大学院に入学して早8ヶ月。1年目は授業に出て単位を取得することがメインですが、同時にどんな研究をすすめていくかということも考えねばならない期間でもあります。てっきり大学院というところは研究課題が与えられ、それを黙々とこなしデータをまとめ最終的に論文にするところだと思っていました。ところが、自分が所属する教授の最初の一言は【どんな研究がしたいですか?】というものでした。その問いかけに〖将来、小動物臨床の現場で役立てるもの〗としか答えることができなかった4〜5月でしたが、とりあえず予備研究ではありますが課題が何とか決まりました。内容については論文に関わるものなのでこちらでは公にはできませんが、もし自分が思っているような研究ができ論文にまとめることができたらと思うとなんだかわくわくしてきました。とは言ってもクリアしなければならない事もあるので当面は研究に結びつく予備実験で結果を出さねばなりません。臨床の現場とはまた違った方向で物事を見ていく大学院での研究。これから楽しくなりそうです。
組織検査の結果は・・・。
9月はなにかと手術がたて込んでいました。その中でも自分が宇都宮で仕事を始めた頃からの患者さんのコーギーのお話です。昨日までは元気だったのに、今朝は散歩にも行きたがらないし食欲もいまいちということで来院されました。お腹を触ってみるとどうも触られるのが嫌そうで、静かに触診をすすめていくと怪しげな固まりが。血液検査では異常値は認められなかったけれど、超音波検査では明らかに腫瘍らしきものが。飼い主さんの同意を得て即開腹手術をさせてもらいました。開けてみると・・・ここのところ見慣れた脾臓に大きな腫瘍が2つ確認されました。“また血管肉腫か・・・”嫌な思いが頭をよぎりましたが血管を速やかに処置し脾臓を全て摘出しました。飼い主さんには結果によっては最悪な場合の話もしながら、病理組織検査の結果を待ちました。結果は血腫。血腫とは出血した血液がひと塊となってたまった状態をいうのですが見た目は悪性の血管肉腫そっくりでした。悪性ではなかったという結果に自分も飼い主さんもほっと一安心。かと思えば、ここ数ヶ月大きさの変化もほとんどなかった皮膚のしこりを手術し検査したら、肥満細胞腫という悪性腫瘍で経過によっては再手術&抗ガン治療をしなければならない症例も控えています。しかし腫瘍やガンを患うペットがホントに増えました。遺伝なのか、交配の問題なのか、それとも食生活の問題なのか。腫瘍やガンの予防医療が進むことを願うばかりです。
またまた、久しぶりの・・・。
更新になってしまいました。以前の更新はいつのことやら状態ですが、ここのところ続いていた手術のお話をしようかと思います。ひとつは11才になるアメリカンコッカースパニエルの乳腺腫瘍全摘出術。必ずしも避妊手術をしていないからというわけではありませんが、腫瘍は左右の乳腺のいたるところにできていました。再発のことを考えると不妊手術も行うことが望ましいのですが、なるべく短時間に済ませたいことが前提でしたので飼い主さんと協議のうえ乳腺腫瘍の手術のみを行いました。一般的には片方ずつ乳腺腫瘍を取る方法もあるのですが、一度の手術で済ませたいという事もあり両側同時に摘出する方法で行いました。先日無事に抜糸を終え、皮膚も突っ張りすぎず邪魔な腫瘍もなくなりなかなか快適そうでした。もうひとつは13才になるチワワの会陰ヘルニア整復手術。高齢ということもありましたが、会陰ヘルニアは一般的には肛門を正面に見て右側に多く見られるのですが今回は左側。ということでどんな状況にも対応できるよう準備をして手術に挑みましたが思っていたより組織の状態が良く無事に終了。先日の抜糸時に経過を聞いてみると、立派なうんちがあまりいきまなくても出ているということでした。いくら上手に手術をしても、術後の管理が疎かになれば手術の成果はすぐに破綻してしまいます。会陰ヘルニアもその一つ。飼い主さんの食餌管理とうんちを柔らかくする薬の投与はしばらく続きます。飼い主さんには頑張っていただかなくてはなりません。