室内犬、さらにはフローリングのお宅が増えてますが皆さんパッドの毛は定期的にカットしてあげていますか?フローリングの問題は良く取り上げられますがパッドのケアーをお忘れになっている方が意外と多いようです。パッドの毛は滑りやすいフローリングをさらに滑りやすくしてしまいます。フローリングで滑ることは膝蓋骨脱臼や靱帯の無理な伸展、脊椎(特に腰骨)の病気を助長することがあります。少しでも滑らないような工夫をすることは病気の発症を防止することができますよ!
見つけるのが大変です!
これが何だかおわかりになりますか?雄犬の象徴的なもの、そう精巣なんです。(先端の1?の楕円形の部分:ちなみに18?のワンちゃんです)とは言っても正常なものではなく陰嚢(精巣が収まるべき袋)にたどり着けなかったものなのです。10日ほど前に手術させてもらったワンちゃんのものなのですが本日無事に抜糸も済みました。一般の去勢手術と違い、陰睾丸の手術は精巣は発達が悪いため時として見つけるのが非常に大変です。これとは反対に精巣がお腹のなかで腫瘍のように大きくなってしまうものもあります。雄犬を飼われている飼い主の皆さん、あなたのワンちゃんは陰嚢の中にちゃんと2つの精巣がありますか?もし見あたらないようならおかかりの先生に相談してみてくださいね。
押しつけ医療
私は押しつけがましいことを言うのが大嫌いである。患者さんが知らないであろう(解らないであろう)ことをいいことに“絶対こうしなければダメです”とか“今すぐ〜しないと死んじゃいますよ”と脅迫めいた言葉でそうせざるをえないようにし向ける診療などもってのほかだと思う。ただでさえ患者さんは、自分のせいで飼っているペットが病気や怪我をしたと思いながら来院しているであろう。そんな時にさらに追い打ちを駆けるようなことを言って何が楽しいのだろう。もちろん治療法に選択の余地がない場合、厳しいことを言わなければならないときもあるだろう。いくら地位や名誉や財力を築けたとしてもこんな獣医師にはなりたくないものだ。
役目は巡る
今日、みなとよこはま動物病院の後輩が当院を訪れてくれました。彼は今年の3月で横浜での勤務を終えたのだが、今は週3日間横浜で勤務しながら来年地元の水戸市での開業を目指しています。彼は自分と同じような環境(お父さんが獣医師)で、彼が来年開業するにあたり今の病院を改築する、その相談のためわざわざ水戸から宇都宮まで足を運んでくれました。今の自分がやっていけているのはもちろん父のおかげではあるが、いろいろと相談にのってくれたりアドバイスしてくれたみなとよこはま動物病院の先輩方のおかげでもあります。やっと自分も後輩のために少しは役に立てるようになったみたいです。少しでも良いアドバイスをしてあげたいものです。
ダイエット
太っていると見た目は何となく可愛い感じがしますが、決して体にとっては良い影響は与えていません。ヒトのダイエットとは違い、ジムに通ったり効果のあるダイエットサプリメントがあるわけではないので、犬猫のダイエットは食餌でしかコントロールすることができません。けれども食餌をダイエットフードに代える前にまずおやつをやめることは大切です。(特にジャーキー系のおやつ)それだけでも体重は落ちるものです。それでもダメなときこそフードを代えてください。なかなかダイエットがうまくいかない飼い主さんとよーく話してみるとフードは制限しているが、代わりにおやつを与えていることが多いのです。?n 可愛いペットのダイエットは、もしかすると自分がダイエットすることよりも大変かも知れません。ウルウル見つめられても負けてはいけませんよ!
薬の処方
病気の診断がつき入院しなくても治療が可能な場合、ほとんどの病院がお薬を処方します。下痢ならば下痢止め、肝臓の機能に問題があれば肝機能代謝賦活薬、心臓の機能に問題があれば心機能改善薬と、症状に見合ったものを処方します。症状によっては一時期だけ飲めばよいものから、症状を発症した時点から一生飲まなければならないものもあります。それは良く飼い主さんに理解していただけるようお話ししなければならないことでしょう。?n [もっと読む…] about 薬の処方
お産に対しての心得
一昔前までは、“犬のお産は安産”と思われていました。ですから犬の帝王切開なんていうと驚かれる方がいるくらいですが、これだけ犬の種類が増えると安産できる犬種ばかりではないのです。さらには小さい雌犬に大きな雄犬を交配させれば大きな胎児に育つ可能性は充分あり、今まで自然分娩できた子でも難産になってしまうかも知れません。?n そこで飼い主さんに知っておいて欲しいことを伝えたいと思います。まず交配してしまった可能性があったら、交配後35日過ぎに動物病院で超音波の検査をしてみてください。もし新しい命を授かっていたのなら次はレントゲンです。交配後45日を過ぎるとレントゲンはお腹の中に何匹入っているのか?自然に産めるのか?ということがわかります。帝王切開の可能性があったなら、おかかりの獣医さんと連絡を密に取れるようにしておきましょう。お産を焦らず迎えるコツですよ!
老化の裏に潜むもの
手術をするとき、ほとんどの先生が術前検査と言うことで検査をされると思います。飼い主さんからすると“ほんとに必要なの?”とか“手術だけで良いのに!”と思われているかも知れません。健康体で血液検査で異常が無くても麻酔をかけるということは心臓の動きをゆっくりさせるということです。そうすると体内臓器への血液の循環量にも影響が出ます。特に腎臓の機能は循環血液量に大きく左右されます。術前に異常が無くても術後には異常を示していることも珍しいことではありません。これが老齢の動物では起きやすい状態になっているので、手術を含んだ麻酔下の処置ではいつこのような状態が起ってもおかしくないのです。元気で問題が無さそうに見えても、予備能ぎりぎりで生活しているという可能性をふまえて麻酔などはかけなければいけないのです。どうか検査にご理解を!
名機の復活!
かねてから“早く使えるようにしなければ”と思っていた人工呼吸器に麻酔回路をセットアップすることができました。私が永岡犬猫病院(現・みなとよこはま動物病院)を辞めるときに永岡勝好先生から頂いた‘bird MARK10’でしたが、忙しかったり、必要に迫られなかったりということで手術室の片隅で眠っていたのですが、この度、地元の業者さんの協力により再び人工呼吸器付き麻酔機として使用できるようになりました。これで呼吸が停止した場合にも安心して手術を進行することができます。これで可能な手術の幅も広げることができます。さあ、さらに頑張らねば!
久しぶりに・・・
先週、避妊手術をしたアメショーの飼い主さんが“耳の中から黒いものが出てくるんです。”とのことで耳をめくってみると確かに真っ黒。綿棒でちょっとすくってみて顕微鏡で見てみるとそこにはもぞもぞうごめく物体が・・・。猫を飼われている方ならばご存じと思いますが“耳ヒゼンダニ”で、そのため外耳炎を起こしはじめていたのでした。同居している猫にも同じような状態でしたので一緒に治療開始することに。飼い主さんにも顕微鏡を覗いてもらったのですが、もぞもぞ動いているダニを見るのは本当に久しぶりでした。猫の外耳炎のほぼ50%はダニが関係していると言われています。早く良くなるようがんばっていきましょうね!