病気の診断がつき入院しなくても治療が可能な場合、ほとんどの病院がお薬を処方します。下痢ならば下痢止め、肝臓の機能に問題があれば肝機能代謝賦活薬、心臓の機能に問題があれば心機能改善薬と、症状に見合ったものを処方します。症状によっては一時期だけ飲めばよいものから、症状を発症した時点から一生飲まなければならないものもあります。それは良く飼い主さんに理解していただけるようお話ししなければならないことでしょう。?n [もっと読む…] about 薬の処方
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お産に対しての心得
一昔前までは、“犬のお産は安産”と思われていました。ですから犬の帝王切開なんていうと驚かれる方がいるくらいですが、これだけ犬の種類が増えると安産できる犬種ばかりではないのです。さらには小さい雌犬に大きな雄犬を交配させれば大きな胎児に育つ可能性は充分あり、今まで自然分娩できた子でも難産になってしまうかも知れません。?n そこで飼い主さんに知っておいて欲しいことを伝えたいと思います。まず交配してしまった可能性があったら、交配後35日過ぎに動物病院で超音波の検査をしてみてください。もし新しい命を授かっていたのなら次はレントゲンです。交配後45日を過ぎるとレントゲンはお腹の中に何匹入っているのか?自然に産めるのか?ということがわかります。帝王切開の可能性があったなら、おかかりの獣医さんと連絡を密に取れるようにしておきましょう。お産を焦らず迎えるコツですよ!
老化の裏に潜むもの
手術をするとき、ほとんどの先生が術前検査と言うことで検査をされると思います。飼い主さんからすると“ほんとに必要なの?”とか“手術だけで良いのに!”と思われているかも知れません。健康体で血液検査で異常が無くても麻酔をかけるということは心臓の動きをゆっくりさせるということです。そうすると体内臓器への血液の循環量にも影響が出ます。特に腎臓の機能は循環血液量に大きく左右されます。術前に異常が無くても術後には異常を示していることも珍しいことではありません。これが老齢の動物では起きやすい状態になっているので、手術を含んだ麻酔下の処置ではいつこのような状態が起ってもおかしくないのです。元気で問題が無さそうに見えても、予備能ぎりぎりで生活しているという可能性をふまえて麻酔などはかけなければいけないのです。どうか検査にご理解を!
名機の復活!
かねてから“早く使えるようにしなければ”と思っていた人工呼吸器に麻酔回路をセットアップすることができました。私が永岡犬猫病院(現・みなとよこはま動物病院)を辞めるときに永岡勝好先生から頂いた‘bird MARK10’でしたが、忙しかったり、必要に迫られなかったりということで手術室の片隅で眠っていたのですが、この度、地元の業者さんの協力により再び人工呼吸器付き麻酔機として使用できるようになりました。これで呼吸が停止した場合にも安心して手術を進行することができます。これで可能な手術の幅も広げることができます。さあ、さらに頑張らねば!
久しぶりに・・・
先週、避妊手術をしたアメショーの飼い主さんが“耳の中から黒いものが出てくるんです。”とのことで耳をめくってみると確かに真っ黒。綿棒でちょっとすくってみて顕微鏡で見てみるとそこにはもぞもぞうごめく物体が・・・。猫を飼われている方ならばご存じと思いますが“耳ヒゼンダニ”で、そのため外耳炎を起こしはじめていたのでした。同居している猫にも同じような状態でしたので一緒に治療開始することに。飼い主さんにも顕微鏡を覗いてもらったのですが、もぞもぞ動いているダニを見るのは本当に久しぶりでした。猫の外耳炎のほぼ50%はダニが関係していると言われています。早く良くなるようがんばっていきましょうね!
ちょっと一言言わせて!
