飼い主さんの希望でぎりぎりまで帝王切開せずにがんばっていた黒パグのまるこちゃんでしたが、予定日がきても分娩の兆候が見られなかったため飼い主さんの同意を得て手術させてもらいました。前回のお産では自然分娩でしたが,今回は5匹の赤ちゃんもお腹のなかで大きくなれるだけなったようで、手術して正解でした。見てのとおり黒パグの赤ちゃんが4匹、フォーンの赤ちゃんが1匹でした。『ちなみに今回は赤ちゃんの飼い主は決まっているので里親の募集はありません!』
お腹のなかは・・・
ただいま帰ってきました。お腹のなかには赤ちゃんの頭大の腫瘍でした。手術は無事に終わりましたが術後が大変です。元気になって退院して欲しいものです!
今日はEntryお休みです。
これから手術のお手伝いに出かけることになりました。戻ってきてから書ければいいのですが?お腹のなかの大きな腫瘍ということなので時間がかかりそうです。
治療への取り組み
同じ病名でも年齢や性別、種類(犬あるいは猫、さらには犬種)によって症状も異なれば治療方針も異なります。“この病気にはこの治療を!”といった型にはまった治療しかできないと治療に行きづってしまうこともあります。老齢の犬猫に若い犬猫と同じことをしてもかえって負担をかけてしまうこともあります。とても性格的に入院できなそうな子を無理に入院させても治療効果が上がるとは思えません。やはり1頭1頭体に触れ、飼い主さんから日頃の状態を聞いた上で治療方針を決めて行かねばならないと思います。もちろん自分も“こうしていれば良かったかな”ということがあります。やはり治療に対しての感性(柔軟性や応用性など)というものは一生を懸けて磨いていくものなのですよね!
本当の原因
血液検査などで何らかの異常が発見されると、その状態を改善するために治療を開始するわけですが、今の症状の原因とその検査結果が結びつかないこともあります。特に飼い主さんにとってそのことを理解して頂くのは難しいことと思います。例えば、腎臓の数値が高いということでもおしっこが出なくて高くなっているのか?それとも加齢によって腎臓への循環血液量が少なくなって高くなっているのか?ただ食後のために高くなっているのか?などその状態次第では治療方針も変わってきます。?n [もっと読む…] about 本当の原因
おめでた入院!
今日から黒パグのまるこちゃんがお産のため入院しました。2度目のお産とあってまるこちゃんは何となく落ち着いた様子。けれども大きなお腹のなかには5匹の赤ちゃんを身ごもり、皆順調に成長していました。まだまだ体温も高いため、お産が始まるのは早くても明日以降になりそうです。さあ明日から気が抜けない日々が続く!がんばらねば!
膝蓋骨脱臼
膝蓋骨脱臼(膝のお皿の骨が内側あるいは外側に外れてしまった状態)が小型犬種に多いのは皆さんご存じのことかと思います。大型犬の股関節形成不全と同じで遺伝的素因が大きくからんでいる病気です。今日は他の病院からの依頼で夕刻より脱臼の整復手術を行います。この脱臼の手術方法はいろいろな方法があるのですが、その選択は非常に難しいものとなります。幸いにも私は日本でも屈指の整形外科医である永岡勝好先生のもとで、特に膝蓋骨脱臼の手術には100症例以上の手術に立ち会うことができ手術のノウハウを得ることができました。(もちろん自分で全てをこなすようになってはまだまだ症例は少ないですが・・・)
“脱臼を直すことは器用ならば誰でもできる。けれどもそのメカニズムをしっかり理解していなければ本当に直すことはできない。”とは永岡先生の言葉です。それを肝に銘じ手術に挑んできます。
本日は啓蟄
ということでカエルにまつわるお話しをしたいと思います。“カエルは動物病院には関係ないだろう”と思われるでしょうがカエルが原因で起こる病気があるのです。その名も【ヒキガエル中毒】です。冗談みたいな名前ですが獣医の専門書にはちゃんと項目があるんです。これはヒキガエルが耳下腺から出される防御毒によって異常に唾液を流したり、興奮したり、場合によっては虚脱(倒れてしまう)してしまう場合もあります。?n 命に関わるようなことはありませんが、這い出てきたカエルでペットが遊んでいる姿を見かけたらすぐにやめさせてくださいね。これからの時期以外と注意ですよ!
純血種の野良犬
自分が子供の頃はまだ野良犬が多く、病院うらの公園で野良犬が生んだ子犬を同級生と世話をしに行ったことがありました。そのころ飼われている犬というとほとんどが雑種で、純血系の犬はなかなか見かけないものでした。実際、獣医になって患者さんが連れてこられる犬を見るとほとんどが純血種で、雑種の犬はまず見かけなくなりました。(自分が小さい頃飼っていた犬も雑種でしたが病気知らずで、今思えば獣医さん泣かせの犬でした。)?n 私の個人的イメージでは野良犬というと雑種(雑種を飼われている方、すみません。)なのですが、地元の別荘地では純血種の犬が誰に管理されているというわけでなくうろうろしているとのこと。聞いてみるとどうやら全てではないけれど別荘のオーナーさんが飼いきれなくなって放してしまっているようです。飼えなくなったならば捨ててしまうといった気持ち、皆さんどう思われます?
“先生”と呼ばれること
国家試験に受かり獣医師免許をもらった時から“先生”と呼ばれることになるのですが、これは名誉であることでもあり、ある意味普通の人ではなくなったようなプレッシャーがあります。特にヒトのお医者さんではなおのことだと思います。このプレッシャーというのは命を預かることに対してのものであったり、より良い医療を提供できるように日々勉強しなければならないということであったり、挙げ始めるときりがないくらいです。?n けれども“先生”と呼ばれることにふんぞり返り、患者さんに対して心ない態度をとり、勉強することをやめてしまい、漫然と日々を過ごされている方もいるようです。やはり“先生”と呼ばれる仕事を続ける限り毎日が修行であり、常に謙虚にいきたいものです。