ホントに要注意です!昨日お手伝いした手術も“碁石”をたくさん食べてしまったものでした。生後半年くらいから1歳になるまでの期間はこのような“誤飲”の事故が多く見られます。自分が過去に経験したのは軟式のテニスボールや茶筅、クマザサの葉などとても想像もつかないようなものを食べてしまうものなんです。吐かせることが可能な場合もあるのですが、数が多かったり、鋭利なものであったり、吐かせる過程で食道に詰まってしまう可能性がある場合には手術することになってしまいます。
この月齢のワンちゃんを一人にして出掛けるときには特にご注意ください。想像もつかないようなものをかじり始め細かくして飲み込んでしまう事があります。“うちの子は大丈夫だろう!”ということは通用しないことがあります。くれぐれも皆さんご注意を!
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今日は・・・
これから救急の手術が入ってしまったので、Entryはお休みさせていただきます。
いろいろなデータ
言葉が話せない犬猫の診療では、血液検査やレントゲンなどいろいろな検査を行います。これらのデータは自分たちに膨大な情報を与えてくれますが、その反面診断を迷わせる情報を与えてくる場合もあります。特に血液検査では、若いときに高い値で示すものもあればそうでないものもあります。また食前と食後では測定値が変動するものもあります。異常な値はなくても犬猫の様子がおかしいときには検査には反映されない何かが潜んでいると考えなければなりません。
検査の値というものははあくまでも診断のうちの1つの情報で、100%検査に依存してしまっては大きな誤診を招いてしまう可能性もあります。“獣医師は常に病気(測定値)の一部ではなく全体を見渡せなければいけないな!”と思った一日でした。
ネブライゼーション
写真はネブライゼーション(噴霧療法)を行っているところです。人の喘息治療に用いられているものと同じです。当院では猫カゼ(FVR)による呼吸器症状の改善や、心臓病による乾燥した咳の症状緩和を目的としてこの治療を行っています。写真中の猫は慢性鼻炎を患っている子なのですが、この治療により霧状になった薬が深いところまで到達しているのか症状の改善が認められてきています。犬猫の病気も本当に多様化しています。良いと思われる治療はどんどん取り入れていくべきですよね!
3ヶ月・・・
blog形式のホームページをはじめて今日で3ヶ月になりました。まだホームページをご覧になって来院される患者さんは多くありませんが、これからも飼い主の皆さんにいろいろな情報を提供できるようにがんばっていきます!また私事ですが“日経ネットナビ”という雑誌に掲載されました。是非ご覧になってみてください。
特有の病気
犬でも猫でもそうなのですがその種類に特に見られやすい病気というものがあります。ゴールデンならば股関節形成不全だったり、ヨーキーならば大腿骨頭壊死症だったり、アメリカンショートヘアーだったら伝染性腹膜炎だったりと何かしらの病気になりやすい体質をもっているようです。もちろん必ずこれらの病気が見られるわけではありませんが、飼い主の皆さんが知らないことは多いようです。
本屋さんに並ぶ“〜の飼い方・育て方”で病気のことに触れているものもありますが、ほとんどのものでは種別による病気のことは書かれていないためペットとして家に迎え、病院に掛かりはじめて病気のことを知らされた方も多いかと思います。病気はもちろん避けて通りたいことですが、“その種類はここに気をつけた方が良い”という情報はもっとあった方がいいのではないかと思いますが皆さんはいかがですか?
点滴のこと
飼い主さんからすると“点滴をうつと元気になる。”ような気がしますよね。もちろん熱があるときに点滴をうってあげると、熱冷ましのような作用をしてくれるので元気になることもあります。けれども点滴というのは口から食べ物も水も受け付けない場合や、心臓病の治療で強心剤の投与をするためだったり、交通事故による事故後のショック状態を緩和できるようにおこなうもので、すべての症例に行うものではありません。
実際に点滴に含まれている栄養分はホントにわずかなものであって、口から吸収する栄養分にはとうていおよびません。食べているにもかかわらず“点滴をしてほしい”という患者さんがいましたがやはり点滴に対しての誤解があったみたいです。点滴はあくまで点滴!日頃の食事には絶対かないません。点滴をうたなければいけないような病気にならないよう健康管理には気をつけましょうね。
気管虚脱
少々わかりにくいかもしれませんが、これが“気管虚脱”を起こしている犬のレントゲン写真です(つぶれてしまった気管を矢印で示しています)。さてどんな病気かというとつぶれてしまった気管のせいで“ガチョウのような鳴き声をしながら咳き込む”のが初期の症状で、病気がさらに進行してしまった場合は呼吸困難を起こして倒れてしまうこともあります。
けれどもこの病気は内科療法(飲み薬)によって症状の緩和あるいはコントロールすることができます。短頭種の小型犬では生まれつき気管が弱い子が多いので、もしかしたらこのような症状が見られるかもしれませんが、相当重症な気管虚脱でもない限り命に関わることはないのであせらずおかかりの病院に相談してみてくださいね。
治療のタイミング
先週の土曜日手術をした犬が今朝退院しました。結構大きくお腹を開いたにもかかわらず、およそ1週間でもと通りに元気な姿を飼い主さんと自分に見せてくれました。“あのまま内科治療で様子を見ていたらまだ退院できなかったかもしれない”と思ったとき、治療のタイミング(見極め)は大切だなと痛感しました。
基本的には獣医医療は“後手の治療”です。病院に入院したときからの治療は“ゼロ”からのスタートではなく“マイナス”からのスタートであることがほとんどです。獣医さんからの治療法の提案は一番良いであろうというものを提示していると思います。もちろんそれを選ぶか選ばないかは飼い主さんです。治療のタイミングを逃さないように獣医さんと相談しながら治療を進めていきましょう!
薬の飲ませ方
病院で薬を処方してもらうときに、“1日~回飲ませてください。”と言われると思うのですが皆さんはちゃんと守っていますか?薬の種類によっては効果が出なかったり出過ぎてしまったりと、様々な問題が生じてくることがあります。これはそれぞれの薬に有効な効果時間(あるいは半減期)というものがありその時間の関係によって1日に飲ませる回数が変わってくるのです。また、飲み薬は注射と比べると効き始めるまでに時間もかかります。これは食べ物と一緒に消化の過程で体の中に吸収されながら効き始めるからです。薬が効いてこないからと言って30分もしないうちにまた飲ませるようなことはしないでくださいね!