病気とか治療とか全く獣医療とは関係の無い話なのですが、あまりのマナーの悪さに思わず自分のホームページを使わせていただきます。(ほんとは良くないことなのですが・・・)当院は八幡山公園入り口にあり、この時期は公園の桜が見頃となりお花見の方がたくさんいらっしゃいます。お花見で飲み食いすればもちろんゴミが出ます。公園側としてはゴミは持ち帰ってもらうようにしているようなのですが、どうしても持ち帰えるのが面倒なのでしょう。そのゴミを近所の町内のゴミステーションに放置していくのです。(それも無分別状態で!)当院のすぐ横にもゴミステーションがあるのですが、たままま捨てた人を見かけたので“捨てないでください!”と注意すると“何が悪い”と逆切れされる始末。去年はこんなことはなかったのに今年はどうしてこんなにマナーが悪いのだろう。悲しいというか虚しい限りです。?n※いつもご覧いていただいている方々、個人的なEntryで申し訳ありません。
獣医と飼い主の役割
飼い主の皆さんにとって獣医さんってどんな役割をしていますか?“ペットの健康管理をしてくれる”とか“病気を治してくれる”など人それぞれ異なってきますよね。けれども本当に病気に付き合って、治すことができるのは飼い主さんだと思います。これは決して飼い主さんに責任を転嫁しているのではありません。院内でのことは獣医の目は届きますが、退院してからの自宅での管理(例えば、お薬を飲ませたり、運動制限したり)はやはり飼い主さんがある程度、指示通りにして頂けなければ治癒にも時間がかかったりひどくしてしまう可能性があります。?n 私が思っている獣医としての役割は、少しでも早く速やかに治癒できるようなアドバイスしてあげることだと思っています。決して注射や薬だけが病気を治してくれるものばかりだとは思っていません。ほんとに病気を治すことができるのは、飼い主さんの情熱なんじゃないかな?なんて思っています。
血が止まらない!
何らかのケガをして出血することは仕方のないことです。ところがケガもしていないのに急に出血があったら・・・、ちょっと想像すると怖いことですよね。けれども犬猫の病気も多様化している今、決して他人事ではないかも知れません。健康な様態では出血が起こった場合、血小板の働きにより血液を固め止血しようとする働きが見られます。ところが遺伝的に問題があったり、免疫的な異常があったり、血液を生産している臓器に何らかの異常を来すことで血液が止まりにくく、ちょっとしたことで出血が見られたり、皮膚に紫斑(青あざ)が見られやすくなります。(犬種によっても遺伝的に血液の病気を持っている子がいます)ちょっとお腹あたりの皮膚を見てみてください。青あざなんてありませんよね!
百害あって一利なし
実はこれから、犬の“前十字靱帯断裂”の整復手術の依頼がったため出掛けることになっているのですが、別に競技をやっている犬ではなく、ただ太っている犬のようです。よくスポーツ選手が競技中に靱帯を損傷したという記事は見たことありますが、太ったヒトが靱帯を損傷したという話はあまり聞いたことがありませんよね!やはり動物と人では靱帯が切れるまでの過程が違うのでしょう。しかし、この膝を安定化させる靱帯のなかでもっとも大切な“前十字靱帯”を切ってしまう犬のほとんどが太っています。やはり可愛いだけで太らせてしまうといろいろな問題が年齢とともに起こってきます。何度もEntry中に書いていますが“太りすぎには要注意!”です。
治療法の選択
数学と一緒で答えは1つですが答えにたどり着く方法は何通りかの方法があります。治療も特定の病気を除いては何通りかの治療方法があります。けれどもその治療法は獣医側から示されなければ飼い主さんは獣医の言う通りにしなければなりませんよね。食餌などもおなじことで“この餌を食べなきゃだめです”と獣医さんに言われればペットを飼い始めるのが初めてな方では買っていってしまうでしょう。“〜〜しなければダメ!”とか“この方法しかないからすぐ〜〜しなければダメです!”といった言葉に飼い主さんは選択を迫られる場面があることと思います。そんな時こそ“何か他に方法はありませんか”と聞いてみてください。そこでイヤな顔をする先生だったら私個人的な意見としてはやめておいた方が良いかと思います。治療についての選択肢を獣医は提示することはできますが、最後に大事なペットのことを決断するのは飼い主さんなのですから。