ちょっと前に猛暑の夏が終わったかと思えば、今年もあと2日で終わってしまいます。今年、新しい家族としてペットを迎え楽しい年末を迎えている方もいれば、病気や交通事故あるいは寿命によってペットを亡くした方もいるかと思います。病院という場所のイメージは病気を診断して治すところというものかもしれませんが、動物の場合では来院(診断)する時点ですでに治療は後手に回っています。ですから0からスタートする治療ではなくマイナスから治療するために回復が遅かったり、場合によっては命を落としてしまうこともあります。年末に来てちょっと重めの内容ですが、病気は早期発見・早期治療ができれば一番よいのです。できれば病院とのおつきあいは少なめに!と思われている飼い主さんは多いでしょう。ちょっとおかしいかなと思われたら、様子を見るのではなくかかりつけの先生に相談する習慣をつけてください。ちょっとしたことでも病気の早期発見につながるのですから。?n Entryは30日から来年1月3日までお休みさせて頂きます。皆さんよいお年をお迎えください。
年末だからこそ・・・
新しい年を迎えるにあたり、かわいいペットをシャンプーしたりカットしてあげたいというのは飼い主さんの心理ではないでしょうか。何かとせわしい年末、ちょっと空いた時間を利用して伸びてしまったペットの毛をカットしてあげようかな・・・こんな時に事故は起こりがちです。慣れない作業のため、はさみで耳や皮膚、時には舌などを切ってしまうことがあります。シャンプーもよく洗い流してあげないと皮膚が荒れてしまったり、乾かしが甘かったりすると風邪を引いてしまうきっかけになります。ただでさえ慌ただしい年末、思わぬ事故でさらに慌ただしくしないよう気をつけてお過ごしください。
アルコール中毒
クリスマスも過ぎ、もういくつ寝るとお正月となりました。年末年始にかけて何かとお酒を飲む機会が多いかと思いますが、犬猫もアルコールを飲めばもちろんアルコール中毒症状が起きます。急性毒性を起こしうる量は5〜8ml/kgといわれていますが、アルコールに強い人と弱い人がいるように全てがこの量に当てはまるとは限りません。さらには空腹時であったり満腹時であったりすれば症状も異なることでしょう。ごく少量の摂取であれば治療を必要としない場合もありますが、誤って大量のアルコールを摂取した場合は命に関わるのは人と同じです。おめでたいからと言ってペットと一緒に一杯なんてことはくれぐれもしないでくださいね。
クローン技術の進歩
昨日の新聞に、アメリカのサンフランシスコのベンチャー企業がクローン猫を520万円で販売したとの記事がありました。このクローン猫、ほくろの位置から遊ぶときの癖や仕草まで全く同じだというのです。ずっと大切にしていたペットも老化という現象は防ぐことはできません。命というものは限りがあるからこそ大切にするものであって、同じものが次から次に作られてしまうということで命に対しての意識がどのように変わっていってしまうか・・・。ちょっと怖い気がします。?n これからもっとクローンの技術は進歩していくでしょう。皆さんはもしクローンペットが身近なものになったときどうしますか?
外に出すということは・・・
猫を室内で飼うということは、猫の自由を奪ってしまうようで心苦しいかもしれません。かといって外に自由に出してしまうということは、交通事故に遭ったり伝染病に罹りやすい機会と背中合わせになるということです。以前にも同じようなEntryをしていますが、再度このようなEntryをしたのは19日に運び込まれた身元不明の猫が亡くなってしまったからです。レントゲンから頭部に骨折があり、血液検査では中枢神経の障害を示すCKというものが測定不能といった状態。自分がどんな状況に陥ったことも分からず、いたであろう飼い主と会えることなく息を引き取ってしまったのです。?n 猫を室内外で自由に飼われている飼い主の皆さん、交通事故は決して他人事ではありません。飼い方についてもう一度考え直してみませんか?
LIFE CHIP (ライフチップ)
本日の地方紙(下野新聞)でも取り上げれていたのですが、ペットの確実な身元証明となるLIFE CHIP (ライフチップ)が取り上げられていました。当院でも患者さんの要望で2年前より常備していたのですが、なかなか認知度が低く患者さんにお勧めしても“パッ”としなかったのですが、新聞に取り上げられたことでLIFE CHIP (ライフチップ)が普及することを期待したいものです。?n LIFE CHIP (ライフチップ)のメリットは、盗難や災害時において確実な身元確認が可能なこと、血統などの情報を正確に確認できることです。イギリスで1989年より始まり、現在ではヨーロッパ諸国、アメリカ、カナダ、オーストラリアなどではLIFE CHIP (ライフチップ)によりペットが登録〜管理されています。皆さんも万が一に備え、大切な家族の情報を登録しておきませんか?
迷い猫のお知らせ
本日夕方5時ころ、芳賀町の五行橋付近で交通事故にあった猫を当院にてお預かりしています。頭部を強く打っているため現在治療中です。お心当たりの方は当院までご連絡ください。お腹には手術をうけている跡があります。(お顔を出せればよいのですが、外傷を受けているため体の模様のみを載せさせていただきます)
あれっ?よく見てみると・・・
急に前足を着かなくなったという猫の患者さんが来院されました。レントゲンを撮ってみると骨折していることがわかったのですが、骨折していること以外にさらなる異常が発見されました。ヒトも犬も猫も前腕骨という骨は橈骨と尺骨という骨の2本で構成されています。ところがこの子は前腕骨が尺骨のみで構成されており成長する過程で体を支えるために太い骨となっていった様です。この大切な骨が何かのきっかけで折れてしまっていたのです。?n [もっと読む…] about あれっ?よく見てみると・・・
塩分の制限
塩分のとりすぎは体内の臓器に様々な影響を与えますが、特に影響を受けるのは心臓および腎臓ではないでしょうか?健康なときには気にしなかったフードの成分表も、病院で“ちょっと心臓(腎臓)が悪くなってきなしたね。”なんていわれてしまうと気にしてしまうものです。その塩分ですが成長期には1日1?あたり約4.3?程度(体重10?ならば43?)が適正な量とされています。?n 塩分の過剰摂取の原因、これはヒトがちょっと与えてしまうものにあります。例えばクッキーでは100gで375?、パンでは100gで786?、ソーセージでは100gで2477?と思っている以上に塩分は含まれているのです。フード選びをしっかりしていても、ちょっとしたおやつ(間食)が大量の塩分摂取につながります。気をつけましょうね!?n
レントゲン撮影のこと
異物を飲んでしまったり、骨折部位の状態を確かめたり、交配し何頭赤ちゃんがいるか確かめたりと、獣医医療にはレントゲン検査は切っても切れない関係にあります。レントゲン写真(以下写真)の出来次第では診察結果に大きな差が生まれてしまいます。写真を撮る際には体の厚みによって照射するレントゲン量が変化しますし、保定の仕方によっては見たい部分が充分に写し出されないこともあります。特に骨格系の診断では、撮影時の条件と保定の両方が揃っていないと診断が確定しないこともあります。?n さて飼い主さんが気になるところは、レントゲン?放射線?体への害ということではないでしょうか?確かにレントゲンは放射線ですが、問題はその照射量にあります。一般的に写真を1〜2枚撮る程度ではまず体に及ぼす害はありません。実際に体に害になるほどレントゲンを撮るということになると1度に何千枚という量でもとらない限り害にはなりません。お産の際に何匹いるかを確認するのに心配される飼い主さんもいらっしゃいますが、どうか心配しないで診察を受けて下さいね。