さて、今月のメインイベントといってもいいくらいの手術だったコリーの不妊手術。『何だただの不妊手術じゃん』と思われるでしょうが、コリーは術前術後の麻酔管理が大変なのとお腹の中が脂肪だらけ(以前勤務していた病院のベテラン先生にもコリーは別の生き物だと思った方がいいといわれていた)。さらには年齢不詳ということもありだいぶ気を遣いました。正直、コリーのお腹はもう開けたくないというのが手術を終わってからの感想で本当に脂肪だらけでした。そのことを飼い主さんにお話ししたら笑われてしまいましたが・・・。そんなこんなであわただしかった8月ももうすぐ終わり。来月も頑張ろう。
2足の草鞋を履くのは・・・。
4月から大学院に通うようになりはや3ヶ月。平日は病院で診療、休診日は大学院で授業(1年生なので・・・)となかなか休むことも気分転換も出来ぬまま6月が過ぎてしまいました。とはいえ勉強のほうは充実してまして、所属する教授と少しずつどんな研究をしていくかといった話も進み後期には研究を少しずつ始めていくことになるかと思っています。病院の日々はというと、まだまだフィラリア予防から狂犬病の予防接種といった予防関係の診療がメインですが、その合間に一般的な外科手術から整形外科がちょこちょこ入ってきているので気が休まることがありません。が、手術を終えて抜糸にいらっしゃる飼い主さんから『元気になりました』と嬉しそうに言っていただけると疲れも何処へやら。しかしながらBlogを書く余裕と体力は・・・ごらんの通り1ヶ月以上空けての更新になってしまいました。話題がないわけではないのですが・・・頑張って更新します。
さて、お知らせにありますように7月11日(土曜日)は都合により休診とさせていただきます。土曜日とあってご迷惑をお掛けすることと思いますが、何卒よろしくお願いします。
G.Wも過ぎて・・・。
お休みモードの体からお仕事モードの体に戻りつつあるのではないでしょうか。当院でも1日お休みをいただきましたが、いろいろあった連休でした。1つ目は猫の骨折。全く家の外に出さないということでしたが、その猫の膝は3つに砕け大変なことになっていました。が、術後の経過もよく少しずつではありますが骨折した足を使って歩いてくれるようになりました。2つ目はコーギーの椎間板ヘルニア。連休前までは飲み薬の効果もあってかよく歩けていたのですが、急にまた歩けなくなったとのことで来院されました。明らかに初診の時と様子が違ったのでMRIを撮ってもらうことにしました。すると頸椎〜胸椎に大きな椎間板ヘルニアが確認され手術に。とは言ってもこの部位の椎間板ヘルニアは難易度が高いため大学病院を紹介させていただきました。3つめはパピヨンのお産。以前にも当院で帝王切開させていただいたのですが、今回も胎盤剥離の兆候が見られたため手術を行いましたが2頭のうち1頭は残念ながら亡くなってしまいました。これからの時期は狂犬病予防接種やらフィラリア予防やらで忙しい時期になりますが、こんなときでも様々な病気に対応できるよう自己研鑽しておかねばならないと痛感しております。
G.W期間中の診療について。
みなさん、今年の連休はどのように過ごされるのでしょうか?連休中は何かとせわしく思わぬ事故に見舞われることもあります。くれぐれもペット(もちろん飼い主さんも)に事故がないようにお過ごしください。さて当院の連休中の診療ですが以下のようにさせていただこうと思っております。よろしくお願い致します。
29日 午前10:00〜12:00 午後3:00〜5:00
30日 木曜:休診日
1 日 午前10:00〜12:00 午後3:00〜5:00
2 日 午前10:00〜12:00 午後3:00〜5:00
3 日 午前10:00〜13:00 午後休診
4 日 午前10:00〜13:00 午後休診(大学院の場合、終日休診)
5 日 午前10:00〜13:00 午後休診
6 日 休診
7 日 木曜:休診日
8 日 通常通り診療
尚、急患に限っては時間外でも可能な限り対応させていただきます。
ドメイン名変更のお知らせ。
