急に冬型の天気になり、朝晩非常に冷え込んでます。ヒトは寒ければ洋服を着込んだり、暖房をかけたりと寒さ対策をすることができます。けれども犬猫では暖かいところに逃げ込むことができればよいのですが、そうできない場合は調子を崩してしまうでしょう。
犬猫の診断で“これはカゼです”と言いきってしまうことはできませんが、ヒトでインフルエンザが流行する頃には犬猫でもカゼのような症状をみることがあります。もちろんヒトのインフルエンザが犬猫にうつることはありませんが、食欲が落ちたり・嘔吐したり・くしゃみをしたり・発熱したり、とヒトの風邪の症状に非常に似ています。ここのところの寒さで調子を崩してしまった犬猫(特に嘔吐の症状で)が来院しています。皆さんご注意くださいね!
申し訳ありません
今日はEntry をお休みさせて頂きます。
痴ほう症
10歳以上生きるのが当たり前の最近のペット寿命、以前はさほど気にされなかった症状である“痴ほう症”は今ペットを飼っている方もこれからペットを飼われようとしている方にも経験する可能性があるでしょう。ヒトではアルツハイマーを治療するための薬が開発されているようですが、犬猫ではまだまだ先の話になりそうです。
さて犬に見られる“痴ほう症”の主たる症状なのですが、?夜中に意味もなく鳴き、鳴きやむことがない ?歩行は前進のみで、時に円を描くように歩く ?狭いところに入りたがり、後戻りできずに鳴き始める ?飼い主のことや自分の名前もわからなくなり、周囲のことに無反応 ?快食・快便であるが痩せてきて、日中寝ていることが多い などの症状が見られるようだと“痴ほう症”を疑った方がよいでしょう。
ここも注意です!
写真は大型犬種の肘(骨関節炎)のレントゲン写真です。大型犬というと股関節形成不全に目がいきがちなのですが、先天的な骨格に見られる病気として肩関節に並んで肘関節も非常に見落とせないポイントなのです。股関節形成不全では“モンローウォーク”と呼ばれる特徴的な歩様(しきりに腰を振る様な歩き方)をするため比較的飼い主さんも気づきやすいのですが、前肢の場合はただびっこを引いていることはわかりますが肩なのか肘なのかは見分けをつけることは難しいでしょう。前肢にしても後肢にしても、やはり注意したいのは太りすぎです。ちょっと太り気味の大型犬種を飼われている方は病院でcheckしてもらうと良いですよ!
獣医が直すのは・・・
私たち獣医が直すのは、当たり前のことですが動物が煩っている病気です。けれども表面上の病気を治すことができても“どうしてこの病気になってしまったのか”という原因をしっかりつかんでいないと病気を繰り返すことがあります。その上で飼い主さんに病気をご理解いただいて検査・治療に協力を頂かないと快方へ向かう道のりは険しいものとなります。
獣医医療にもインフォームド・コンセントというものが非常に重要になってきています。ただ病気が治ってもやたらお金がかかって、病気の原因もどんな治療したのかもわからないような医療というのもどうでしょう?もちろん病気が治ったにしても皆さんはこのような治療を望まれますか?獣医は病気も直すが、飼い主さんへのケアーも忘れないといった姿勢が必要ですよね!!
日々是勉強!
どこかの予備校の校訓のようですが、医に関わっている人にとっては当たり前のことでしょう。獣医医療も日々進歩し、新しい薬、新しいワクチン、新しい手術方法がどんどん開発されています。それらの情報を知っていなければ治療方針を決めることや、仮に手に負えないときにどの専門病院に回すべきかということもわからないでしょう。
このインターネット時代、動物病院の情報やその治療内容、さらには薬やワクチンの副作用のことまで事細かに書かれているホームページがありました。獣医も日々漫然と生活していると飼い主さんからつっこまれてしまうくら獣医医療について触れているホームページがたくさんあります。私たち獣医師は常に新しい情報や技術を受け入れ、さらには自分の目指すところの専門分野に対しての造詣を深めるべく努力せねばならないと思った1日でした。
しつけもいろいろ・・・
病院にて治療や検査をするとき注射や採血を行います。その際私たち獣医はよく威嚇されたり不運にも咬まれることもあります。その時の飼い主さんの様子には二通りあるんですよね。まず1つ目の対応はすぐに叱る飼い主さん。その場合はペットの方の少し反省するのか以後の処置はおとなしく、次に来院されるときはだいぶ友好的になっていることもあります。もう一方の対応はペットは相変わらずこちらを威嚇しているにもかかわらず、“よくがまんしたね〜”とか“おりこうだったね〜”と誉めている飼い主さん。こうなると次の処置もままならなくなり、結局何もできなくなるケースもあります。
飼い主さんもおさえられないペットがたまに来院されます。そのようなとき“甘やかせすぎてしまって”という言葉を聞きます。正直飼い主さんにおさえの効かないペットを初対面に近い獣医におとなしく処置させてくれるかといったら??です。せめて叱るときにはしっかり叱り、誉めるときにはよく誉めるといった習慣をつけてほしいものです。
残すところ
2003年もあと1ヶ月になりました。blogという形式のホームページを始めてまる4ヶ月になり、県内外の方からコメントを頂き何とかやってきました。今年最後の1ヶ月、飼い主さんに少しでも役立つような情報を提供していけるようがんばっていきます。何か飼い主さんからのご要望があれば取り上げてEntryしたいと思いますのでよろしくお願いします。
ストレス性の・・・
人はストレス性の胃炎とか脱毛症というふうに診断されることがありますよね。それは先生と本人との間でいろいろな話をした上で“ストレス性〜”となるのですが、犬猫の場合だとなかなかこの診断をするのは難しいものです。引っ越したとか家族が増えたとか明らかに生活環境が変化した場合には飼い主さんからのお話で診断も可能なのですが、果たして犬猫が感じるストレスとはいったい何なのでしょうか?
末端部舐性皮膚炎といって手先・足先をひたすら舐めることで起きる皮膚病があります。これは別名神経性皮膚炎ともいわれるものなのですが、原因としてはストレスが関与しているとされています。最近しきりに足先を舐めている犬猫を飼われている飼い主さん、もしかしたら些細なことでもあなたのペットはストレスを感じているかもしれませんよ!
コロナウイルス
このウイルスは犬においても猫においても病原性を示すのですが、猫が感染してしまった場合は非常に厄介なウイルスです。猫を飼われている方なら1度は聞いたことがあると思うのですが、猫伝染性腹膜炎(FIP)というもので、発症してしまうと非常に死亡率が高いウイルス病の1つです。感染した場合の症状は様々なのですが特に目立つのが“腹水”です。太っているわけでもないのにお腹がぱんぱんになってしまい動くことすら辛い状態になってしまいます。
このFIPは予防ワクチンもまだ確立されていないので、いかに感染させないかが大切になります。感染は唾液や鼻水・糞便や尿を介して起きますので、多頭飼いの方で疑わしいと思われる子がいたならば速やかに診察を受けることをお勧めします。早期発見は感染蔓延を防止できる一番の方法ですから!