“何でコメントに対してレスが着いていないの?”とのコメントを頂きました。例えば、獣医学的に診断や治療が確立しているものに関しては公なコメントのレスとしてお返しすることができますが、内容的にも深刻かつ患者さん個人の現在における診断に対しての意見や私の見解はコメントのレスとしてではなく個人メールのアドレスにお返ししております。もちろんなるべく早めにはご返答できるようにはしておりますが時間がかかってしまうこともあります。?n あくまで私個人の判断でコメントとしてレスするべきか、メールにてお返しするかを決めさせていただいております。決してご返答していないわけではありませんのでご了承ください。
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眼軟膏を入れましょう!
昨日シャンプーのことに少し触れましたが、ご自宅でシャンプーされる飼い主さん“眼軟膏”はご存じですよね。病院でもらう目薬というと治療にのみ使うといったイメージがあるかと思われますが、この眼軟膏は治療にはもちろんシャンプー後に起こりうる目の異常を予防することができます。なかなか注意していてもシャンプーが目に入ってしまうことは避けられません。ショボつく眼を何とかしようとひたすら前足や地面にこすりつけることで角膜を傷つけてしまいさらに眼の状態を悪くしてしまいます。?n そこでこの“眼軟膏”を付けることで、眼に油性の幕を張ることができシャンプーが直接眼を刺激することを和らげてくれます。ご存じだった飼い主さんもそうでなかった方もシャンプーする時には眼軟膏を入れてあげましょう!
7月になると。
ヒトの病院でも皮膚病の外来が増えるといいます。同じように犬猫でも新たに皮膚病になってしまったり、現在煩っている皮膚病がさらに悪くなったりと皮膚にとって厳しいシーズンなんですね。どうしても湿度が高いことで細菌が繁殖しやすかったり、ノミやダニの活動が盛んになることで何かと皮膚のトラブルが発生しやすい環境が整ってしまうんです。少しでも皮膚病を避けるためにもいくら暑くてもシャンプーしたらしっかり流して、しっかり乾かすことは大切でしょう。シャンプーがすすぎきらなかったり、乾ききらない状態では皮膚に対して刺激となりそのため掻いたり咬んだりすることで炎症を助長することになります。それとノミダニ対策はしっかりしておきましょう。なんやかんや言っても夏場の皮膚トラブルで1番多いのはこれですから!
広い視野を持って!
毎日の診療で私たち獣医師は“この状態に関してはこのような治療方針で!”といったものがあります。これはあくまで基本的なアウトラインであって全てがこのアウトライン上で治まる病気ばかりではありません。また専門によっても内科的にアプローチする先生もいれば、即外科的な方向に持っていく先生もいます。どういったアプローチを取っていくのが1番という方法はありませんが、これだと思って夢中になってしまうとどんどん泥沼にはまってしまい視野が狭くなってしまっていることがあります。?n こんな時、以外と飼い主さんからの一言が狭い視野から私たちを解放し、違った角度から病気を見させてくれることがあります。最近は飼い主さんも非常に勉強されている方が多く感心することがあります。ですから飼い主さんも病院では先生の言われるがままではなく、臆せず発言した方が良いのではないでしょうか?もしかしたら今おかかりの先生も先入観という泥沼にはまっているのかもしれませんから!
こう暑くなると・・・
梅雨の中休みということで日差しの強い暑い日が続いています。暑いところで運動すれば水も欲しくなるのは当然のこと、いつも以上に水を飲むことが多くなると思います。そうすると何が起きるか?もう何度か経験されている飼い主さんもいらっしゃると思いますが食欲不振、場合によっては嘔吐が起きることがあります。ヒトでも暑くなると水分摂取量が多くなることで胃液が薄まり食欲不振や消化能力の低下が落ちますよね。それと同じことが犬猫の体の中でも起きているのです。?n 気をつけていただきたいのは暑さのせいなのか、本当に体調が悪いのかということです。飼い主さんもこの状態になれてしまい食餌を摂らないことに対して鈍感にならないようにしてくださいね!
