ご存じの方も多いかと思いますがアメリカには、OFA(Orthopedic Foundation for Animal)という遺伝性整形外科疾患(股関節形成不全や肘異形成など)の診断と登録を行い、繁殖することが可能か否かを診断してくれる団体があります。整形外科疾患に関わらず遺伝する可能性のある疾患は繁殖するべきではないでしょう。その疾患に関わるすべての動物およびその関係者(特に飼い主)に大きな精神的ダメージを与えかねないからです。?n 最近、神奈川県相模原市にある麻布大学の陰山先生が同様の組織を設立されたようです。これによって少しでも、国内の遺伝的整形外科疾患の患者さんが少なくなってくれると良いのですが。繁殖を考えられている飼い主さんで、少しでも不安がある方は是非獣医さんに相談するべきですよ!
流行の兆し
春一番が吹いたとはいえまだまだ寒い日が続いています。こんな時期には雄猫の“尿閉”が起きやすいようです。どうして起きるのかと言うと、トイレが汚れていることで長時間排尿を我慢してしまい、突発的な膀胱炎になることで血尿や尿石(砂)が2次的に起こりこれが尿道を塞いでしまうのです。あまりに早い時期に去勢をしてしまった雄猫では特に多く見られやすいんです。?n “尿閉”は様子を見過ぎてしまうと、腎臓の機能を失ってしまったり命に関わる状況に陥りやすい病気です。この時期は特にトイレの汚れや排尿量を良くチェックしてあげてください。
チョコレート中毒
今日はバレンタインデーというわけでチョコレート中毒のお話しを!これって犬猫にとってちゃんとした病名として存在する病気なんですよ。チョコレートの中に含まれる“メチルキサンチンアルカロイド”というものの過剰な摂取によって中毒症状を起こすものなのです。?n 摂取した量にもよるのですが重度な場合には死に至る場合もあるんです。だから“今日はバレンタインデーだからチョコあげるね〜”なんて事はしないでくださいね。
担当の先生
勤務医時代、ずっと診させてもらっていた患者さんに“実家の病院に戻るので3月いっぱいでお別れなんです。”とは話したときに必ずと言って良いほど“最後まで診てもらえないのは残念”という言葉でした。これって非常にありがたい言葉ですよね。大きな病院では何年かの周期で先生が入れ替わります。そうすると担当する先生も代わることがありますが、これが患者さんにとっては結構な不安材料になることがありますよね。けれども患者さんにとっては欠点ばかりではないと思います。?n [もっと読む…] about 担当の先生
今日は出張勉強会!
患者さんに“プロハンドラー”さんがいます。こちらに戻ってきて初めて聞いた職業のため最初は“どんな仕事なんだろう?”と思っていたのですが、Dog Showの会場に行きその仕事ぶりを見て“これはすごい世界だ!”が最初の感想でしたね。?n 今日は夜8時よりそこで働いているハンドラーさんを対象に勉強会を開く月なのです。身近な病気や預かっている犬を管理するにあたって注意して欲しいことなどをその月その月で題目を決めて勉強しています。皆さん非常に熱心なのでこちらも気が抜けません。けれどもこの勉強会がきっかけで日常のちょっとした事故が防げれば私としても幸いです。
ガサガサ・かちかち
大型犬に多いのですが、ヒトで言う肘・踵の部分は毛が抜けて写真のように皮膚が硬くなってしまいますよね。このように硬くなってしまうと毛が新たに生えてくるのは非常に難しいでしょう。このような皮膚の状態を“胼胝(べんち)”といい皮膚の角質層が肥厚(厚くなる)してしまったことで起こります。?n [もっと読む…] about ガサガサ・かちかち
私事ですが・・・
本日8日は私の誕生日です。今年の3月でリニューアルオープンしてまる2年、3年目へと突入します。何か新しいことをと思い昨年からホームページを始め少しでもお役に立つ情報を提供出来るよう心懸けてきましたが、1つ年をとったことでまた新たに何か目標を立てそれを実現できるようがんばらねばと思っております。30歳を過ぎると1年が非常に早く過ぎて行く様な気がします。ただ1年を漫然と過ごしてしまわぬように今年は学会などに積極的に参加(発表する側として)したいですね。?n 明日からもさらにこのホームページが充実するようがんばっていきます!
専門以外のことも
獣医が専門的なことを知っているのは当たり前のことです。でなければ診断から治療が出来ないのですが、それだけではいけないんですよね。と言うのも患者さんにとって専門用語を並べ立てられた説明や話では正直解りませんよね。難しい言葉をかみ砕いて説明したりその中にちょっとした雑学を交えて説明した方が理解していただけますし、患者さんとのコミュニケーションもとりやすくなりますしね。(最近は鳥インフルエンザのことでご質問を受けることが多いです)?n ちょっとした雑学も解りにくかった説明を解りやすくしてくれます。このHome Pageを訪れてくださった方で“こんな本も読んでみるといいですよ!”と言った本があったら是非Commentに書き込んでください。お待ちしています。
目が白く見える・・・
と言えば皆さんおわかりになると思いますが、犬猫にもヒトと同じように白内障があります。ただしその種類には老齢性・若年性・病因性(糖尿病による)に分類されています。一般的には7歳過ぎ頃から起きる老齢性白内障がほとんどですが、まれに1〜2歳未満で発症してしまう若年性白内障というものもあります。これは遺伝的なものが多いのですが、症状は白内障ではとどまらず失明にまで至る事もあるようです。?n どの白内障についても有効な予防手段はありませんが、点眼薬によってわずかではありますが進行を遅らせることが可能です。快適な老後を過ごさせてあげられるよう早めの対策をとってあげてください。
意味ある行動
犬が何かをして欲しいときに吠えたり、猫がおもてに行きたいがためにずっと扉の前で座り込みをしていたりと、彼らの行動には必ず何かしらの意味があります。例えば犬が飼い主さんに向かって吠えたとすると“そろそろ〜の時間だね”といった具合に吠えたことに対しての要求を満たしてしまうことが多いかと思います。扉の前で座り込みをしているからといって“さあ遊んでおいで”といった具合におもてに猫を出してしまうことは、伝染病に感染したり望まない交配の原因となります。?n このように彼らの要求をすぐに満たしてしまう飼い主さんの行動は、思ってもいない弊害をもららしてしまうことがあります。ここは飼い主さんとペットの根比べです。決して根負けしないでくださいね!