口の利けない犬猫に対しての治療を行う私たちは、飼い主さんに病気のことを良く理解してもらった上で診断に必要な検査、治療を進めていかねばなりません。本人から症状を聞くことができるわけではありませんから常に完璧な治療が出来ているかというとそうとも言えないときもあるでしょう。このようなことを言ってしまうと飼い主さんとしては不安に思われるでしょう。命を預けていただくということは非常に大きな重圧として私たちにのしかかってきます。この仕事に関わっている以上これは当然のことなのですが、過去に何度も経験した症状と同じものでも治療に対しての反応が思わしくなかったりすると“本当にこの方法で良かったのだろうか?”と参考書をひっくり返し、さらには諸先輩方に意見してもらうこともあります。そうしながら私たちは限りなくパーフェクトに近い医療を提供できるように努力していかなければならないと思っています。?n 私たち獣医は限りなく完璧に近い診断、そして飼い主さんと同じ目線にたった治療を進められるよう頑張っていきたいものです。
normal
心雑音
ある程度高齢の犬猫だと先生から“少々心臓の音に雑音がありますね。”といわれることがあると思います。特に症状はないけれど“心臓が悪い!”といわれると頭が真っ白になってしまう飼い主さんも少なくないと思います。私たちの立場から言わせていただくと、現在これといった症状がなくても聴診時に雑音が認められれば飼い主さんにその事実をお伝えしなければなりません。それがどの程度のものかはレントゲン検査や心電図検査、さらにはエコー検査と進んでいくことではっきりしたことがお伝えできるようになります。?n 心臓病というとどうしても薬をいつ始めるか?ということが気になりますが、症状の有無、犬種や年齢によって多少異なりますが“心雑音があるよ!”といわれたならばなるべく早くお薬の投与を始めた方がよいでしょう。心臓の薬もどんどん良いものが出来ています。命ある限り毎日動き続けている心臓、早めにいたわってあげましょう。
いつまで続くこの暑さ!
飼い主の皆さんは夏バテはいかがでしょうか?私は熱帯夜も続き少々寝不足気味ですが、食欲はなんとか維持することができているでなんとかバテないで頑張らせてもらっています。さてこの暑さのせいで犬猫も水分を摂りすぎ、下痢や嘔吐が増えているといったEntryをしたかと思いますが、それに次いで皮膚のトラブル(耳も含む)も多いようです。この暑さと湿度の関係で皮膚に常在している最近のバランスに支障を来すのか、急性の湿疹や炎症を起こして来院される方が多いようです。?n 大きなワンちゃんでは河原で水浴びをさせる機会も多いかと思います。河原の水は決してきれいなものばかりではありません。自宅に帰られたらもう一度きれいな水で体を洗ってあげてくださいね。
健康診断適齢期
人間ドックというものがあります。血液検査はもとよりCTやMRI、内視鏡検査など身体の隅々を事細かに検査してくれます。当院でもそこまでは出来ませんがペットドックを行っています。血液検査や尿検査、レントゲン検査から必要があればエコー検査と必要に応じて検査をしていくのですが、その年齢は何歳くらいからが良いのでしょうか??n ヒトと生物学的速度の違う犬猫では、6〜7歳を過ぎたら1年に1回は健康診断を受けた方がよいでしょう。6歳といえばヒトでいうところの40歳、一番脂ののっているときではないでしょうか!けれども以外と病気が発見されやすいのもこのくらいの年齢の時なんです。犬猫の病気が発見されるときというのは、ほとんどのケースで病状がある程度進行しています。生活習慣や犬種によって異なってきますが、6〜7歳を過ぎたら1度ペットドックを受けてみることをお勧めします。
些細なことでも
初めて犬猫を飼い始めた方はもとより、ずっと犬猫を飼われている方でも今まで経験したことのないものでは“どうしたら良いのだろう?”と頭を抱えてしまうことがあるかと思います。そんな時は素直に先生に聞いちゃってください。よく“こんな事を聞いたら怒られるかなぁ?”とか“笑われちゃうかもしれない!”といった理由でなかなか聞き出せない方もいるようです。けれどもそんな些細なことが病気の早期発見・治療につながるのです。決して病院の先生は笑ったり、馬鹿にしたりはしません。恥ずかしがらずにどんなことでも聞いてみてくださいね!(まあ、病院を選ぶ基準として値段を聞きまくるようなことはやめて頂きたいものですが・・・)
偽妊娠!!