天気のくずれと共に様子が・・・
?n 水頭症とはちょっと異なるものなのですが同じような神経症状(行動異常・運動失調・発作etc.)を発症するものが後頭骨形成不全症です。水頭症とは異なり泉門(頭の中心部の骨のつなぎ目の部分)はしっかり閉じているのですが、頭から脊椎への神経の出口である後頭骨が正常なものでは楕円形なのに対し、形成不全症ではひょうたんのような形のまま成長が止まってしまうことで微妙な気圧差によって脳に対しての圧変化をもたらし神経症状が誘発されてしまうようです。?n これからの時期、雷や台風、急な低気圧の接近、花火大会による大きな音などでも症状が誘発されてしまうことが多いのですが、脳圧を安定させる薬を飲むことで症状はだいぶ変わってきます。先天性疾患に分類される病気ですが決して悲観しないでください。上手に病気をコントロールすることで症状を改善することができますから!(現在ソフトの不具合により写真を掲載することができません。直り次第写真を掲載いたします。)
何のために飼い始めたの?
テレビのCMの関係でチワワが大変な人気です。その前にはミニチュアダックスフンド、さらに前にはゴールデン・レトリーバーと人気を呼ぶ犬種があるものです。それらの人気に踊らされてしまったのかどうかは解りませんが流行りの犬種を買い求められる方は多いと思います。ここでよく考えていただきたいのは流行りとはいえ“モノ”ではなく1つの“命”であるということ、さらには飼い始めれば食費、病気になればそれなりの医療費がかかるということです。最近は飼ったら飼いっぱなしという飼い主さんは見かけなくなりましたが、それに近い方も少なからず見かけることがあります。?n もしペットに癒しを求めるのであればそのペットが健やかに生活できてこそ我々が癒されるのであって、何もしてあげなければペットも病んでいきます。流行りや見栄、自己満足ために1つの命を粗末にしないであげてください。ペットは飼い主を選べないのですから。
脊椎の手術
昨日の晩、猫の脊椎手術に参加することができました。交通事故のため椎体(背骨の1個)が完全にずれてしまっているもので、病院に運ばれてきた段階ですでに脚やしっぽの感覚はなくなっていたのですがわずかな可能性に懸けての手術でしたが貴重な経験をすることができました。手術に誘ってくれた先生は脊椎の手術では有名な奈良県の中山正成先生の病院で勤務されていた先生で丁寧に説明してもらいながら手術を進めることができました。?n どんな症例(あるいは手術)でもいかにそれに携わっていたかということで、取り組み方も段取りも変わってきます。やはり経験にまさるものはないものですね。
開業までの道のり
昨日は休みを利用して大学からの友達に会ってきました。彼は動物病院を開院するために役所で書類を揃え、テナントのオーナーさんと交渉し、改装を請け負ってくれる設計事務所と工事の打ち合わせをし、医療器材業者さんと揃えるべき機器の交渉をしながら動物病院でアルバイトをしている。どんな世界でもそうなのであろうが華々しいオープンの陰には金銭的にも肉体的にも精神的にも大変な苦労があります。自分も3年前には彼ほどは苦労していませんが大変な時期がありました。患者さんにとってこのようなEntryはそんなに興味はないかもしれませんが、患者さんが求める病院のレベルにまで機材や設備を整えるのは非常に大変なことなんです。辛い時期を共に過ごした彼には是非とも成功してもらいたいものです。
紹介する勇気
人の病院だと“内視鏡検査は年間50症例”とか“心臓カテーテルによる手術は年間150症例”などどれだけ病院として症例をこなしているかということが明示されています。これによってもし自分が心臓病になったらこの病院にかかろう!という病院選びの情報が豊富になることは望ましいことです。けれども獣医さん選びはというと1番目の理由に“近所だから。”ついで“診療費が安いから”と続くようです。通常の健康診断やワクチン接種、フィラリア予防位ならばこれでよいのでしょうが、もし大手術が必要な病気になったときこれらの理由は当てはめることが難しいでしょう。各々の病院がこのような情報を明示することは難しいですが、自分の腕でまかなえるか否かということははっきり伝えるべきだと思います。大学を卒業して研修期間を何年間か行ったにしても出合ったことのない症例はあるはずです。難しい病気に対して努力していく姿勢は大切ですが、素直に経験者に助言を求めたり協力してもらうといった姿勢も私たち獣医師には必要だと思います。皆さんはどう思われます?