またまた私事で恐縮なのですが、本日で地元、宇都宮に戻ってきてから4度目の誕生日を迎えることができました。(30過ぎると年齢のことはどうでも良くなってしまっていますが・・・)病院の方も今度の4月でリニューアルから4年目に突入し、また新たな気持ちで挑んでゆきたいと思っております。?n 勤務医時代とは違い、日々の診療だけではなく病院の経営についても気を配らなければならない大変さは、この3年間で身にしみて感じることができました。これからの犬猫(動物)病院はどうしてゆけばよいのか?ただ漫然と過ごしていては埋もれていってしまいます。新たなことを打ち出していけるよう今年もチャレンジしていこうと思っています。
手術を行う者の心得
私が横浜で勤務していたみなとよこはま動物病院(永岡犬猫病院)には、“獣医師訓”というものがあり常にそれを念頭において診療に励むのですが、それとは別にタイトルにあるような教えもあります。去勢手術や避妊手術に対しての考え方は人それぞれなので言及はできませんが、ちょっとした“イボ”ができただけで検査もしない前から“これは悪性だから早く取らないと命に関わる!”と脅しまがいのことを言って手術をし、さらには取ったイボの病理検査もしないような先生がいるそうです。?n [もっと読む…] about 手術を行う者の心得
節分に絡めて・・・
昨日は節分、皆さんは豆まきはされましたか?豆といえば大豆ですが、犬猫にとってはこれが鼓腸(ガスによってお腹が張る)の原因になるのはご存じでしょうか?お腹が張ってしまう原因には、1)空気の燕下(のみこみ) 2)血液から腸管へのガス拡散 3)食べたものの細菌発酵 などが挙げられますが、大豆は消化の際に吸収されにくいオリゴ糖類を多量に含んでいるため腸内ガスが発生しやすいのです。他にも高繊維質の食べ物(おいも・ごぼうetc.)は鼓腸の原因になります。?n 節分だからといって豆を与えるといったことはまれなことですが、鼓腸は比較的よくみられる現象です。バランスさらには消化の良いフードを与えてあげることで予防できるので注意してあげてくださいね。
まだまだシーズン前ですが
フィラリア予防薬として使用されている薬の成分にイベルメクチンというものがあります。予防薬として使用している限りはまず中毒を起こすことはありませんが、この薬に非常に感受性の高い犬種があります。ほとんどの方がご存じだと思うのですがコリー種、次いでオーストラリアンシェパードです。しかしながらフィラリア予防薬として使用される薬用量であれば安全といわれています。(獣医療先進国のアメリカでもコリー種に使用しているとのこと)?n けれども予防のため投与した薬がきっかけで体調を壊してしまったとしたら“何のための薬なの?”という感じですよね。中毒を起こしうる投与量というのは、一般的な投与量の10〜15倍といわれています。けれどもフィラリアを予防できる薬は他にあります。不安な方は先生とよく相談の上、どんな予防薬がよいか決めて下さいね。
不可逆的な・・・
生き物のからだというのは思わぬことが起こります。ついさっきまで元気にしていたのに急に変な鳴き方をしたかと思ったらそのまま倒れて息を引き取ってしまったりすることがあります。しかも健康診断では何もひっかかっていないにもかかわらず・・・。飼い主さんにとってこんなに理不尽なことはないでしょう。しかしながら生物学的速度が異なる犬猫では病気の進行も人と比較すれば早いと考えなければならないのです。果たしてどんな原因で亡くなってしまったかということは明言できませんがおおよそ人に起こりうることが犬猫でも起こっているのではないかと思われます。?n 治療することばかりに目を奪われがちですが、どんな原因で亡くなってしまったかということを追求することも私たちの獣医学には必要なことであり、ひいてはそれが病気の早期発見につながるのではないでしょうか?あまり死(因)について考えることは避けたい分野ですが、そんなことも医療の進歩には必要なんですね。
同級生との再会
個人的なことですが、水曜日の夜から木曜日にかけて大学1年生の頃からの同級生と東京にて会ってきました。卒業してから8年ぶりの再開でしたが会社で働くもの、勤務医を続けるもの、自らが院長として病院を経営するもの、診療の話や大学時代の思い出話に花が咲きました。特に現在東京で病院を経営している友達は、院長であり、経営者でもあり、父でもありと忙しい中、時間を作って集まってこれるという友達はこれから先もずっと大切にしなければなりませんね。久しぶりに会う同級生の半分以上が身を固めている今日この頃、病院の経営や診療以外にもそろそろ頑張らないといけないのかな?と考えてしまいました。何にしても久しぶりに同級生と過ごす時間に、これからのパワーをもらえたひとときでした。
ブームで被害を受けるのは・・・
本日の新聞記事でご存じの方も多いかと思いますが、忠犬ハチ公のモデル犬でもある秋田犬が減少の危機にあるということです。記事によると1972年に登録頭数が約42.000頭いたものが2004年の11月には2065頭に激減しているというものでした。?n およそ10年くらい前、レトリーバーブームがあり現在でも月刊誌が発売され現在でもなかなかの人気です。そのちょっとまえだと思うのですがシベリアンハスキーのブームもあったでしょうか?けれどもハスキーに関しては山林に放され野犬化して何頭も保護されたという記事を目にしたことがあります。そして現在はテレビCMの効果のためかチワワ・ダックスの人気はまだまだ続きそうです。?n [もっと読む…] about ブームで被害を受けるのは・・・
ワクチンとアジュバント
犬猫のワクチンには1つの病気にのみ効果がある単身のワクチンと、複数の病気に効果のある混合ワクチンとがあります。ワクチンを接種した際に病院の先生から“何らかの症状がでた場合は連絡してくださいね!”といわれたことがあるかと思いますが、ワクチンには少なからず副反応というものがあります。一般的によく観察される副反応には、顔面の浮腫、嘔吐、掻痒、下痢が挙げられ、もちろんその際には元気もないでしょう。この副反応を起こしてしまう物質として考えられているのがアジュバントと呼ばれるものです。?n [もっと読む…] about ワクチンとアジュバント
加害者にならないために・・・
狂犬病にしても犬猫それぞれのワクチンにしても、接種するということは自分のペットを病気から守るということだけではなく、他人に伝染さないためであるという意識を持たれていますか?ウイルス性の病気というものは唾液や尿、くしゃみなどをしたときに飛沫する分泌液中に多量に含まれています。散歩中、何の気なしにおしっこをさせてしまいますがもしウイルスをもっている子だったら病気をばらまいていることになります。猫にはエイズという病気があります。これはワクチンでは予防できないものですが、もし病気と分かっていながら外に出すということは考えられないことではないでしょうか??n フィラリア予防に関してもおなじことです。“去年飲ませなくても病気にかからなかったから”ということを聞きますが、未だに宇都宮市内でもフィラリアで亡くなる子がいるのが現状です。あまりしつこいアピールをするのもなんなのですが、身勝手な飼い方は他人に迷惑をかけます。“うちの子に限って”という考え方が一番危険だということを認識してください。地震と一緒で病気はいつ身に降りかかってくるかわからないのですから・・・。
誤った認識
“成長期には骨のためにカルシウムを食餌に添加しなければならない!”といったことを耳にしませんか?現在のようにペットフードが無かった昔、栄養の偏った食餌によりカルシウム不足により引き起こされる病気になっていた犬猫もいたようです。ペットフード文化が良くなった現在では、カルシウム不足というよりも過剰によって引き起こされる病気を目にします。?n ?n [もっと読む…] about 誤った認識