“なんか生理が終わったのにお乳が張っているんですけど!”という飼い主さんからの電話、診察させていただくとこれが偽妊娠でした。“そんなことあるんですか?”と飼い主さんは不思議そうでしたが比較的多く見られるんです。これは妊娠したときと同じような血液中のホルモン状態が起こることで、さも妊娠したかのような行動や反応がでてしまうのです。偽妊娠は通常2殻週間で症状が治まるため、特に治療することはありません。けれどもお乳が張ることで乳が分泌します。このとき乳腺細胞に炎症を起こすことで乳腺炎になってしまうことがあります。通常乳は白色ですが、黄色〜赤っぽい色のものがでてきていたら要注意です。すぐに病院での診察を受けましょう。
8月中はよろしく!
今日から期間は未定なのですが、アイリッシュセッターをお預かりすることになりました。飼い主さんが検査入院しなければならないのでこの子の運動が出来ないということ。健康体での入院です。けれどもこのワンちゃん以前に骨折で約1カ月入院していた子なんです。そのことを覚えていたのか犬舎の中でおとなしくしていてくれてます。さすがにアイリッシュセッター、朝晩の散歩ではしっかり歩いてくれるので私の運動不足も解消されそうです。明日もいつもより早起きして体力づくりが出来そうです。
時の流れは・・・
なんとも早いもので、blog形式のhomepageを始めて明日で1年が経ちます。comment欄以外でも皆さんに様々なご意見や相談を頂きました。獣医というのは全科診療であるために広く浅くになりがちですが、何か1つでも得意分野を突き詰めることで飼い主の皆様により良い技術を提供できるようになれればと思っております。また技術ばかりではなく人格的にも成長しなければ患者さんもついてきてはくれませんよね。まだまだ駆け出しの32歳、人格面でもさらに磨きがかけられるよう頑張っていこうと思っております。?n これからも皆様のご意見やご相談にさらにお答えできるよう頑張りますのでよろしくお願いします。
暑い時間帯
異常な暑さが続きますが、ここまで暑いと用心されてる方が多いようで熱中症や熱射病のような症状で病院に来られる患者さんは少ないようです。一般的に暑い時間帯というと、日差しが強いときでは午前10時くらいから午後4時くらいでしょうか?この時間帯、散歩はもちろんのこと車での移動も避けておいた方が賢明だと思います。いくらクーラーをかけた車内とはいえ、ただでさえあまり車に乗ることが好きではないペットでは調子を悪くしてしまうことは充分あり得ます。最近では聞かなくなった話ですが、車の中に置いたままどこかに行ってしまうことなどもってのほかでしょう。散歩もまず自分の手足でアスファルトの道路の温度を確認してみましょう。靴を履いていないペットの目線になって行動したいものですね!
のどもと過ぎても
病気になった当初は二度とこんなようにならないようにと気をつけるものです。もちろんこれが自分自身のことであればなおのことでしょう。しかしペットのことになるとなかなかうまくいかない方もいるのでしょうか。例えばこの時期水分を多くとりすぎ嘔吐や下痢を起こす子は少なくないと思います。病院で薬をもらって食事の指導を受けても、ウルウルした瞳で見つめられて根負けしておやつを与えてしまい症状をひどくしてしまったり、手術後にカラーをつけていなければいけないのにほんのちょっとだからと思い傷を舐めこわしてしまったり。?n 一番辛い思いをするのは飼い主さんではなく当のペットだと思います。大事なペットのことです。自分のこと以上にのどもと過ぎても決して忘れないであげてください。