サーバー移転に伴ってドメイン名が乗っ取られるというトラブルが発生しました。ホームページの運営をお願いしている友人の話では、今まで使用していたnomata-inuneko.comが何者かによって乗っ取られ、【今まで通り使いたければ・・・円払え】といった詐欺まがいの請求が送られてきたそうです。非常にまれなケースらしいのですがドメイン名を変更するのが得策とのことでドメイン名をnomata-inuneko .jpに変更させていただきます。ブックマークにされている方は新たに登録のほどよろしくお願いします。しかしドメイン名が乗っ取られるなんて・・・。どんな世界にも何とかしてお金を稼ごうと悪知恵が働く業者(人)がいるもんなんですね。怖い怖い。
結果報告。
サーバーのトラブルなどで更新が思ったように出来ず、結果の報告が伸び伸びになってしまいましたがここに報告させていただきます。去る2月3日、私は東京医科歯科大学大学院の入学試験を受けて参りました。正式な試験を受けるなんて大学受験以来、しかも英文読解(←これがやたら難しかった)・小論文・面接といった内容。英文読解の出来がいまいちで、小論文も起承転結をつけた文は書くことが出来たけれどいまいち満足いく仕上がりではなく、面接もあっという間に終わってしまい、これは厳しいなと思いながら発表の日を待っていました。
ところが手元に届いたのは合格通知書。というわけで、4月から大学院生になることになりました。とはいっても、1週間ずっと大学院に通うわけではなく週に2回くらい授業と研究を進めるため通学する社会人コースというものです。木曜日の休診日を利用しての通学を考えておりますが、講義の関係でやむなく他の曜日が休診になることもあり患者さんにもご迷惑をおかけすることがあるかと思いますが、ご協力のほどお願いします。
ご迷惑をおかけしております。
患者さんから『先生ホームページ(blog)やめちゃったんですか?』と聞かれる今日この頃。じつはサーバー移行の際にトラブルが発生してしまい、ホームページが見られない状態がかれこれ2週間以上。私も参っております。ホームページの運営を任せている友人も、これまた参っています。もうすぐ再開できそうですので、もうしばらくお待ちください。
またもや、更新が・・・。
がんばろうと思っていたのですが、手術が立て込んでしまったり、自分の病気の定期検診があったり、個人的な受験勉強があったりとなかなかPCに向かうことができませんでした。ここにきて少し落ち着いたので今までのご報告をさせていただきます。“あけましておめでとうございます。”なんてEntryしたのもつかの間、今年1番目の手術は異物の誤飲でした。飲んでしまった本人(犬)はケロッとしているのですが、飼い主さんが大慌て。どんなものを飲んでしまったのかと尋ねるとネズミのマスコットとのこと。早速レントゲンを撮ってみるとなにやら怪しい陰が・・・。実際にあけてみると猫をじゃらすような小さなプラスチック製のネズミが出てきました。それが落ち着いたかと思えば立て続けに膀胱結石の手術が2件。自分が小さい頃、伯父と父が診療していたときこんなにも膀胱結石なんてあったんだろうか・・・と思いながら手術。やはりストロバイト結晶というやつで、再発防止のため現在は処方食を食べてもらいながら検診しております。
昨年末から患ってしまったメニエル症ですも、ちょっと怪しいときも数日ありましたが現在は薬を飲まなくても済むようになりバリバリ仕事ができるようになりました。けど、あまり無理をしたりストレスを溜め込むと再発するみたいので無理せずがんばっていこうと思います。
さて個人的な受験勉強とは大学院受験のためのものでした。落ちたら恥ずかしいなぁと思いながらここに書くべきかどうか迷っていたのですが、参加(受験)することに意義があるという意味では貴重な体験ができたかなぁと思っています。合格発表はまだ先ですが合否はともかく獣医学以外のこと(英語)を勉強する習慣がついたことはよかったと思っております。仕事もプライベートも充実したハードな1月を過ごしました。さて、明日も手術だ。仕事も更新もがんばろう。