪化させてしまう可能性がある病気だったら?飼い主さんも困惑してしまうでしょうが私たち獣医師も頭を抱えてしまいます。このような場合は命に関わる方の病気の治療を優先すべきなのでしょうが、もう一方の病気の苦しみもとても耐え難いものだとしたら・・・。?n 獣医師としての決断が必ずしも飼い主さんにとって喜びや満足を与えているとは限らないと思います。“この子がどうしてもらいたいか?”それが解るのは飼い主さんですよ!皆さん後悔の無い選択をしてあげてください。
何でも聞ける病院を目指して
当院は列をなすような病院ではないので患者さんをお待たせするようなことはなく、次に患者さんがお待ちでないときは患者さんと病気の話を含めいろいろなお話しが出来ます。患者さんがたくさんいらっしゃっていただければ商売上は非常にうれしいことなのですが、飼い主さんとのコミュニケーションはどうかというとおろそかになってしまうことは避けられないでしょう。このホームページでもいらっしゃる患者さんでも納得していただけるようにお話しをし、疑問があれば何度でも聞いていただけるような雰囲気作りをしているつもりです。?n 良く患者さんから耳にすることは“こんなこと聞いて良いのだろうか?”ということです。口が聞くことのできない可愛いペットのことですし、高い料金を払って頂いているのです、個人的には私たち獣医側には充分に説明する義務があると思っています。どんどん聞いてください。そして納得してください。そこからお互いの関係が成立してゆくのではないかと思っていますから。
今、飲んでいる薬
病気がなかなか治らなかったり、先生の治療法に疑問を感じたりすることで病院を変えられる飼い主さんもいらっしゃるかと思います。その時に一番問題となるのがこれまでの病歴と現在飲んでいるお薬に関してではないでしょうか?しっかり説明を受けていたにしてもとっさにどんな薬を飲んでいたかと言われると答えられないことが多いでしょう。そんな時は今飲んでいる薬をそのまま持ってきていただければある程度調べることが可能です。?n どうして今日はこのようなことをEntryしたかというと、ご存じかとは思いますが薬には飲み合わせというものがあります。この飲み合わせを間違えると取り返しのつかないことが起きることもあるからです。さらには症状が同じだからといって、以前処方してもらってまだ残っている薬を飲ませてしまうと言ったことも非常に危険です。飼い主さん側からこの薬は何ですか?と聞かれて教えてくれない先生はいないと思います。あなたの大切なペットが飲む薬です。できるだけ把握しておくのが良いでしょう。
検査するのが可愛そう・・・
たまに飼い主さんから耳にする言葉なのですが、検査をするための採血や診断をより正確にするための麻酔について提案した際に“痛そうだし、可愛そうだからやめておきます。”ということを言われることがあります。ちょっとこちらとしては参ってしまうこともあるのですが、無理強いは出来ないのでとりあえずの処置をとらせてもらいます。けれどもこの時点で病気がはっきりするのと、病気が進んでしまってから処置をするのとではどちらの方がよいでしょう??n 私たちがしきりに検査を進めると、飼い主さんは“お金儲けのため?”と思われる方もいるでしょう。けれども検査を勧めるにはそれなりの訳があってのことなんです。確かに採血したりするのには少々の痛みが伴います。けれどもこの検査により少しでも病気の早期発見や確定診断を見いだすことができれば決して可愛そうなことではないと思うのですが、飼い主の皆さんはどのように思われますか?
ダックスの腰!
急な腰抜けで治療していたミニチュアダックスの腰のレントゲン写真です。単純なレントゲン撮影では2番目と3番目の腰椎の椎間板に石灰化が診られていることは確認できていたのですが、果たしてこの部分が原因で腰抜けになってしまったのかどうか確認するため造影を行ってみました。やはり石灰化した部分が脊髄神経を圧迫していたようで、飼い主さんの了解も得られていたのでそのまま脊髄の減圧手術をさせていただきました。術後の経過はどうなっていくかわかりませんが、圧迫をとることで少しでも楽になってくれれば手術をした者としてもうれしい限りです。?n とは言っても、永岡勝好先生曰く“手術は2〜3割、あとの残りは術後の管理とリハビリにある!”明日からさらに頑張って、良い結果が得られるよう治療していこう。